画像処理技術(医療分野)
デジタルイメージングにおける医療分野画像処理技術
富士フイルムでは「映像をより鮮明に、ユーザの望む仕上がりにする」画像処理技術の開発に取り組んでいる。画像を解析して被写体や撮影状況を読み取る「シーン解析」技術、そして用途や目的に合った再現を実現する「画像表現」技術。富士フイルム独自の画像処理であるこれらの技術を“イメージインテリジェンス”と呼び、富士フイルム製品のみならず映像産業全体に広く展開している。
医療分野においては、センシングで得られた画像情報を解析し、診断に適した画像への変換や診断支援情報の提供を行っている。
FCRの画像処理技術
富士フイルムは1983年にFCR(デジタルX線画像診断システム)を世界で初めて実用化して以来、診断に向けた自動露光制御技術・画像強調処理・サブトラクション処理などのX線画像処理技術、およびファイリング・表示・出力などに向けたデータ圧縮や画像強調処理などの技術開発を行ってきた。
1. マルチ周波数処理技術
医療画像では診断に最適な画像を表現することが重要であり、その最新の画像処理技術がマルチ周波数処理である。マルチ周波数処理では原画像から抽出したいくつもの周波数帯域信号(バンドパス信号)を非線形関数変換した上で加算することにより、強調信号を算出している。そのため、周波数帯域ごとの強調を柔軟かつ精密にコントロールすることができる。また、バンドパス信号の強度を信号コントラストに応じてコントロールしているため、強い強調を行ってもアーティファクトが発生しない。
![[図]マルチ周波数処理技術](pack/images/review02_img_01.jpg)
マルチ周波数処理技術
2. 乳がん診断支援処理
診断支援とは、コンピュータによる画像の解析情報を医師に提示することにより、診断精度の向上と診断業務の効率化を図るものである。乳がん診断支援処理では乳房のX線画像をパターン認識技術により解析し、乳がん候補を自動抽出し、画像上にマーキングするものである。
![[図]乳がん診断支援処理フロー](pack/images/review02_img_02.gif)
乳がん診断支援処理フロー
![[写真]乳がん候補を画像上でマーキング](pack/images/review02_img_03.jpg)
乳がん候補を画像上でマーキング
医療分野における画像処理技術の展望
高画質を追求する富士フイルムの画像処理技術は、X線画像だけでなく、CTやMRIといったさまざまな医療画像分野に応用されていく。また診断支援は、画像から病巣候補などの特異情報を抽出する画像処理技術の追求で、より広い分野で活用されるようになる。さらに、ネットワーク環境下では画像データの転送、CRTや液晶などのディスプレイ上での診断などが広まり、このようなITインフラの展開に応じた画像処理技術の開発を目指していく。
FCR
Fuji Computed Radiography. IP(イメージングプレート)にX線画像情報を記録、画像読取装置で読取り、コンピュータによるデジタル画像処理をして高精度の診断画像を出力する医療用デジタルX線画像診断システム。
サブトラクション処理
異なった条件で記録した2枚の画像に加算・減算などのデジタル画像処理をする技術。経時サブトラクション(経時の差の抽出)や、エネルギーサブトラクション(読影・診断に支障の有る物質の消去)などがある。



