物理モデル化による画像制御技術
研究の背景
富士フイルムでは、創業以来数多くの画像関連材料・機器を開発してきた。これらの設計に欠かせない画像技術の一つに「視覚技術」がある。
ここでいう「視覚技術」とは、人間の視覚特性を応用して商品価値を差別化するための技術で、当社の画像関連製品の多くに「視覚技術」が活用されている。この技術は、下図のように撮像、知覚、認識の3レベルで考えると理解が容易である。富士フイルムでは、これらのレベルそれぞれにおいて「人」を対象とした心理/物理実験・評価法開発を継続的に行っており、蓄積された多くの知見が富士フイルム製品設計に活用されている。
![[図]「視覚技術」活用事例](pack/images/review06_img_01.gif)
「視覚技術」活用事例
研究の概要
「視覚技術」活用の例として、デジタルミニラボFrontierの画像処理技術がある。下図の左の写真はデジタルカメラで撮影された画像だが、人物が暗く、また青かぶりした再現となってしまっている。本画像に対して、まず顔認識技術で顔領域を特定してシーンを照明する光源を推定し、人間の分光感度特性から正しい色再現特性を推定して色補正を実施する。さらに、人間の空間周波数応答特性を応用したダイナミックレンジ圧縮を施し、人物・背景共に良好な再現となるように濃度補正を行う。結果、人がその場で感じたシーンに限りなく近いプリントを得ることに成功した。
![「[図]研究の概要](pack/images/review06_img_02.jpg)
これは人間の視覚メカニズムを物理モデルとして理解し、画像形成技術として適用した事例の一つである。これ以外にも多くの画像技術が当社のコア技術・基盤技術として、ほぼすべての事業領域に渡り材料・機器・ソフトウエアのシステム開発上の必須技術となっている。



