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技術革新を先取りする研究開発体制 - 新たな研究開発の課題

 

当社は、銀塩感光材料の研究開発力をさらに高めるべく体制を強化する一方、エレクトロニックイメージングの研究および新しい商品の応用開発センターとして、1981年(昭和56年)、宮台技術開発センターを設立する。従来の中央研究所は、朝霞研究所と改め、臨床検査分野およびバイオサイエンス関連の開発研究所とする。富士宮研究所では、従来の研究に加えて、新たに非銀塩感光材料の開発に取り組む。磁気記録研究所は、新社屋を建設し、内容を一層充実強化する。そして、各工場研究部門・生産技術開発センターも含めて、全研究部門の連携によって、映像情報の記録と処理を中心とした機材の分野において、新システムや新製品を開発していくことを目指す。

1980年代を迎えた足柄研究所

銀価格の異常な高騰の中で幕を開けた1980年代を迎えて,写真感光材料研究部門としての足柄研究所の研究開発のテーマには,1970年代から引き続いている

  1. 銀塩感光材料の高感度化・高画質化
  2. 銀塩感光材料の処理の簡易化の2大テーマに加えて,
  3. 銀の使用量をできるだけ少なくする省銀感光材料の開発

ということが大きく取り上げられた。

写真感光材料の省銀化の一つの方向は,感度をそのままに保ちながら,より少ない銀量で写真の濃度が出せる方法の研究であり,特に,カラー感光材料では,素材面からカプラーの二当量化の適用範囲をさらに広げていく研究を進めていった。

各種の写真感光材料の省銀化研究の成果として,銀価格の高騰による製品のコスト高をいくぶんなりとも吸収することができた。

一方,商品の開発競争はますます激しくなり,競争他社の新技術や新製品攻勢も相次ぎ,これに対抗するために,短期間で数多くの商品化を達成しなければならなくなった。このため,研究課題の重点化および写真乳剤開発研究者の強化を図るとともに,予測しがたい緊急テーマの発生に際しても迅速に対応し得るように,機動力を発揮し得るマネジメント体制をとった。

[写真]足柄研究所1B号館

足柄研究所1B号館

[写真]研究資料のマイクロファイリング(足柄研究所)

研究資料のマイクロファイリング
(足柄研究所)

[写真]充実した足柄研究所の全容

充実した足柄研究所の全容

[写真]核磁気共鳴スペクトルの測定(足柄研究所)

核磁気共鳴スペクトルの測定
(足柄研究所)

また,研究効率化のために設備面でも充実を図った。各実験設備のマイコン化,いわゆるラボラトリーオートメーションによる効率化を図り,また,カラー研究設備の増強のため,1984年(昭和59年)1月,1号館西側に隣接して,新たに研究棟(1B号館)を増設した。

写真感光材料の技術開発では,1970年代までの海外の先進企業を追いかけ,先進技術に追いつくのに懸命だった時代は過去のものとなり,今や,自ら将来を見越した開発目標を設定して技術開発を進めなければならなくなった。

1980年代の冒頭,1980年(昭和55年),新しい映画用カラーネガフィルム“A250”が開発された。この商品は,1970年代に商品化されたテレビ用16mmカラー反転フィルム“RT400”や高感度カラーネガフィルム“F-II400”の開発によって得られた自信に基づいて開発されたもので“F-II400”の開発時を上回る数多くの新技術を取り入れたものであった。

また,1970年代後半から進めてきた銀塩感光材料の性能向上のための要素技術の開発の成果が着実に実を結び,カラーフィルムの高画質化を実現し,超微粒子カラーネガフィルム“HRシリーズ”を世界に先駆けて商品化することができた。すなわち,“HR100”・“HR200”・“HR400”では,超高画質の点で,また,1984年(昭和59年)3月に発売した“HR1600”は,超高感度・高画質の点で,それぞれ世界最高レベルに到達した。この技術は引き続き,一連のカラーリバーサルフィルム高画質品へと発展していった。

