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カラーラボ機器システムの開発

 

当社は、カラーフィルムの新製品を相次いで発売する一方、その現像・プリント機器の開発体制を整備し、カラーラボの省力化と高品質化を目指して、処理機器、処理システムの開発を進めていく。“5C353”・“FAP4000”・“FAP3500”、そして高速の“FAP7000”などのカラープリンター群、カラーペーパー自動現像機やシネタイプのカラーネガフィルム現像機、そして、再注文プリントシステム、ビリングシステムなど、高性能・高品質の各種ラボ機器、あるいはラボシステムを次々と開発、大規模ラボから小規模ラボまで、ラボの規模や処理内容に対応した機器システムを完成し、カラー写真の品質の向上とラボ経営の効率化に寄与する。

機器開発体制の強化

1970年代に入って,カラー写真の普及に伴い,カラーラボにおける現像処理やプリント作業量も急速に増大していった。カラーラボ業界の競争も激しくなり,より一層効率的な処理機器および処理システムの開発が求められた。当社は,全国的なフジカラーラボの現像・プリント網を整備するとともに,ラボの省力化と現像・プリント品質の向上を実現するための処理機器と処理システムの開発を目的として,1973年(昭和48年),CL計画(カラーラボ機器システム総合開発計画)推進チームを発足させた。この推進チームには,富士写真光機やフジカラー販売,そしてフジカラーサービスなど関係会社の担当者もメンバーになり,富士フイルムグループが一丸となって開発に取り組む体制とした。

[写真]カラーラボにおけるカラープリント作業

カラーラボにおけるカラープリント作業

計画は,2段階に分け,まず第1段階としてカラーラボの規模別に,それぞれの規模に合った同時プリントシステムを開発し,次に第2段階としてカラープリントの再注文ラインやビリングシステム(返送用DP袋への印字および計算処理システム)の自動化を実現することとした。

この計画の実現を図るために,1973年(昭和48年)12月には機器部を機器開発部と改め,機器開発体制を一層充実させ,翌1974年(昭和49年)6月には富士フイルムグループの機器製造体制の充実・強化を目指して,量産設計段階以降の業務を富士機器工業や富士写真光機などの生産部門に移管し,機器開発部は基礎研究と試作機の開発研究に集中することにした。

普及判サイズ用カラープリンターの開発

[写真]富士カラーロールプリンター5C353

富士カラーロールプリンター5C353

[写真]富士カラーロールプリンター11C450

富士カラーロールプリンター11C450

カラーフィルムの現像・プリントなどの処理工程は,複雑多岐にわたっているが,カラーラボにとっては,作業の大半を占めている35mm判フィルムから普及判サイズにプリントする同時プリント工程の効率化が第一に解決すべき課題であった。そこで当社は,まず,小規模なカラーラボに適したコンパクトなカラープリンターの開発を進めてきた。1970年(昭和45年)5月に“富士カラーロールプリンター3C350”を発売した後も引き続きその高性能化に取り組み,翌1971年(昭和46年)6月には“ニュータイプフジカラーN100”の発売に合わせて,35mm判カラーネガフィルムから普及判サイズにプリントするプリンター“富士カラーロールプリンター5C353”を完成した。

“5C353”は,“3C350”の1.4倍の能力,すなわち,同一標準濃度のカラーネガフィルムから連続して毎時3,700枚プリントする能力を有し,ネガフィルムの露光が多少,オーバー露光でも,あるいは露光不足であっても,自動的に補正できる補正システムを採り入れた。

一方,営業写真館のスタジオ撮影用のカラーネガフィルムは,4×5判サイズが中心であるが,観光地での集合写真や出張撮影には当社の中判カメラ“G690”カメラを用いたブローニー判6cm×9cmサイズのカラーネガフィルムも用いられるようになってきた。これらのカラーネガフィルムから大型サイズのプリントを製作するときは,これまで引伸機によって1枚ずつの手焼きプリント作業が行なわれていた。当社は,この分野に対してもロールペーパーを使用する自動プリンターの開発を進めていたが,1973年(昭和48年)7月,6cm×9cmサイズまでの大きさのカラーネガフィルムから,Eサイズから2Lサイズまでの各種サイズにプリントすることができる“富士カラーロールプリンター5C690”を開発し、発売した。

一方,4×5判サイズのカラーネガフィルムからのプリントについては,1978年(昭和53年)10月,本格的な自動プリンター“富士カラーロールプリンター11C450”を発売した。“11C450”はマイクロコンピューターを搭載し,ズームレンズによって,大四切(27.9cm×35.6cm)までの大きさに自由にトリミングしながらプリントできる高性能プリンターで,これまでは熟練を必要とした大型サイズのプリント作業を明室で従来の約3倍のスピードでできるようにし,省力化と品質の安定化に大きな威力を発揮した。

高性能自動カラープリンターの開発

1975年(昭和50年)6月,CL計画の第1段階の成果として,同時プリンター“富士オートマチックプリンターFAP4000”とその周辺機器からなるカラーラボシステムをラボシステムショーで発表し,ラボ関係者の注目を集めた。

