高品質CCDイメージセンサー
開発の背景
富士フイルムでは、デジタルカメラの開発と平行して、その心臓部であるCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサーを開発・製造している。このような環境で、カメラ側・センサー側相互の要求をダイレクトに反映させ合い、『高感度』、『高S/N』および『広ダイナミックレンジ』といった高品質のデジタルカメラを実現している。特に、ハニカム画素配列のCCD(スーパーCCDハニカム)を採用することで、独自の高品質なデジタルカメラを開発している【図1】。
![[図1]正方配列とハニカム配列](pack/images/review09_img_01.gif)
【図1】正方配列とハニカム配列
開発の概要
最近のコンパクトデジタルカメラは、小型化、薄型化と同時に1000万画素を越えるような多画素化が進んでいる。そのために、イメージセンサーの1画素あたりの面積を小さくする(微細化)必要があり、その分、各画素の受光面積が小さくなるため、原理的に感度が低下することになる。しかし、イメージセンサーにとって最も重要な特性のひとつである感度の低下は許されず、画素に入射した光を有効に利用できる構造を開発していくことで微細化と高感度化の相反した課題を解決した。
現在は2.0µm四方以下の画素面積の製造・開発を行っており、その開口の大きさは1.0µm四方を下回るような、可視光波長(およそ380nm≦λ≦780nm)と大差ない領域にまで来ている。このような微小領域では、光の波長を無視できない干渉・多重散乱などの複雑な挙動の影響が顕著になる。
![[図2]正方配列とハニカム配列](pack/images/review09_img_02.gif)
【図2】正方配列とハニカム配列
我々は、このような微小光学系を高精度に解析するため、FDTD(Finite Difference Time Domain)を用いた3次元光学シミュレーションを社内開発し、CCDの設計に導入した【図2】。その計算結果をもとにオンチップレンズを作成することで、撮像特性と生産性に優れたイメージセンサーの開発に成功した。また、デバイスシミュレータと組み合わせることで、感度に限らず広範囲な撮像素子特性についても高精度に解析できるようになった。これにより、微細化に伴って見えてくるさまざまな現象を短時間、低コストで解明し、また的確な対策を講じることが可能となり、より高品質なイメージセンサーの開発が可能となった。
今後は、微細化する中でも高品質を継続すると共に、これまでのスーパーCCDハニカム開発と微細化で培った技術を基に、新たなイメージセンサー開発に取り組んでいく。
参考文献
- T.Yamada, et al. A Progressive Scan CCD Image Sensor for DSC Applications IEEE Journal of Solid-State Circuits 35(12),2044-2054(2000)
- S.Takahashi, et al. Optical Characteristic Evaluation of a CCD by Electromagnetic Field Analysis Optical Simulation and Collimator Measurement. FUJIFILM RESEARCH & DEVELOPMENT No.51-2006



