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ニュースリリース

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太陽電池の軽量化・高効率化を実現可能に!

高い耐熱性・絶縁性を両立した「フレキシブルCIGS太陽電池用基板」を新開発

フレキシブルCIGS太陽電池(*1)サブモジュール(*2)で15%の光電変換効率を達成

2011年6月20日

富士フイルム株式会社

富士フイルム株式会社(社長:古森 重隆)は、CIGS太陽電池の製造工程で要求される500℃以上の耐熱性と高い絶縁性を両立した独自のフレキシブル太陽電池用基板(以下、フレキシブル基板)を開発しました。独立行政法人産業技術総合研究所(以下、産総研)との共同研究により、新開発のフレキシブル基板を用いた小面積のCIGS太陽電池において光電変換効率18.1%(*3)、複数の太陽電池を1枚の基板上で直列に接続(*4)したCIGS太陽電池サブモジュール(図1参照)において光電変換効率15.0%(*5)を達成しました。

今回開発したフレキシブル基板を用いたCIGS太陽電池は、ガラス基板を使った場合と比較して、面積当たりの重量を1/2以下に軽量化可能で、かつ結晶系シリコン太陽電池並の高効率を実現できることが特長です。軽量な特長を生かし、車や人工衛星への搭載、建材との貼り合せなど、新たな用途への応用が期待されます。

近年、世界的に太陽光発電に対する関心が高まっており、現在主流である結晶系シリコン太陽電池以外にもさまざまな種類の太陽電池が市場に登場しています。この中でも、CIGS太陽電池は光電変換効率が高く、生産性に優れるなどの特長を持っています。この特長を生かして、ガラス以外のフレキシブル基板に太陽電池を作製することによる軽量化や、ロール・ツー・ロール(*6)製造による低コストでの量産化などを狙い、研究機関や企業などで活発に開発が行なわれています。しかしながらCIGS太陽電池は、光電変換層の成膜に500℃を超える高温を必要とするため、ポリイミドのような樹脂基板では高効率を実現できません。また、ステンレス(SUS)のような導電性基板では、太陽電池を直列接続するために、基板の裁断や導線での配線など複雑な製造プロセスが必要となり、コスト低減に課題があるとされています(図2参照)。

このような課題を解決するため、富士フイルムはアルミとSUSの合板を基材に用いることで耐熱性を高め、アルミ表面に絶縁層を形成したフレキシブル基板を開発しました。当社オフセット印刷用刷版材料「CTP版」の製造に用いるアルミ陽極酸化法(*7)を応用することで、アルミ表面に絶縁性を持たせ、500℃を超える製膜温度への耐熱性と高い絶縁性を両立しています。陽極酸化法により形成した絶縁層は、界面密着性(*8)が良好で、ピンホールなどの局所欠陥(*9)が生じにくいという特長を有しており、大面積化に適しています。絶縁層を付与したことにより、同一基板上で直列接続構造を有する太陽電池が作製可能です。

また、線膨張係数(*10)の大きなアルミ単体ではなく、SUSとアルミを貼り合わせた合板構造を採用することにより、線膨張係数を光電変換層に合わせることに成功しました。これによって成膜時の温度変化による光電変換層の歪み発生が抑制でき、高効率な太陽電池の作製を可能としています。

今回、このフレキシブル基板を用い、産総研と協働で高効率CIGS太陽電池の開発を行ないました。CIGSを用いた光電変換層は、成膜中にナトリウム(Na)を供給することでその特性が向上することが知られています。産総研が開発した0.1µm程度の極めて薄いケイ酸塩ガラス層(Na含有)を基板上に形成する技術を応用することで、高い変換効率を実現しました。この成果は2011年6月22日、米国シアトル市で開催される学会「第37回 IEEE PVSC」で産総研との共同成果として発表します。

富士フイルムは今後、今回開発したロール・ツー・ロールで製造可能なフレキシブル基板によって、軽量・高効率・低コストの特長を持つCIGS太陽電池の実用化に貢献していきます。

本研究は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施している「太陽光発電システム次世代高性能技術の開発」(委託期間 平成25年2月まで)に採択されております。

図1 : 今回開発した絶縁層付きフレキシブル基板を用いたCIGS太陽電池サブモジュールの模式図

[図1]今回開発した絶縁層付きフレキシブル基板を用いたCIGS太陽電池サブモジュールの模式図

図2 : 従来型SUSなどの導電性フレキシブル基板を用いたCIGS太陽電池の模式図

[図2]従来型SUSなどの導電性フレキシブル基板を用いたCIGS太陽電池の模式図

図1・図2は3つの太陽電池素子を直列に接続した様子を示す。CIGS光電変換層を裏面電極、透明電極層ではさんだ構造が1つの太陽電池素子を構成する。電流の流れを赤矢印で示した。
一般に1つの太陽電池素子は0.6V程度と電圧が低いため電力として利用するためには太陽電池を負極(透明導電層)と正極(裏面電極)がつながるように直列に接続した構造で電圧を上げる必要がある。
図1は今回開発した絶縁層付きフレキシブル基板を用いた太陽電池の構造を示す。基板に導電性があると隣り合う太陽電池の正極同士がつながり、ショートしてしまうが、今回開発した基板はSUS・アルミ基板上に絶縁層を付与していることで、1枚の基板上で簡易な方法で直列接続が実現できる。

一方、図2に示すように、SUSなどの導電性基板では基板表面に絶縁層がないため、各太陽電池素子の裏面電極(電池の正極)を分離するために基板を裁断する必要があり、図に示すように別途導線などでの接続が必要となりプロセスが複雑となる。

[写真]試作サンプル

*1 CIGS太陽電池 : 光吸収層に銅、インジウム、ガリウム、セレンからなる化合物半導体を用いた薄膜系太陽電池。

*2 太陽電池サブモジュール : 複数の太陽電池を直列接続した発電性能などを評価するための素子。

*3 受光面積0.488cm²。当社測定による。

*4 16個のセルを集積化。

*5 受光面積70.4cm²。当社測定による。

*6 ロール状に巻いた基板上に光電変換層(CIGS層)や電極を連続して形成する事によって製造する方式。

*7 酸性液中で金属を陽極として通電することで、金属を酸化物に変える方法。

*8 陽極酸化膜とアルミ基材が強固な密着性を持つ。大きな温度変化に起因するストレスに耐える密着強度を付与することが可能となる。

*9 陽極酸化膜はピンホールなどの局所欠陥が原理的に生じにくいという特徴を有する。この特徴を絶縁膜作成に応用することで、大面積での絶縁性を達成することが可能となる。

*10 温度の上昇によって物質の長さが変化する割合。

本件に関するお問い合わせは、下記にお願いいたします。

  • 報道関係 広報部
  • TEL 03-6271-2000
  • その他のお問い合わせ R&D統括本部 先端コア技術研究所 佐藤
  • TEL 0465-85-4102
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記事の内容は発表時のものです。最新情報と異なる場合(生産・販売の終了、仕様・価格の変更、組織・連絡先変更等)がありますのでご了承ください。

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