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ニュースリリース

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世界最大容量1巻あたり220TB(*1) 磁気テープの高容量化技術を開発!

独自技術でバリウムフェライト磁性体の磁気特性を大幅に向上し、
世界最高(*2)の面記録密度123Gbpsi(*3)でのデータ記録・再生を実証

2015年4月9日

富士フイルム株式会社

富士フイルム株式会社(社長:中嶋 成博)は、IBMと共同で、独自技術により記録密度を大幅に向上させた、「バリウムフェライト(BaFe)磁性体」採用の磁気テープの実走行試験を行い、塗布型磁気テープにおいて世界最高(*2)の面記録密度123Gbpsi(*3)でのデータ記録・再生を実証しました(*4)。これは、1巻あたりの記録容量が、従来比約88倍(*5)となる世界最大容量220TB(*1)(テラバイト(*6))データカートリッジの実現を可能とする画期的な技術です。昨年5月にIBMと共同で実証した面記録密度85.9Gbpsiを、BaFe磁性体の磁気特性を大幅に向上させることなどにより、わずか1年で大きく更新し、さらなる高容量化につながる技術を確立しました。今回の試験で用いた磁気テープは、当社の従来の塗布設備で生産しており、実用化にあたって既存設備の応用が見込めることから、量産化が視野に入っています。

現在、あらゆるモノがインターネットにつながるIoT(Internet of Things)の進展や映像の高精細化、膨大なデータを活用するビッグデータ解析、クラウドサービスの普及に伴い、世界中で生成されるデータの総容量は2020年には44ZB(ゼタバイト(*7))になると予想されています(*8)。例えば、ゲノム解析の分野では、1人分のヒトゲノムのデータが1TBに、放送・映像分野では、8K非圧縮の映像1時間分が86TBに上るといわれており、蓄積されるデータ量が今後ますます増大していきます。

そのような中、磁気テープは、長期保存性を有すること、データ転送速度が速いこと、ハードディスクドライブ(HDD)と比較してTCOが約26分の1(*9)であり、コスト優位性があること、消費電力が少ないことなどからシステムとして高い将来性があり、高容量化が望まれています。

今回、富士フイルムは、独自の塗布型磁気テープ技術「NANOCUBIC技術(*10)」を進化させ、BaFe磁気テープの記録密度をより一層向上させました。微粒子BaFe磁性体のサイズのばらつきを抑制することで、高密度記録に重要な磁気特性のひとつであるSFD(*11)の低減に成功。また、新規の高分子分散剤の採用により、微粒子BaFe磁性体をより均一に分散させています。さらに、粒子配列をナノオーダーで緻密に制御することで垂直方向への配向度を向上し、広範囲の記録周波数領域で、より高品質な再生信号を実現しました。

これに加えて、新開発の非磁性層(下層)によってテープ表面の平滑性をより向上させ、ノイズ低減および磁気ヘッドと磁性層間の低スペーシング化による高い再生出力を実現しました。テープの表面形状の精密な制御が、安定したテープ走行と高いトラック記録密度の達成にも寄与しています。そして、独自技術によりサーボパターンを精密に配置した磁気テープと、IBMが開発した「新サーボ制御技術(*12)」や「信号処理技術(*13)」を組み合わせることで、123Gbpsiという面記録密度を実証し、磁気テープのさらなる高容量化につながる技術の開発に成功しました。

歴史的な文献や未来の発展につながる研究成果の記録など、あらゆるデータは人類の大切な資産であるという考えのもと、富士フイルムは、映像作品や企業の研究データなど長期保管が必要な貴重なデータをお客さまからお預かりし、BaFe磁性体を採用したコンピューター用磁気テープ「LTO Ultrium6 データカートリッジ」に記録して長期保管するデータアーカイブサービス「d:ternity(*14)」(ディターニティ)の提供を昨年開始しました。

富士フイルムは、今後も世界シェアNo.1(*15)のコンピューター用磁気テープメーカーとして、お客さまのニーズと信頼におこたえする高性能・高品質のメディアやサービスを開発・提供し、世の中の社会課題の解決に取り組んでいきます。

