ニュースリリース

ニュースリリースの内容は発表時のものです。最新情報と異なる場合(生産・販売の終了、仕様・価格の変更、組織・連絡先変更等)がありますのでご了承ください。富士フイルム株式会社 役員氏名の正式表記は、【富士フイルムについて | 役員一覧】をご覧ください。
役員一覧
世界初(*1) フィルターに捕捉された浮遊菌・鳥インフルエンザウイルスをともに不活性化!
「抗菌・抗ウイルス 多機能バイオフィルター」 新開発
医療機関や介護施設における、院内感染の予防ニーズに対応


平成20年8月14日
富士フイルム株式会社

 富士フイルム株式会社(社長:古森 重隆)は、独自技術により開発した有機銀粒子を塗布した高い抗菌効果を持つ「抗菌フィルター」と、インフルエンザウイルス抗体を塗布した「抗ウイルスフィルター」を組み合わせることで、フィルターに捕捉された浮遊菌とウイルス(*2)をともに不活性化できる、画期的な「抗菌・抗ウイルス 多機能バイオフィルター」を新開発いたしました。このフィルターを搭載した機器システムの製品化を、平成20年度中に予定しています。

 富士フイルムは、コア事業の一つであるメディカル・ライフサイエンス事業において、総合ヘルスケアカンパニーとして「予防〜診断〜治療」の全領域をカバーしていくことを目指し、先進独自の技術を進化させ、強力に事業を推進しています。今回開発したフィルターは、快適な空気環境の保持に貢献する、予防分野の商品のひとつとして位置づけています。

 富士フイルムはこれまで、写真フィルムの感光性素材として銀の研究を70年以上にわたり続けています。「抗菌フィルター」には、独自の精密有機合成技術とナノ粒子生成技術の融合により開発した高活性有機銀粒子(*3)を採用し、抗菌効果の高い銀イオンを効率よく放出することを可能としました。これにより、人体に対して安全性が高く抗菌素材として広範に用いられている、銀の抗菌性能を飛躍的に高めることに成功しました。
 抗菌効果を測定する実験(*4)では、感染症の原因となる主要な細菌に対して高い抗菌性を確認。さらに、ゼオライト銀などの従来の銀系抗菌材は、アレルギーの原因となる「黒こうじカビ」において効果が出にくいとされていましたが、今回採用した有機銀粒子を用いた実験では、極めて高い抗菌効果を確認しています。

 また、「抗ウイルスフィルター」には、インフルエンザウイルスを不活性化できる抗体を採用しています。この抗体は、流行が懸念されている「H5N1型鳥インフルエンザウイルス」や、毎年流行を繰り返す「ヒトA型/B型インフルエンザウイルス」を効率よく抑制できることが判っています(*5)。抗体を低コストで量産する技術は、京都府立大学の塚本 康浩教授が開発し、当社が世界で初めて(*1)フィルターに応用しました。

 一般的な空気清浄機などに使用されている高密度フィルターは、菌やウイルスを含む飛沫をいったんは捕捉できても、ウイルスが不活性化されないまま飛沫が乾燥し、感染力のある小さな飛沫核として再び空気中に放出される懸念があるとされていましたが、今回開発した「抗菌・抗ウイルス 多機能バイオフィルター」の特長を生かし、空気清浄システム、エアコンや業務用空調システムなどへの応用を目指し、医療機関や介護施設における院内感染の予防ニーズにおこたえしていきます。

 富士フイルムは、今後も高い技術力と豊富な経験を生かして、メディカル・ライフサイエンス分野における最適なソリューションをご提供し、人々のクォリティ オブ ライフのさらなる向上に努めてまいります。