“FAP4000”は,撮影条件による露光の過不足や色のかたよりのあるカラーネガフィルムに対しても自動的に補正し,同一標準濃度のカラーネガフィルムから連続して毎時6,000枚のプリントを行なう能力を有する高性能プリンターで,オートスプライサー(現像済みのカラーネガフィルムを長い1本のロールに接合する),オートノッチャー(各コマの位置をプリンターが正確に読みとるためのノッチを入れる)などの周辺機器とともに1976年(昭和51年)12月に発売した。

その後,1978年(昭和53年)4月には“富士オートマチックプリンターFAP3500”を発売した。“FAP3500”は,同一標準濃度のカラーネガフィルムから毎時4,200枚プリントする能力を持つとともに,6cm×9cm判サイズ用ユニットを接続すればブローニーサイズのネガフィルムからのプリントも可能となり,後述する再注文プリントシステムと接続すれば再注文プリント用にも使用できるなど,豊富なオプションによって各種の使い方ができる。

このシステムは,マイクロコンピューターを搭載したことにより一段と性能が向上し,また,コントロール回路のコストダウンが実現できたので,価格も比較的購入しやすい価格に設定することができた。その優れたプリント品質と操作性・信頼性・はん用性によって,発売以来,内外のカラーラボの好評を得,急速に普及していった。

[写真]富士オートマチックプリンターFAP3500H

富士オートマチックプリンターFAP3500H

さらに,1980年(昭和55年)1月には“FAP3500”のプリント速度を約1.5倍アップした“FAP3500H”にタイプチェンジしたが,このタイプも好評を博し,FAP3500シリーズの累計生産台数は1984年(昭和59年)1月までに1,500台を突破した。このことは,この種の製品としては極めて記録的なことであった。

この間,1978年(昭和53年)11月には,同一標準濃度のカラーネガフィルムから,連続して毎時1万枚プリントする能力をもつ高速プリンター“富士オートマチックプリンターFAP7000”を発売した。

“FAP7000”の特長は,35mm判カラーフィルムのフルサイズとハーフサイズの自動切り換えキャリアを内蔵し,35mm判フルサイズの画面とハーフサイズの画面を混在して接合した長尺状のカラーネガフィルムのロールを,そのままで連続してプリント作業をすることができるようにしたことにあった。この高速プリンターは,カラーラボのプリント業務の効率化に寄与するとともに,納期の短縮化傾向にも対応し得るもので,特にシネタイププロセサーとの組み合わせによって一層大きな威力を発揮した。

これら各種機器およびシステムの開発によって,ラボの規模に応じて最も効率的な機器を選定してカラープリントの処理ラインを構成することが可能となった。

自動現像機の開発

カラーネガフィルムの現像は,1970年代前半までは,1本1本のフィルムをクリップでハンガーにつるして現像するつり下げ式自動現像機(ハンガー式自動現像機)での処理が主体であったが,かねてから,暗室でフィルムをハンガーにかける作業の改善が要請されていた。この対応策として採用されたのがシネタイプ式の現像方式である。

[写真]明室型シネタイプカラーネガ自動現像機 FNCP600

明室型シネタイプカラーネガ自動現像機
FNCP600

撮影済みの35mm判フィルムをつなぎ合わせて長尺のロールフィルムとすることができれば,映画用フィルムと同じように連続処理することができる。当社は,未現像のフィルムをあらかじめプレスプライサー(フィルムを1本ずつ接合する接合機)で接合して長尺のロール状とし,長尺のまま連続して現像処理するシネタイプ方式の新しいプロセサーの開発に取り組み,1976年(昭和51年)5月に,明室型シネタイプカラーネガ自動現像機“富士カラーコンティニュアスフィルムプロセサーFNCP300”(毎時300本処理できる),同年12月に,同“FNCP600”(毎時600本処理できる)を発売した。さらに,1978年(昭和53年)7月には,毎時900本処理できる“FNCP900”を追加発売した。

この自動現像機はフィルムを長巻きの形で現像し,そのままプリント工程にもっていけるため,現像処理の大幅な省力化を実現するとともに,現像仕上がり品質の均一化が図れるなど,ラボの作業効率を飛躍的に向上させた。

一方,カラーぺーパーの現像については,1973年(昭和48年)9月に“富士カラーロールペーパープロセサーFRP115”,1975年(昭和50年)4月には“富士カラーぺーパーシートロールプロセサーPSR2040”と同“PSR1240”を発売した。

これらの機種は,いずれも小量処理用のものであり,その後引き続き,明室で簡単に操作できる大量処理用のカラーぺーパー自動現像機の開発を進めた。そして,1980年(昭和55年)10月,“富士カラーロールペーパープロセサーFPRP400シリーズ”3機種を商品化した。このシリーズは各機ともユニット構造とし,ラボの処理量に合わせて最も適切な機種を選択し,また,能力アップができるようにした。

