販売・物流時の化学物質管理
富士フイルムグループでは、社会の要請にこたえ、常に一歩先行した取り組みを行い、製品・商品に含有化学物質管理をグローバルで徹底させ、取引先やお客さまとの情報共有を図っていきます。ここでは、製品の販売、物流時の取り組みについてご紹介します。
REACH規則への対応
欧州市場では、これまでは規制の対象外であった約10万種の既存化学物質や成形品中の化学物質に対しても、事業者によるリスク管理と登録を厳しく求めるREACH(*1)規則が2007年6月に施行されました。化学物質・調剤からアーティクルまで幅広い製品を取り扱う富士フイルムでは、1975年から社内に化学物質の安全性評価設備を設置し、化学メーカーとしての長年のノウハウを投入し、化学物質の徹底管理に努めてきました。
REACH対応に向けて、欧州および日本でプロジェクトチームを立ち上げ、2008年6月から6か月間の予備登録に向けた対応を進めました。サプライヤー(調達先)との情報交換を行い、各登録案件ごとに協議しながら調整しています。
今後は、量に応じて下図に示した期限までに当該物質の登録を進めていきます。また、REACHが指定する高懸念物質(SVHC)を含有しているアーティクルは、届出と安全使用情報を顧客に伝達することが義務づけられています。アーティクルを構成している物質のうち、PS版や写真フィルムなど化学原材料から作り上げるアーティクルはJAMP MSDSplusによる一次調査を開始し、機器や部品については部品メーカーなど川上にさかのぼって調査を行っています。
*1 REACH(The Registration, Evaluation, Authorization and Restriction of Chemicals):欧州で実施される既存化学物質やアーティクルも対象とするより厳しい化学物質管理システム。化学品の登録、評価、認可および制限により管理しようとするもの。
REACH登録スケジュール
![[図]REACH登録スケジュール](pack/images/index_img_01.gif)
「統合化学物質管理システム」の構築とグループ内の共有化
REACH、RoHS(*2)、GHSなどに代表される化学物質管理・含有化学物質管理の規制強化に対応するため、従来のシステムやデータベースの再構築とグローバルな運用ルールの改訂を進めています。現在、構築を進めている「統合化学物質管理システム」は、これまで別々に管理していた情報、システムを統合化し、化学物質からアーティクル含有化学物質まで一貫した管理を目指しています。その第一ステップとして、現在、化学物質管理システムの再構築を進めています。富士フイルムと関係会社の化学物質情報の共有化を図り、グループ全体のガバナンス強化、管理の効率化、レベルアップを目指します。
*2 RoHS(Restriction of the use of certain Hazardous Substances in electrical and electronic equipment):欧州における電気・電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限指令。2006年7月1日から電気・電子機器へのカドミウム、水銀、鉛、六価クロムおよび臭素系難燃剤(PBB、PBDE)の使用を禁止。
GHSへの対応
GHS(*3)を組み込んだ改正労働安全衛生法(2006年12月施行)に対しては、表示対象物質を含む製品についての製品ラベル表示変更と、MSDS(製品安全データシート)改訂は在庫品を含め対応しました。また、裾切値の変更により新たに対象となった製品に関しても、MSDS作成データベースシステムを改良し、2008年7月には、通知対象物質を含む製品すべてのMSDSを一括改定しました。表示対象物質を含む製品のラベル表示改定に関しても、2008年11月末に対応完了しています。
*3 GHS(Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals):化学品の分類および表示に関する世界調和システム。化学品の危険有害性分類とラベル表示に関する世界的に統一されたルールで、化学品の安全ラベル・安全データシートの提供・製品への表示に適用する。
![[写真]GHS対応済みの段ボール箱の表示とボトルのラベル表示](pack/images/index_img_02.jpg)
GHS対応済みの段ボール箱の表示(左)とボトルのラベル表示(右)
MSDS、JAMP MSDSplus、JAMP AISでの含有化学物質の情報提供
![[写真]製品安全データシートサイト(トップ)](pack/images/index_img_03.jpg)
製品安全データシートサイト(トップ)
![[写真]製品安全データシートサイト(AIS)](pack/images/index_img_04.jpg)
製品安全データシートサイト(AIS)
富士フイルムは、化学物質の徹底管理とその情報開示に、早くから積極的に取り組んでいます。化学製品に対するMSDSだけでなく、フィルム、印画紙、PS版、フラットパネルディスプレイ材料などの材料製品に関しても自主的に独自のAIS(アーティクル製品環境安全情報シート)を作成し、WEBサイトで公開してきました。
欧州REACH規則施行にあたり必要となった、アーティクル(成形品)中の含有化学物質の管理・情報提供に対応するため、国内の産業界を横断して製品に含まれる化学物質の管理方式の共通化を目指して設立されたJAMP(アーティクルマネジメント推進協議会)にも発起人企業として発足当初より積極的に参加しています。化学製品に対する化学物質情報の共通フォーマットとして策定された「JAMP MSDSplus(*4)」もいち早く採用し、サイトでの公開を2008年3月から始めました。また、アーティクル中の化学物質情報提供フォーマット「JAMP AIS」についても早期対応を進めています。
*4 JAMP MSDSplus:JAMPが提案しているREACH規則などに対応し、MSDSを補完する含有化学物質情報シート。