*1 
空気清浄システム用フィルターとして。当社調べ。
*2 
今回効果を測定したのは、感染症やアレルギーに関係する以下11種類の主要な菌・ウイルス。
・ 
菌 : メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、緑膿菌、大腸菌、黄色ブドウ球菌、肺炎桿菌。
・ 
真菌 : 黒こうじカビ、カンジタ。
・ 
ウイルス : 
ヒトA(H1N1)型インフルエンザウイルス、ヒトA(H3N2)型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルス、A(H5N1)型鳥インフルエンザウイルス。
*3 
抗菌性能を最大限に発揮するために「高感度写真技術」で培った粒子形成技術を応用した、微細かつ粒子径のそろった特殊な「単分散粒子」。粒子形成後に熟成処理を施し、凝集しにくく有効表面積を大きく保つ工夫をしており、抗菌効果の高い銀イオンを効率よく放出することを可能とした。
・ 
「高感度写真技術」 : 写真銀塩粒子の形状や表面組成を精密に制御して、光を有効活用する技術。
・ 
「単分散粒子」 : サイズの変動が20%以下になるように、均一に調製された粒子。
*4 
当社が、財団法人 日本食品分析センターに依頼した、抗菌力試験による結果。抗菌加工した試験片と無加工の試験片を用意し、24時間後の生菌数の平均値を比較したもの。(詳細は下記の抗菌力試験結果を参照ください)
*5 
塚本教授らの研究グループによる実験。ダチョウ抗体が、どの程度の濃度でウイルス感染増殖を抑制できるかを、ヒトインフルエンザウイルスとの親和性が高いMDCK細胞を用いて調べた。(詳細は下記のインフルエンザウイルス抗体実験結果を参照ください)



1. 抗菌力試験結果
抗菌加工した試験片と無加工の試験片を用意し、24時間後の生菌数の平均値を比較。
試験菌 試験片 試験片1個当たりの
接種24時間後の生菌数
抗菌活性値
(2.0以上で、  
 抗菌効果有り)
測定-1 測定-2 測定-3
MRSA 無加工 3.9×106 2.8×106 3.6×106
ゼオライト銀フィルター 2.6×103 <10 <10 3.5
当社有機銀フィルター <10 <10 <10 5.5
緑膿菌 無加工 1.3×107 1.2×107 1.2×107
ゼオライト銀フィルター <10 5.1×103 <10 3.8
当社有機銀フィルター 10 <10 <10 6.0
黒こうじカビ 無加工 2.4×105 1.8×105 2.2×105
ゼオライト銀フィルター 2.6×104 3.9×104 4.5×104 0.7
当社有機銀フィルター 50 7.2×102 80 2.8
大腸菌 無加工 1.3×107 1.2×107 1.2×107
ゼオライト銀フィルター <10 <10 <10 6.0
当社有機銀フィルター 10 <10 <10 6.0
抗菌活性値 : 当社算出
生菌数<10 : 検出せず
無加工 : ポリエチレンフィルム
試験概要 : JIS Z 2801 に準拠した。
試験依頼先 : 財団法人 日本食品分析センター
試験報告書番号 : 第207110584-001号 2007年12月26日発行
抗菌活性値の算出方法 : R=log(A/B)
R:抗菌活性値、 A:無加工試験片の24時間後の生菌数の平均値、 B:抗菌加工試験片の24時間後の生菌数の平均値


2. インフルエンザウイルス抗体実験結果
マイクロプレートに培養した所定量のMDCK細胞にインフルエンザウイルスを感染させ、細胞変性(細胞の円形化や死滅など)の有無により感染有無を判定する。2倍段階希釈したダチョウ卵抗体を加えたときの感染抑制率を求め、「behrens-kärber変法」に従って50%感染抑制値を算出した。
(50%感染抑制値は少ない値ほど抗体としてウイルス中和効果があることを示す)
インフルエンザウイルス抗体実験結果
塚本教授らの研究グループによる実験。
A(H1N1)型、A(H3N2)型、B型抗原はインフルエンザ患者から分離した臨床株を用いた。
A(H5N1)型抗原は、ベトナムで鳥インフルエンザに発症した患者から分離したH5N1ウイルスの遺伝子情報を基に作製したリコンビナント蛋白である。




本件に関するお問い合わせは、下記にお願いいたします。
お客さま ライフサイエンス事業部 TEL 03-6271-2158
報道関係 広報部 TEL 03-6271-2000
関連リンク 関連リンク更新日 平成20年8月14日
最新のニュースリリース

2010年9月9日

2010年9月9日

2010年9月9日

2010年9月8日

ニュースリリース一覧へ
ページ先頭へ戻る