これらの機種は,マイクロコンピューターを搭載したことによって,処理ぺーパーの面積を自動的に検出し,正確な処理液補充を行ない,ぺーパー幅や処理数に応じて水洗水量を自動制御するなど,品質の安定化と節水を可能にした。

再注文プリントシステムの開発

各種のカラープリンターの開発によって,同時プリント作業の工程の自動化・高速化が実現した。しかし,現像済みのカラーネガフィルムからの再注文,いわゆる焼き増しのプリント作業は,顧客から送付されるフィルムがネガシートに入れられて,カット済みのピース状になっているうえに,焼き増し枚数もまちまちで,技術的な困難から自動化が遅れ,熟練者の作業に頼っていた。

当社は,カラーラボ全体の生産性向上のために,CL計画の第2段階として再注文プリントシステムの開発に取り組み,1980年(昭和55年)7月に“富士シートローラーFSR3500”(ネガシートをプラスチックベースに貼り付けてロール化する装置),“富士オーダーパンチャーFOP3500”(注文枚数やフィルム画面の補正情報などを紙テープにパンチアウトする装置),“富士オートネガキャリアSP3500”(“富士オートマチックプリンターFAP3500”に組み込んで,フィルムを自動的にネガシートから引き出してプリントする装置)の3機種からなる“富士リプリントシステム”を発売した。このシステムは,ネガシートをロール化してプリント処理する当社独自の方式であり,従来,熟練者に依存していた再注文プリントの作業内容を簡単にし,大幅な省力化と迅速化,そしてプリント品質の安定化を実現した。

富士ビリングシステムの開発

自動カラープリンターや自動カラー現像機などの高性能の機器あるいはシステムを開発してきた当社は,いよいよ,カラープリント生産ラインの最終工程の効率化を目指して,そのシステムの開発に取り組んだ。

カラーラボでは,ロールペーパーに連続してプリントされたカラー写真を1枚1枚カットし,ネガフィルムと照合して間違いなくプリントされているかをチェックしてから,DP袋(返送袋)に袋詰めを行ない,同時に,そのプリント枚数や料金などを記入して,現像・プリント受付店に返送する。これらの作業の多くは,これまで手作業に依存しており,カラーラボでの作業全体の効率化のネックとなっていた。そこで当社は,これらの各作業の効率化のための機器および処理システムを開発し,1979年(昭和54年)11月に“富士ビリングシステム”として発売した。

[写真]富士ビリングシステム

富士ビリングシステム

“富士ビリングシステム”は,プリント済みのロールペーパーを1枚ずつカットするぺーパーカッター,カットされたプリントの良否を選別するソーター,そして“富士データプリンターFDP30KI”,およびこのシステムをコントロールする“富士ビリングセンターFBC30K”などで構成されている。

“FDP30KI”は,DP袋の店コード,袋コードを読み取るOCRリーダー,DP袋上の伝票に処理内容・枚数・金額の印字を行なうプリンター,入出力データを表示するディスプレイユニットおよび専用キーボードから構成されている。

“富士ビリングシステム”の開発によって,カラーラボでは,ぺーパーカット作業や照合工程部門でのプリント枚数などのDP袋への記入作業が自動化され,大幅に能率が向上した。また,各種のデータを同時にフロッピーディスクに記録できるので,迅速かつ正確な事務処理ができるようになった。

他方,現像・プリント受付店にとっても,従来自店でDP袋に手書きしていた現像料金やプリント料金がラボで印字されてくることにより,自店の負担が軽減されることになった。

この“富士ビリングシステム”の完成によって,当社がCL計画で目指したカラーラボ機器システムは一応完成した。

これらのカラーラボ機器システムの完成は,

  1. 当社のカラーフィルム,カラーぺーパーが本来もっている優れた性能を最大限に引き出すことができるようになった。
  2. カラーラボの作業を自動化・省力化し,処理コストを引き下げ,カラーラボの経営の効率化に大きく寄与した。
  3. 機器を媒介として,カラーラボと当社の連携が一層緊密となり,当社のカラーフィルムやカラーぺーパーの販売増加に結びついた。

の三つの点で大きな意義があり,この結果,写真感光材料の品質レベルアップと相まって,カラー写真の普及と当社カラー写真事業の拡大に大きく貢献した。

海外市場にも導入

当社のラボ機器は,1971年(昭和46年)に発売した“富士カラーロールプリンター5C353”を1972年(昭和47年)に輸出したのを最初として,各種プリンターやプロセサーが,欧米をはじめ東南アジアなど各地の現像所で広く採用された。1978年(昭和53年)9月に開かれた第15回フォトキナでは,写真感光材料や光学機器製品に加え,当社としては初めてラボ機器の新製品(“富士オートマチックプリンターFAP7000”,同“FAP3500”,大型サイズ用カラープリンター“11C450”)を展示,次いで1980年(昭和55年)の第16回のフォトキナでは,プリンターからプロセサーまでの一貫したカラーラボ機器を展示して,当社の技術力が高く評価された。

これら各種の処理機器は,その後も,世界各地に導入され,操作性・保守性・性能の良さなどの点で好評を得ている。

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