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ニュースリリース

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育毛有効成分を世界最小(*1)クラス80ナノメートルで高濃度分散することに成功
育毛有効成分の浸透性が1.7倍に高まることを確認

「ナノグリチルレチン酸」新開発

— 育毛を阻害するエタノールを使わずに毛穴への浸透が可能 —

2014年6月30日

富士フイルム株式会社

富士フイルム株式会社(社長:中嶋 成博)は、育毛有効成分として広く用いられているグリチルレチン酸を独自の「ナノシェル技術」(*2)により、世界最小クラス80ナノメートルサイズで水に高濃度に分散した「ナノグリチルレチン酸」を開発しました(図1、2)。また、一般的に用いられているグリチルレチン酸のエタノール水溶液に対し、浸透性が1.7倍に高くなること(図3)、グリチルレチン酸が毛穴の奥までしっかり浸透していることを可視化して、確認しました(図4)。当社は、水に溶けないグリチルレチン酸の溶媒として育毛剤に配合されている高濃度エタノール(*3)が、髪の成長をコントロールする毛乳頭細胞の細胞膜に損傷を与えること(図5)、また、低濃度エタノールが、育毛阻害効果が報告されている情報伝達物質(IL-6)の産生を促進することを明らかにしました(図6)。

今回の「ナノグリチルレチン酸」の開発により、エタノールを一切使用せずにグリチルレチン酸を水に分散することが可能となりました。当社は、今回開発した「ナノグリチルレチン酸」を、ヘアケア商品に応用していきます。なお、本研究内容は、平成26年9月6日から開催される第10回 加齢皮膚医学研究会にて発表する予定です。

[図1][図2]

[図3]

【研究の背景】

グリチルレチン酸は、育毛効果が高いため多くの育毛剤(医薬部外品)に配合されています。しかし、水に溶解せず、一般的なオイルにも溶解性が低いため、育毛剤として用いる際、高濃度のエタノールに溶解して配合されていました。高濃度エタノールは、皮脂などを溶解する作用を持ち、この作用により毛穴へ育毛有効成分を浸透させる効果が期待されていました。しかし、高濃度エタノールを継続的に使用すると、頭皮に痒みや痛みなどの炎症を引き起こすことがあり、頭皮環境の悪化が懸念されていました。そこで当社は、高濃度エタノールが頭皮や頭皮の毛穴内部の細胞に与える影響を新たに検証しました。さらに高濃度エタノールを使わずにグリチルレチン酸を頭皮の毛穴の奥まで浸透させる方法を検討しました。

【研究の成果】

1. エタノールを使用することなく、グリチルレチン酸を世界最小クラス80ナノメートルサイズで、水に高濃度分散することに成功。

当社はグリチルレチン酸を溶解できる特殊なオイルを見出し、そのオイルとグリチルレチン酸を、水としっかり分離し、かつ、皮膚への浸透を妨げない膜(シェル)で包むことで、水溶液中でもナノサイズで安定化させることができる「ナノシェル技術」を開発しました。この「ナノシェル技術」により、グリチルレチン酸を皮膚浸透可能な80ナノメートルサイズで安定化させ、高濃度分散することに成功(図1、図2)。エタノールを使用せず水に分散した「ナノグリチルレチン酸」を開発しました。

2. 「ナノグリチルレチン酸」の角層浸透性が従来の「高濃度エタノールに溶解したグリチルレチン酸」に比べ1.7倍となることを確認。また、グリチルレチン酸が頭皮の毛穴内部に浸透している様子を可視化して確認。

当社は、新開発「ナノグリチルレチン酸」の皮膚浸透性を、3次元皮膚(表皮)モデルを用いて確認しました。「ナノグリチルレチン酸」の皮膚浸透性は、一般的な育毛剤に用いられている「濃度50%のエタノールに溶解したグリチルレチン酸」と比較すると、1.7倍の浸透性があることを確認しました(図3)。また、TOF-SIMS(飛行時間型二次イオン質量分析法)(*4)を頭皮サンプル解析に応用し、グリチルレチン酸が頭皮の毛穴内部へ浸透していることを可視化して確認しました。(図4)

[図4]

3. 高濃度のエタノールが毛乳頭細胞(*5)の細胞膜に損傷を与えていること、低濃度エタノールであっても育毛を阻害する情報伝達物質(IL-6)の産生を促進することを実証。

ヒト毛乳頭細胞を、一般的な育毛剤に配合されている50%のエタノール溶液に浸すと、多くの毛乳頭細胞の細胞膜が損傷していることを確認しました(図5、細胞膜が損傷している細胞が赤色)。また、ヒト毛乳頭細胞を濃度5%と8%のエタノール溶液に浸すと、エタノールによって毛乳頭細胞から育毛を抑制する情報伝達物質(IL-6)の産生が促進されることを新たに確認しました(図6)。

[図5]

[図6]

【毛髪の成長】

毛髪は、2年~6年の歳月をかけて、「成長期」、「退行期」、「休止期」を経て生え変わります。これを「ヘアサイクル」と言います。このサイクルは、毛乳頭細胞が分泌するさまざまな情報伝達物質により、髪の成長に関わる毛母細胞(*6)の分裂が促進もしくは抑制されることで起こります(図7、8)。加齢による脱毛は、(1)「成長期の短縮(髪が十分に成長しない)」、(2)「休止期の延長(新しい髪が生えてこない)」といったヘアサイクルの乱れが原因だと考えられています。

【グリチルレチン酸とは】

育毛有効成分として用いられるグリチルレチン酸は甘草から得られる成分で、脱毛に関わる男性ホルモンを活性化させる5αリダクターゼに対し高い阻害効果をもつことが知られており、医薬部外品の育毛剤有効成分として多くの女性向け育毛剤に配合されています。

さらに、当社の研究で、成長期から休止期に移行させる情報伝達物質(IL-6)の増加を抑制し、正常なヘアサイクルに近づける効果を有することも確認しています。

[図7][図8]

*1 2014年6月30日現在。富士フイルム調べ。

*2 水に溶けにくいグリチルレチン酸を、特殊なオイルに溶解し、膜(シェル)を用いてナノサイズで安定配合する富士フイルム独自のナノ化技術。

*3 一般的な育毛剤・スカルプケア商品に配合されているエタノール濃度約50%を指す。

*4 TOF-SIMS(Time-of-Flight Secondary Ion Mass Spectrometry;飛行時間型二次イオン質量分析法)は、イオンビームを固体試料(定量したい物質が存在するサンプル)に照射し、その際に試料の最表面から放出されるイオン(二次イオン)を検出する二次イオン質量分析法(SIMS)の一種。質量が重いものほど一定距離を移動するのにかかる時間が長いように、イオン化された荷電粒子が一定距離を飛行する時間は物質の質量と相関することから、物質の質量を基に、測定したい物質の情報(分布)を解析する機器。対象物が集積するほど二次イオン強度が強くなる。

*5 頭皮の毛穴の奥に存在する毛乳頭部分に存在する細胞。髪を作る毛母細胞の細胞分裂を促進・抑制する情報伝達物質を放出し、髪の成長をコントロールしている。

*6 髪を作り出す元となる細胞。

本件に関するお問い合わせは、下記にお願いいたします。

  • お客さま ライフサイエンス事業部 PR
  • TEL 03-6271-2252
  • 報道関係 コーポレートコミュニケーション部
  • TEL 03-6271-2000
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記事の内容は発表時のものです。最新情報と異なる場合(生産・販売の終了、仕様・価格の変更、組織・連絡先変更等)がありますのでご了承ください。

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