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X線画像センサー

 

開発の背景

富士フイルムでは、医療用レントゲン写真分野においてもデジタル化を推進している。当社はイメージングプレートとその読取機を世界に先駆けて医療用画像のデジタル化を実現し、医療現場から高い評価と信頼を得ている。現在、レントゲン撮影をさらに高画質・便利にするためのX線画像センサーの開発を進めている。乳がんの早期発見に有効なX線マンモグラフィ検査においては、X線照射量の低減、診断性能の向上、効率的な撮影が可能な高感度かつ高精細の画像センサーが求められている。富士フイルムでは、独自の光スイッチング読出し方式のセンサー構造を提案し、『アモルファスセレン直接変換方式』として世界最小の『50µm画素ピッチ』のX線画像センサーの開発を進めている。

開発の概要

『直接変換方式』とは、半導体に電界を印加した状態でX線が入射すると、X線量子が吸収されて代わりに電荷が生成される光電変換現象を利用した方式である。従来の間接変換方式と呼ばれる、X線を蛍光体に入射させて1度可視光に変換した後、フォトダイオードやCCD素子により電子化する方式では、光拡散により画像にボケが生じる、信号ロスが大きいという欠点があった。直接変換方式の採用により、電荷が電界方向に輸送され、ボケずにかつ高効率に収集できる。

[図]直接変換方式

[図]間接変換方式


[図]直接変換 + 光スイッチング


ボケない『直接変換方式』を生かすためには、より精細な画素ピッチが要求される。世界最小の『50µm画素ピッチ』を実現するために、富士フイルムはアモルファスセレンを2層構造で形成し、間に絶縁体である電荷蓄積層を挟んだ独自のデバイス構造による光スイッチング読出し方式を考案した。第1層でX線を電荷に直接変換し画像情報を電荷蓄積層に保存。第2層に50µm幅に集束した光を照射して保存電荷量に応じた電流を検出する(光誘起放電現象)、すなわち、光をスイッチとして画像電気信号を読出すことを可能とした。従来のTFTを利用した電子的スイッチよりも配線構造が簡略化でき、高精細化が容易かつ読出ノイズが低い利点がある。

このようなセンサー開発には、半導体材料開発、電荷輸送解析、電子デバイス設計、光学設計、メカ設計などの材料・電気・電子・物理・機械系の広範な専門分野の融合が必要である。幅広い分野から人材を募る富士フイルムの技術蓄積・土壌から生まれた電子デバイスにより、高解像度と高感度を両立させて乳がん診断画像の描出性能を大幅に向上させることを目指している。

関連情報

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