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微小形態・構造解析

 

開発の背景

機能材料開発では、材料やデバイスが構造的にも機能的にも意図したとおりきちんとできているかどうかを解析的に明らかにし、問題があればその原因をはっきりさせて次のステップに進む方法論を大切にしている。最近は、材料のサイズが小さくなりナノオーダーの構造を可視化する解析技術が重要になってきている。

微小形態・構造解析の特長

例えば、磁気記録媒体の開発においては、高記録密度化を達成するために大きさ数nmのナノ磁性粒子を用いる研究をしている。代表的なナノ材料であるFePt合金は、磁気異方性エネルギーが高く、微細化しても磁気記録が安定であると期待されている。図1(a)には、直径6nmのFe-Pt粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)像を示す。格子像が明確に観測され、2nmのドメインからなる多結晶であることが分かる。この粒子は加熱処理を施すと磁気特性が変化することが知られていた。試料を加熱したままナノ粒子の電子回折や磁化状態が測定できるように改造したTEMを用いて、アニール工程での構造変化や磁気特性の熱安定性を評価した結果を図1(b)、(c)に示す。調製直後は立方晶系(常磁性)であったFe-Ptナノ多結晶粒子が550℃付近で単結晶化した後に、650℃付近から660℃の間で強磁性である規則結晶 (L10) に相変態する様子を電子回折から明確にできた[1]。このような結晶構造変化の知見を基に、最適なナノ磁性体用の粒子調製技術の構築に貢献した。

[図1]FePtナノ粒子 (6 nm) の高分解能TEM像(a)とその場ナノビーム電子回折図形(b, c)

【図1】FePtナノ粒子 (6 nm) の高分解能TEM像(a)とその場ナノビーム電子回折図形(b, c)

また、富士フイルムでは光重合を利用した薄膜材料が数多く使われている。膜厚1~2µmの薄膜内での重合進行具合を可視化することを目的に、膜の断面に存在する二重結合を化学修飾した後に飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF-SIMS)で分布を解析する方法を開発した[2]。図2に示すように、TAC基板上の厚さ2µmのモノマー層を重合した膜の重合率の深さ方向プロファイルを数十nmの空間分解能で可視化できる。この解析法を活用することで、より重合率の高い光重合開始剤の開発に繋がる。

[図2]TOF-SIMSから求めた膜内重合率の深さ方向分布

【図2】TOF-SIMSから求めた膜内重合率の深さ方向分布

参考文献

  • [1]  M. Nakanishi et al., Mater. Sci. Forum 561-565 (2007) 2111-2114.
  • [2]  T. Maekawa et al., 16th International Conference on Secondary Ion Mass Spectrometry, SIMS XVI(2007).

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