生産技術
生産技術は、高機能材料、デバイス、機器などの量産技術構築がミッションです。光学フイルムや高精度レンズといった製品も、薄層塗布、成膜、微細加工、精密組立、熱・流体シミュレーションなどの技術力と緻密なプロセス設計によって実現されています。活躍のフィールドは、ナノテクノロジー分野から生産設備の設計まで広がり、海外を含めた生産拠点の技術の核としての機能も果たします。
必要とされる専攻分野
化学、応用化学、生物、物質工学、材料工学、化学工学、物理学、応用物理学、金属工学、機械工学、精密工学、計測工学、制御工学、電気工学、電子工学、超電導工学、原子核工学、地球システム工学など
富士フイルムの超精密加工・実装技術は、高度なフォトリソ技術を蓄積し、半導体の高集積度化の鍵を握るフォトレジスト分野では、世界トップクラスの技術を誇ります。実用化にむけた要素技術分野には、マイクロリアクター、µ-TAS、MEMSなどがあります。精密成形技術では、デジタルスチルカメラや携帯撮像モジュールに用いられる各種精密光学部品の技術開発を進めており、特に非球体レンズ精密成形技術の研究開発に注力しています。
<乳剤多層同時塗布技術>
たとえばカラーネガフィルムは、フレキシブルな支持体の総厚10数µm、層数10数層の多層膜から成っています。このような高機能な多層膜を、高精度かつ高効率に生産する多層同時塗布技術を開発しています。多層塗布流れの安定化研究、高速・薄層塗布限界への挑戦、高精度な塗布装置の設計などに、少量スケールでの塗布実験、塗布液物性の分析、流れの可視化、数値シミュレーションなどを駆使して取り組んでいます。
<超薄層磁性体塗布技術>
コンピューターネットワークの発達に伴い需要が高まっているデータバックアップ用の磁気テープは、現在は1巻数TB(テラバイト)の容量に到達しようとしています。富士フイルムでは従来、蒸着などの真空成膜プロセスでしか形成できなかった数十ナノメートルの薄層磁性層を、生産性の高い塗布プロセスで形成するATOMM技術やそれを進化させたナノキュービック技術を開発し、安価で信頼性の高いテープを開発しました。
真空薄膜技術は、LCDや有機ELをはじめとする電子ディスプレイ用機能フィルム、光イメージングデバイス、光学レンズ、超高密度磁気記録メディアなど、広範囲の製品分野で期待をよせられており、より高機能な材料やデバイスの実現を目指して研究を進めています。微細加工技術は、ハードディスクや光ディスクなどの記録密度、記録容量増加のために有効活用できる技術開発であり、先端レベルの加工サイズ微細化、高精度化を目指しています。
デジタル化が進む中、印刷物の需要は伸び続けており、印刷の主流となる平版印刷版材であるPS版の需要は一層高まっています。PS版の支持体はアルミニウムですが、その表面は、版としての性能を満たすために、凹凸(砂目)パターンを形成し、さらに表面硬化と親水性の向上の目的で、砂目形成した表面に陽極酸化皮膜を形成しています。表面を微細加工することにより高機能化を実現しています。
富士フイルムの基幹事業にもなっているフラットパネルディスプレイ材料。この分野では光学機能性フイルムの設計と並んで、テレビの大型化などにより拡大するマーケットに向けて安定に製品を供給するための生産技術がポイントとなっています。富士フイルムでは流体力学、レオロジー、移動論などに基づく流延製膜技術を深化させ業界のニーズに合わせた光学フイルムを次々に生み出しています。
携帯電話に搭載されているデジタルカメラの小型化(薄型化)、高画素化が急速に進んでいる中で、レンズの薄型化が必須となっています。薄型化のために、富士フイルムでは、従来の光学設計を根本から見直し、まったく新しい光学系を開発し、従来の単純な形状のレンズとは全く異なる複雑な形状のレンズ(カモメレンズ)を開発しました。『超高精度カモメレンズ成形技術』により量産化しています。
地球温暖化対策や環境調和型生産技術は、企業にとって最重要課題であり、富士フイルムでは「富士フイルムグループ グリーン・ポリシー」を掲げて持続的発展に繋がる環境対策に力を注いでいます。エネルギーフローによる排熱回収再生システム設計や製造工程の排ガスクリーン化技術開発を行うなどの省エネおよび環境対策につながるプロジェクトを推進しています。