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超精密加工・実装技術

 

開発の背景

各種精密機器の急速な高精度化・多機能化・小型化にともない、マイクロデバイスへの需要が増大している。それを実現するために、超精密加工技術や接着材料を含む実装技術開発、さらにマイクロレンズの製造に不可欠な精密成形技術など、µm(マイクロメートル)およびnm(ナノメートル)レベルの超精密加工・成形技術の実用化が求められている。

超精密加工・実装技術の特長

富士フイルムは、ウエハ上に半導体の精密な回路を作成するための高度なフォトリソ技術を蓄積し、半導体の高集積度化の鍵を握るフォトレジスト分野で、世界トップクラスの技術力を有している。これまで培ってきた超精密加工・実装技術のさらなる研究開発に取り組み、【図1】に示すようなウエハレベルでの展開を目指している。実用化に向けた要素技術分野を、以下に記す。

[図1]超精密加工・実装技術の展開例

【図1】超精密加工・実装技術の展開例

1. マイクロリアクター(Micro Reactor)

単位体積あたりの装置表面積が大きく、精密な温度制御が可能な触媒反応装置である。飛躍的なダウンサイジング化により、環境に対する負荷の軽減にも貢献することが期待される。

2. µ-TAS(Micro Total Analysis System)

一枚の基板上に、流路・反応槽・検出器などをシステムマイクロファブリケーション技術を用いて集積化し、入口から導入した化学物質の分析・同定・モニタリング、さらには化学合成などを行うµ-TASの開発に取り組み、分析装置のすべての構成要素を1チップ上に集積化することを目指している。反応系全体が小型化されているため、以下の特長がある。

  • 少量のサンプルで測定が可能
  • 前処理を含めた測定の自動化
  • 反応時間の短縮
  • 低コスト化、ディスポーザブル化、人手の削減

3. MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)

新規のフロンティア市場を開拓しうるマイクロデバイスとして注目される。とりわけ、巨大な市場ポテンシャルを秘めると期待されているのが、バイオMEMSである。シリコンやガラスなどの基板上に微小な流路、バルブ、ポンプなどを形成し、ケミカルプラントをマイクロチップ上に集積したLab On a Chipなど、多数のバイオMEMSが提案され、バイオ産業のみならず、半導体産業からも注目される。

精密成形技術の特長

デジタルスチルカメラや携帯撮像モジュールなどに用いられる各種精密光学部品の高精度差別化成形技術開発を進め、中でも特に非球面プラスチックレンズの超高画素密度化技術を中心とする超小型光学ユニットの高精度成形技術に関する研究開発に注力している。非球面プラスチックレンズ【図2】は、射出成形工程を用いて、鏡面の面粗度と形状精度を高精度に管理されて非球面状に彫り込まれた金型に光学用プラスチック材料を流し込んだ後、冷却固化させる方法で成形される【図3】。

[図2]球面レンズと非球面レンズの光学特性比較

【図2】球面レンズと非球面レンズの光学特性比較

[図3]非球面レンズの金型と成形結果例

【図3】非球面レンズの金型と成形結果例

富士フイルムでは、写真フイルムの技術開発で培われた技術文化とも言える高品質生産技術力と高い理論解析力を背景にして、プラスチックレンズ他の精密プラスチック部品の超小型化と高精度成形技術の研究開発に長年取り組んできた。そして今、光学設計、射出成形プロセス、精密金型設計、精密微細加工、プラスチック材料などの開発技術者による自由な発想と活発な議論を重視した開発体制で、撮像光学系分野に独自の技術領域を切り開こうとしている。

マイクロリアクター

[図4]3液混合型マイクロリアクター

【図4】3液混合型マイクロリアクター

µ-TAS

“Micro Total Analysis System”の略で、ポンプ、バルブ、センサなどを小型化・集積化した化学分析システムの総称。特に、医療や環境測定の分野での活用が期待される。

MEMS

“Micro Electro Mechanical Systems”の略で、半導体プロセス技術を用いて1つの基板上に電子と機械機構を融合させた微小デバイス。機械、光学、流体などの精密な機構部品やモジュールのマイクロ化や複合化を可能にして最終製品を特徴づける要素技術として期待が寄せられている。

関連情報

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