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ニュースリリース

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光エネルギーの効率的な電気エネルギーへの変換を量子ドット薄膜で実現

量子ドット間の距離の精密制御に成功

2014年5月16日

富士フイルム株式会社

富士フイルム株式会社(社長:中嶋 成博)は、微細な半導体結晶である量子ドット(*1)の集合体からなる薄膜(以下、量子ドット薄膜)において、量子ドット間の距離を精密に制御することで、光エネルギーを効率的に電気エネルギーへ変換することに成功しました。本成果は、国立大学法人 京都大学 化学研究所(以下、京都大学)の金光義彦教授との共同研究によるものです。

量子ドットは、光を照射すると別の色の光を発したり、電気を発生する特性を持っています。この特性をさらに活かすために、量子ドットの集合体を薄膜状に形成して光デバイスに応用する研究が盛んに進められています。量子ドットに関する技術は、今後、ディスプレイ用発光材料、太陽電池、光検出器など、さまざまな用途への展開が期待されるため、近年急速に関心が高まっています。

現在、量子ドットの重要な性質として、1つの光子(*2)から複数の電子(および正孔)が生成されるマルチエキシトン生成(MEG)効果(*3)が知られています。このMEG効果を活用して発生させた光電流(*4)を効率的に抽出できれば、高い変換効率の太陽電池や発光素子など、次世代光電変換デバイスの開発につながると期待されています。しかし、MEG効果によって生成された複数の電子は、「オージェ再結合」(*5)という現象により、わずか数十~数百ピコ秒(*6)程度の時間スケールで1つの電子(および正孔)に戻ってしまいます。そのため、現在の量子ドット薄膜においてMEG効果を効率的に活用するためには、「オージェ再結合」の抑制が課題でした。また、MEG効果によって発生した光電流を効率良く取り出すためには、量子ドット薄膜におけるドット間の電気伝導度(*7)を向上させることも課題です。

今回、富士フイルムと京都大学は、MEG効果を光電流として効率よく抽出するため、銀塩写真分野で培ったナノ粒子表面修飾技術(*8)を応用し、一般的な量子ドット薄膜(*9)の配位子(*10)を、ドット間の相互作用を高めるチオシアン系分子に置換した量子ドット薄膜を形成しました。チオシアン系分子で量子ドット間の距離を精密に制御することで、ドット間の電気伝導度を、一般的な量子ドット薄膜(*9)と比べて7桁程度向上(*11)させることに成功。すでにMEG効果が報告されている(*12)、配位子にジチオール系分子を採用した量子ドット薄膜と比較しても、電気伝導度が1桁程度向上(*11)しています。また、チオシアン系分子を配位子として採用した量子ドット薄膜では、従来に比べ「オージェ再結合」が抑制されていることを確認しました。今回の量子ドット間の距離を精密に制御する技術により、効率的に光エネルギーを電気エネルギーへ変換できることを世界に先駆けて実証しました。

今後、本成果は、量子ドットを用いた次世代の塗布型エレクトロニクス分野における基盤技術として、太陽電池や光検出器、薄膜トランジスタなど、さまざまな用途への展開が期待されます。

なお、本成果は、平成26年5月15日(英国時間)に、英国王立化学会誌「Chemical Science」のオンライン速報版で公開されます。

*1 半導体結晶のナノ粒子を指す。一般的にサイズは数nm~数十nmのものを指すことが多い。

*2 素粒子の1つ。光は光子(フォトン)の集合体。

*3 半導体のバンドギャップの2倍以上のエネルギーの光が入射した時に、1つの光子から複数の電子(および正孔)が生じる現象。

*4 半導体のバンドギャップを上回るエネルギーの光を当てた際に生じた自由電子(および正孔)による電流。

*5 3つ以上の電子又は正孔が関与する再結合過程で、MEG効果により生成した複数の励起子(電子と正孔が束縛され、対になったもの)を1つの励起子に収束させる現象。

*6 1兆分の1。

*7 物質の電気伝導のしやすさをあらわす値。

*8 ナノ粒子表面に特定の分子を結合させたり、元々結合していた分子を別の分子に置換する技術。

*9 配位子がオレイン酸である市販量子ドット分散液により作製した、量子ドットの集合体からなる薄膜。

*10 量子ドット表面に結合し、量子ドット表面を保護する分子。一般的な量子ドットの配位子には、オレイン酸などの長鎖脂肪酸が用いられる事が多く、これにより溶液中での分散性が高まる。しかし、薄膜化した際には、量子ドット同士の近接化を阻害し、光電流の抽出を困難にしていた。

*11 当社測定による。

*12 O.E.Semonin, et al., Science 2011年, Vol.334, 1530頁

【参考】相互作用の低い量子ドット薄膜と相互作用の高い量子ドット薄膜の比較(模式図)

[画像] 相互作用の低い量子ドット薄膜と相互作用の高い量子ドット薄膜の比較(模式図)

本件に関するお問い合わせは、下記にお願いいたします。

  • 報道関係 富士フイルム株式会社 コーポレートコミュニケーション部
  • TEL 03-6271-2000
  • 本研究に関するお問い合わせ 富士フイルム株式会社 R&D統括本部 先端コア技術研究所
  • TEL 0465-86-1086
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記事の内容は発表時のものです。最新情報と異なる場合(生産・販売の終了、仕様・価格の変更、組織・連絡先変更等)がありますのでご了承ください。

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関連情報更新日 2014年5月16日

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