一方で,銀塩感光材料の処理を簡易化する課題に対しては,その場でカラー写真が出来上がる高画質のインスタントカラーフィルム“フォトラマ”を開発した。この開発によって,高機能性有機化合物(例えば,カラー写真材料中のカプラー・フォトラマフィルムの中の色材など)の素材開発技術・直接反転フィルム用写真乳剤技術・システム設計技術,さらには研究組織運営上のソフト面の充実など,重要な能力を身に付けることができた。これらの新しい技術は,今後の銀塩感光材料の研究の一層の発展のための大きな基盤となろう。

1980年代に入ってからは,これらのカラー撮影用感光材料だけでなく,印刷製版用分野など,いわゆるアプライドフォトグラフィーの分野においても,数々の新技術や新製品を開発してきた。これらの新製品を生み出した背景には,多くの要素技術の開発や研究方法に関するノウハウの充実があった。これまでの写真乳剤研究は,経験と勘の積み重ねに基づく試行錯誤的要素もあったが,この面でも画期的な新しい時代を迎えたのであった。すなわち,化学反応や物性をより詳細に調べ,現象をより深く理解したうえで写真乳剤の設計ができるようになってきた。例えば,1ミクロンぐらいの大きさのハロゲン化銀結晶の構造が,写真乳剤研究者の考えた通りにできているかどうかを証明することができるようになってきた。また,写真乳剤粒子(ハロゲン化銀粒子)の物性を測定する手段の進歩や新装置の考案によって,感光素子(すなわちハロゲン化銀)や色素,その他の乳剤添加剤の効果のあらわれ方や現像の仕組みを明らかにすることが,着々と進歩してきた。

[写真]ハロゲン化銀の現像過程の顕微鏡写真(左)現像の始まり(右)現像の終了

ハロゲン化銀の現像過程の顕微鏡写真
(左)現像の始まり (右)現像の終了

銀塩感光材料の展望

銀を使用する写真感光材料は,発明以来1世紀半を経過し,当社としても半世紀の歴史を積み重ねた。その間に銀塩感光材料固有の力強い特性,すなわち,高感度性・高品質性・高解像力性などと,それを引き出すための各種の高機能性有機化合物の開発,そして,その組み合わせによって,今日では,銀塩感光材料は性能的に非常に高いレベルに達している。さらに銀を中間の手段とする巧妙な化学反応,すなわち,発色現像によって色像を作るカラー写真が考案されて,現在のカラー写真の基礎ができて以来,多くの改良が原材料や製造法に加えられて,現在の精巧なカラー写真システムができ上がった。銀塩感光材料の誕生は古くても,新しい技術がどんどん加わってきて,その可能性が広がっている。例えば,カラーインスタント写真によって現像の煩わしさからは解放されたが,これは“フォトラマ”の中の新しい色材(ダイレリーサー)と直接反転写真乳剤の高感度化によって達成されたものである。このような事実から,われわれは,高機能性有機化合物を開発し,それをハロゲン化銀と組み合わせて,総合力を発展していくことによって,銀塩感光材料が今後も限りなく進歩し,発展していく可能性を有していると信じている。

当社は,これまで培ってきた諸技術を基にし,さらに発展させ,銀塩写真の可能性を徹底的に追求していく。そして,その研究成果として,ユーザー指向に徹したシステム商品を完成し,拡大するイメージング分野の需要に最大限に応えていけるように,今後も,日夜積極的な研究活動を続けていく。

[写真]フジカラーHR400の断面(左)未現像(右)発色現像後

フジカラーHR400の断面
(左)未現像 (右)発色現像後

宮台技術開発センターの設立

[写真]レーザー光記録実験装置(宮台技術開発センター)

レーザー光記録実験装置
(宮台技術開発センター)

[写真]システム機器の開発(宮台技術開発センター)

システム機器の開発
(宮台技術開発センター)

