内視鏡システム開発
開発の概要
![[写真]スコープの先端と鼻からの挿入イメージ](pack/images/review12_img_01.jpg)
スコープの先端と鼻からの挿入イメージ
富士フイルムは、メディカルシステム事業分野の重要製品として、内視鏡システムの開発を行っている。
現在の内視鏡は、胃用、大腸用、小腸用・・・と多種あり、また機能も診断だけでなく簡単な処置ができるものなど多様な展開を見せている。
こうした中で当社では、これまでの口から入れる内視鏡 (経口内視鏡)に比べて画期的に細い、鼻から入れる内視鏡(経鼻内視鏡)を開発した。
この製品実現の技術的ポイントは、デジタルカメラ開発部門/生産技術部門/光学デバイス開発部門などと協力、グループの技術を結集してキー部品であるCCDカメラを内視鏡専用に設計・開発し小型化を実現したこと、患者さんに違和感や苦痛を与えない柔軟性を実現する構造設計や材料検討、また細径化と耐久性を両立するレイアウト設計技術や解析シミュレーション技術などにある。
開発者が自ら多くの医師たちの意見を聞き、独自技術を開発していくことにより、従来の口から入れる内視鏡の優れた機能を踏襲しながら細径化を実現した。
![[写真]CCDモジュールの組立工程](pack/images/review12_img_02.jpg)
CCDモジュールの組立工程
![[写真]熱解析シミュレーションの例](pack/images/review12_img_03.jpg)
熱解析シミュレーションの例
将来の展望
ところで、内視鏡は今後どのような展開の可能性があるだろう。
現在主流の内視鏡は先端のカメラの映像を映し出すものであるが、例えば、映像を加工したり、映像情報以外の方法を用いたりすることで、全く新しい診断ができるかもしれない。
![[写真]FICEの原理](pack/images/review12_img_04.jpg)
FICEの原理
映像を加工する、という観点では、当社はこれを「FICEシステム(FICE=Flexible spectral Imaging Color Enhancement)」として実用化している。これはRGB画像から被写体の分光反射率を推定し、特定の波長情報を利用することで、通常ではわかりにくい病変の特徴を際立たせる機能で、市場から高い評価を得ている。
こうした新機能の具現化を始めとして、内視鏡開発には乗り越えるべき技術課題はさまざまある。細く小さくする機械系の課題、取得した情報をどうやって体外で受け取るかという電気情報系の課題、小型高性能化に伴う発熱の課題、生体情報を内視鏡の設計情報に落とし込む生体力学/生体物理学の課題、材料/化学/薬学の課題・・・。さまざまな分野の技術課題を乗り越え、機械~電気~化学~物理~材料~薬学の技術の融合から、新しい診断方法や治療方法を生み出していく。
お医者さんが使いやすく、患者さんに優しい内視鏡システムを提供することで、人々の健康で実りある人生に貢献していきたい。その想いを持ちながら、日々開発を進めている。