インクジェットデジタルプリントシステム
開発の背景
富士フイルムは、2008年のdrupa(4年に1回開催される世界最大の印刷機器展示会)で世界で初めて シングルパス方式(*1)/1200dpi(*2)の高解像度/菊半サイズ(*3)の 「高速」「高画質」「大サイズ」の印刷を実現した次世代インクジェットデジタルプリントシステム『Jet Press 720 』を発表した。
![[写真]次世代インクジェットデジタルプリントシステム『Jet Press 720』](pack/images/review11_img_01.jpg)
次世代インクジェットデジタルプリントシステム『Jet Press 720』
- *1 印刷用紙に対してヘッドを1回だけ走査させて印刷を完成させる方法。高速印刷が可能。
- *2 解像度は1200dpiで、さらにドットの大きさを4段階に変えることができ2400dpi相当の高画質を実現できる。
- *3 728mm×515mmの用紙に印刷できるものを一般的に菊半印刷機という。
開発の概要
これまで印刷は、印刷原版を作り(カラー印刷では4版)、それを印刷機に取り付け、多数枚の印刷物を刷るという方法で行われてきた。昨今個人向けのダイレクトメールなどに代表されるように印刷物の多品種・少部数化が進み、加えて短納期でタイムリーな印刷物の作製が求められるようになっている。このニーズにこたえるべく開発されたのが 「高速」「高画質」「大サイズ」をデジタル印刷で実現した『Jet Press 720 』である。
これを実現した技術ポイントは、高密度長寿命のピエゾ素子が高精度に配列された長尺プリントヘッドの開発と、高速インク凝集と用紙カール抑制を達成したインク材料技術である。
プリントヘッドは、グループ会社の富士フイルムダイマティックス社のMEMS技術を用いて、高密度にノズルを2次元配列しコンパクトで長尺な高解像度のプリントヘッドを実現した。
![[図]長尺プリントヘッド](pack/images/review11_img_02.jpg)
長尺プリントヘッド
インク技術は富士フイルムが蓄積してきたケミカル技術を駆使して開発した環境に優しい水性インク材料であり、プレコート技術とインク技術により高速インク凝集を達成し、にじみのないシャープな高画質プリントの作製を可能にした。また、従来の水性インクが抱えていた紙変形の問題をカール抑制技術により大幅に改善して、多様な印刷用紙に対応できるようにした。
![[図]高速インク凝集の概念図](pack/images/review11_img_03.gif)
高速インク凝集の概念図
上記に加え ムラ補正技術などの高画質を実現する画像処理技術、高速乾燥技術、および富士ゼロックス社のシステムインテグレーション技術を結集して印刷システムを完成させた。
『Jet Press 720』は次世代のデジタル印刷システムを牽引するエポックメイキングなシステムである。