近年,エレクトロニクス技術は,めざましい発展を示し,その応用範囲も急速に拡大しつつある。ここ数年の動向を見ても,当社の事業に関連する分野でも,8ミリビデオや電子スチルカメラのプロトタイプなどが次々と発表された。OAの分野で光ファイルやグラフィックアーツの分野で各種のスキャナー,医療診断の分野でX線CTや超音波診断など,エレクトロニクス技術を採り入れた映像記録システムに電気機器や精密機材メーカーが次々と参入してきた。

当社は,これまでも,機器製品や光学製品の開発に,あるいは生産工程の自動化に,エレクトロニクスの技術を積極的に採り入れてきた。しかし,さらに,新しい時代に向けて発展していくためには,当社がこれまで培ってきた固有技術(ファインケミストリー・塗布技術など)と要素技術(光学技術・磁気記録技術・計測技術など)を土台として,さらにエレクトロニクスの技術を採り入れ,複合化し,新しいニーズに対応し得る新しいシステムの機器や素材を開発していくことが必要である。このような背景のもとに,次の3点を指向して,1981年(昭和56年)7月,宮台技術開発センターを発足させた。すなわち,

  1. 日進月歩のエレクトロニクス技術の導入受入素地を強化すること
  2. エレクトロニックフォトグラフィー(エレクトロニックイメージングシステム)の商品開発
  3. 当社各部門の基礎研究成果をべースにした新しい応用システム商品・新しい複合商品システムなどの応用開発センターとする

これまで各種の処理機器などの開発を担当していた機器開発部も統合し,また,新しいX線画像システムや新規イメージングシステムを開発中の関連研究部門のハードシステム関係技術者を結集し,新たに,足柄工場に近い神奈川県開成町宮台地区に建物を建設し,設備を整備した。新設備は,同年11月に完成し,開所式を迎えた。

宮台技術開発センターは,開設以来,多くの成果をあげてきた。その主なものをあげると,次のようなものがある。

  1. 医療の分野では,FCR(富士コンピューテッドラジオグラフィー)を開発したことが特筆される。また,機器開発部からの引き継いだCTや超音波診断のCRT上におけるディスプレーを1枚のフィルムに数画面同一の調子で,分割撮影できるFIM2025シリーズの開発に成功した。
  2. グラフィックアーツの分野では,電子写真方式による全自動製版カメラELPの開発に成功し,市場に導入した。
  3. OA分野では,同じく電子写真方式のリーダープリンター“FMR30AU”の開発を行なった。また,日本語COM“FMIP6000N”および光COM“7000L”を開発した。この“7000L”は完全ドライ明室処理が可能の機器であり,光学技術および磁気材料技術など,当社固有技術にエレクトロニクス技術が複合化されたもので,今後の新製品の研究開発の方向を暗示するものである。
  4. フォトフィニッシャー用の機器の分野では,超高速プリンター“FAP15K”,大サイズ用プリンター“12C4510”などの高性能機の開発に成功した。

なお,1983年(昭和58年)には,機器の開発業務のうち,量産試作の業務を製造担当部門である関係会社に移管した。

当社は,今日まで,高度の化学技術を駆使した記録材料(銀塩感光材料・磁気記録材料・印刷材料・感圧紙・感熱紙など)を開発生産し,ユーザーに提供してきた。その中で,当社固有技術を育成し,また,市場動向やユーザーニーズを把握するノウハウを体得して育ってきた。最近の映像情報分野では,要求される特性が多様化している事実を踏まえ,また,ハードそのものが高度にインテリジェント化されてきているという事態にも十分配慮のうえに,当社固有技術にエレクトロニクスのハードとソフトの技術を配して新しいイメージングシステムを開発することが,今後の当社,ことに宮台技術開発センターに課せられた大きな責務である。

朝霞研究所の発足と展望

1979年(昭和54年)11月,中央研究所は朝霞研究所と改称し,その研究テーマを「商品化を前提としたプロジェクト研究」に絞り込むこととした。その後,エレクトロニックイメージングに関する研究開発体制を整備強化するために宮台技術開発センターを発足させ,ここに,新規イメージングシステムの研究開発業務を集中することとしたことに伴って,朝霞研究所の研究開発テーマを「血液検査システム“富士ドライケムシステム”」と「遺伝子解析用電気泳動膜」の二つのテーマに絞って研究開発を進めてきた。

これは,従来,固有技術として蓄積してきた薄膜多層塗布技術およびファインケミカルスの技術を結合(いわゆるハイブリッド化)して,開発してきたものである。この開発によって,当社とこれまで比較的縁の薄かった分野とコンタクトできる手がかりを得た。今後,生命に関する科学は,社会のあらゆる分野に革命的な影響を与えることを考え,この新分野の知識・技術を蓄積し,整備し,総合情報システムを構築するために遺憾ないよう期していく考えである。

富士宮研究所の充実

[写真]溶剤試験塗布機(富士宮研究所)

溶剤試験塗布機
(富士宮研究所)

富士宮研究所は,富士宮工場にX-レイフィルムおよびそのフィルムベース(PETベース)の製造工場を設立したのに伴って,1973年(昭和48年)4月に発足した。フィルムベースを形成する高分子材料の研究を充実させるために,従来,足柄研究所に設けられていた高分子研究室を移したもので,それに,富士宮工場内ですでに活動していたWP紙、つまり“感圧紙”の研究グループを合体して設立されたものである。

その後,今日まで十数年経過し,その間,富士宮研究所の研究分野は多岐にわたった。PETベースとその下塗材料の研究,感圧紙および印画紙用原紙の品質向上,感圧紙の新しいカプセルの研究などに成果をあげ,また,高分子複合材料の一例として“シーロンフィルム”を,カプセルの応用商品として“プレスケール”を,それぞれ開発した。新しい情報記録紙たる感熱紙の開発も,富士宮研究所の研究成果である。

その後,1979年(昭和54年)からの銀高騰に伴い,各種の写真感光材料の非銀塩化研究として,フォトポリマー(光によって性質が変化するポリマー)を応用したPS版以外の材料の研究も始め,研究体制を強化した。

現在では,富士宮研究所は,従来からの高分子研究などを進めるとともに,情報化社会の進展に則した新しい情報記録材料,特に非銀塩材料でOA分野や高密度記録分野などに使用される新規材料の開発を目指して,今後の発展を図っている。

磁気記録研究所の充実

[写真]ビデオテープの性能テスト(磁気記録研究所)

ビデオテープの性能テスト
(磁気記録研究所)

小田原工場磁気材料部では,発足当初から新磁性体の研究や新製品の開発を担当する研究室を設けていた。その後,研究室の陣容を充実して,研究開発力を強化し,1977年(昭和52年)には磁気記録研究部として製造部門から独立,さらに1980年(昭和55年)には,磁気記録研究所として,その一層の充実を図った。

磁気記録研究所は,磁性体やバインダーなどの基礎研究を行なう一方,より高密度記録の達成を目指しての諸研究を推進し,また,ビデオテープの各種VTRの走行適性を評価する設備を充実させるなど,その内容の整備を進めた。新製品の開発についても,好評のビデオカセットテープ“スーパーHG”,同じく“スーパーXG”や耐熱性に優れたオーディオカセットテープ“GT-I”・“GT-II”,フロッピーディスク“スーパーHR”などを次々に生み出して,ユーザーニーズに応えている。

さらに,研究効率の向上と内容の一段の充実強化を図り,1982年(昭和57年)6月,小田原工場構内に,ざん新な研究設備を備えた研究所の新棟を完成させた。次世代の高密度磁気記録材料としてのメタルビデオテープ(MVタイプ)・蒸着ビデオテープ(VVタイプ)などの開発をはじめとして,技術進歩の著しい磁気記録媒体の研究を強力かつタイムリーに展開し,磁気記録材料事業をさらに拡大させていくため,今後,一層研究開発体制を強化させていくこととしている。

吉田南工場研究部の活躍

[写真]走査型電子顕微鏡によるPS版表面の解析(吉田南工場研究部)

走査型電子顕微鏡によるPS版表面の解析
(吉田南工場研究部)

吉田南工場でのPS版の生産開始に伴って,PS版の研究部門として,1974年(昭和49年)7月,吉田南工場研究室がスタートした。

PS版は,感光剤とともにその支持体の表面状況によって刷版としての特性が大きく左右されるので,吉田南工場研究室(後に,吉田南工場研究部と改称)の研究テーマは,これらの点を重点として取り上げた。

そして,これらの研究をもとにして,ユーザーニーズを的確にとらえた版材および処理システムの商品化研究を推進し,マルチグレインシリーズや“DC”・“ES”システムなど,ユーザーの製版作業効率を著しく向上させた各種の新製品を開発した。

また,当社が培ってきたハロゲン化銀写真乳剤や電子写真感光体の技術を活用して,一連の高感度刷版システムの開発を行ない,“FNH”と“ELP”として,それぞれ商品化を行なった。

このように,今後も,エレクトロニクス化によって著しく変化する印刷システムの中で,真のニーズがどの点にあるか見極め,高品質かつ印刷しやすい版材と,その刷版システムを実現すべく,日夜努力している。

革新的な生産技術の開発を目指して

生産技術研究の面での最大の課題は,われわれを取り巻く周囲の状況の変化を敏感にとらえて,将来の変化を正確に読みとり,前人未踏の新技術の開発にチャレンジして,画期的なコストダウンを達成することにある。その内容は,これまでと大きく変わっていく。今日では,過去に通用していた考え方,すなわち大規模な能力の設備を開発し,それによって,コストパフォーマンスと生産性を向上させるという考え方だけでは,もはや通用しない。

生産技術の開発に当たっては,今後,次の三つの課題に取り組んでいく。

  1. FMS(Flexible Manufacturing System)技術の開発
    設備の稼動を落とさず,多品種を効率よく生産できるフレキシブルな機能を有する設備を開発し,ユーザーニーズの多様化に対応できるシステムを作り上げる。
  2. 高性能な設備を安く作る技術の開発
    新設備の設計にあたっては,低コスト設備を目指して,必要最小限の機能に絞ったシンプルな設計とする。
    これによって,減価償却が進んだ既存設備を使いつづけるよりも,新設備への切り換えが有利になるようにして,新しい技術を盛り込んだローコストの新鋭設備を積極的に導入し,設備をリフレッシュしていく。
  3. FA(Factory Automation)の導入
    生産システムにコンピューターを導入して無人工場を実現し,さらに,生産計画を作成し,生産を指令し,生産の進ちょく状況を管理するファクトリーマネジメントと生産技術との一体化を図る。

研究開発の課題

[写真]超高速ウェブハンドリングテスト機(生産技術開発センター)

超高速ウェブハンドリングテスト機
(生産技術開発センター)

当社の研究部門は,足柄研究所・宮台技術開発センター・朝霞研究所・富士宮研究所・磁気記録研究所・生産技術開発センターをはじめ,各プロジェクト室や各工場内の技術研究部門に分かれているが,各研究部門は,それぞれ自己の担当する技術領域の研究とともに,相互に連携して,それぞれ研究開発を進めてきた。

当社は,創業以来,各種皮膜の上に多様な高純度の化学薬品を何層も薄くかつ均一に塗る技術を開発し蓄積してきたが,ファインケミカルあるいはミクロエンジニアリングの分野でのこの技術を今後も発展させていきたいと考えている。

もう一方の蓄積技術としては,オプティックス,すなわち光学的技術があり,これのハイレベル化を通じてマイクロ写真機器を含めた各種の光学機器の開発を実現してきた。

こういう固有技術にエレクトロニクスやメカトロニクスの技術を付加したハイブリッドテクノロジー,また,ファインケミカルからバイオテクノロジーへという方向で,現在各種の具体的な開発目標を掲げて,研究体制づくりを推進している。

そして,銀塩写真分野の技術の奥行きをさらに掘り下げるとともに,エレクトロニクスを含めた新技術の開発や各種技術の複合化によって,今後とも,映像情報機材分野に幾多の新製品を開発していくこと,また,その生産技術の向上を図っていくことを目指している。

 
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