<今回の成果に貢献した富士フイルムの技術>

1) 微粒子BaFe磁性体
  • 1600nm3にまで微粒子化したBaFe磁性体の、粒子体積、磁気特性のばらつきを独自の合成手法で抑制し、高密度記録に重要な磁気特性の1つであるSFD(*11)を25%低減することに成功しました。また、磁性体はサイズが微小なほど磁化が不安定になりデータの保存性が低下する傾向がありますが、保磁力を10%以上高めて十分な熱安定性を確保しており、30年を超えるデータの長期保管性能を期待することができます。
2) 新開発の平滑な非磁性層(下層)
  • 新たに開発した平滑な非磁性層(下層)によりノイズを低減。それに加えて均一薄層塗布技術により超平滑で厚みムラのない均一な磁性層を形成。テープ表面の形状を精密に制御することで超平滑性と低摩擦を両立させました。磁気ヘッドと磁性層間の低スペーシング化による高い再生出力と、位置誤差信号の低減で、高密度記録と安定的な実走行を実現しました。
3) 新規分散剤による高い分散性と高垂直配向
  • 分子構造から設計した新規分散剤を採用し、独自の高分散技術で微粒子BaFe磁性体の高度な精密分散を実現。均一に分散された微粒子BaFe磁性体の粒子配列をナノオーダーで緻密に制御し、さらに高い垂直配向性を達成しました。
  • 磁性体を垂直方向に配向することで、BaFe磁性体の特徴である結晶磁気異方性(*16)を生かした高い信号ノイズ比と高い周波数特性を実現しました。
4) 高精度サーボ信号書き込み技術
  • サーボパターン書き込み時に発生する、高周波のテープ走行振動を抑制する独自のテープハンドリング技術を開発。テープの幅方向にデータを高密度に記録するため、サーボ信号のゆらぎを極小化し、ドライブのトラッキング性能を最大限に引き出すことに成功しました。

*1 平成27年4月9日発表時点。非圧縮容量。当社調べ。

*2 平成27年4月9日発表時点。塗布型磁気テープとして。当社調べ。

*3 面記録密度を表す単位であり、Giga bits per square inchの略。

*4 IBMチューリッヒ研究所で行った実証実験にもとづく。

*5 「LTO Ultrium6 データカートリッジ」(非圧縮容量:2.5TB)と比較した場合。Linear Tape-Open、LTO、LTOロゴ、UltriumおよびUltriumロゴは、HP社、IBM社およびQuantum社の米国およびその他の国における登録商標です。

*6 1TB(1テラバイト=1,000GB)は10の12乗バイト。DVD約200枚に相当。

*7 1ZB(1ゼタバイト=1,000,000,000,000GB)は10の21乗バイト。DVD約2,000億枚に相当。

*8 米調査会社IDC調べ。

*9 TCO=Total Cost of Ownershipの略。ドライブやサーバなどの導入にかかる初期費用やメンテナンス費用、消費電力などすべてを含めたコスト。LTOシステムで28PB(ペタバイト)のデータを12年間保管した場合の、初期投資やメンテナンス費用、消費電力などすべてを含めたコストはHDDの約26分の1(米調査会社Clipper Group調べ)。

*10 NANOCUBIC(ナノキュービック)技術:
高密度の磁気記録を実現する富士フイルム独自のナノ薄層塗布型磁気テープ技術。
高密度デジタル記録には記録層の薄層化が必要であり、ナノキュービック技術は、サブミクロンレベルの薄層メタル塗布の当社「ATOMM技術」に比べて、さらに一桁薄いナノオーダー(ナノは10億分の1)の超薄層塗布(ナノ・コーティング)を実現。ナノ・コーティング技術に加えて、数十nmレベルの微粒子である「バリウムフェライト磁性体」を開発し(ナノ・パーティクル技術)、微粒子磁性体を均一に分散させる分散材料と分散プロセスを開発(ナノ・ディスパーション技術)。ナノキュービック技術を採用することで、低ノイズで保存性にも優れた大容量テープカートリッジが実現可能。

*11 反転磁場分布。高密度記録に重要な磁気特性の1つで、この値が小さいと、記録ビット間の遷移幅が小さくビット内の均一な記録を可能とするため、高品位な再生出力を得られる。

*12 ナノスケール精度でヘッドをデータトラック上にポジショニングする技術。低ノイズ搬送系、新サーボパターン、新アクチュエーターを導入することで、第6世代LTOフォーマットと比較して39倍のトラック密度増加を可能にした。

*13 90nm幅のGMR読み取りヘッド使用時、680kbpiの線記録密度においてもデータ読み出し時のエラーレート低下を防ぎ、記録データの高い信頼性を確保する信号処理アルゴリスム。

*14 平成26年4月10日より提供開始したデータアーカイブサービス。HDDや光ディスクなどの記録媒体への対応に加え、紙や写真などは当社でデジタル化することで、LTOで「簡単」「安全」「安価」に保管。また、保管期間中は、定期的なLTOの状態確認やマイグレーション、災害対策など、データ長期保管に伴う業務は、富士フイルムがお客さまに代わって実施。(http://fujifilm.jp/business/data/archivesolution/dternity/index.html

*15 生産者シェア(当社調べ)。

*16 結晶の特定の方向に磁化容易方向や磁化困難方向が存在する性質。BaFe磁性体の場合は、六角板状結晶の板面に対して、垂直方向に磁場を加えることで、最も磁化されやすい。

[写真] テープ層構成

本件に関するお問い合わせは、下記にお願いいたします。

  • お客さま 記録メディア事業部
  • TEL 03-6271-2081
  • 報道関係 コーポレートコミュニケーション部
  • TEL 03-6271-2000
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記事の内容は発表時のものです。最新情報と異なる場合(生産・販売の終了、仕様・価格の変更、組織・連絡先変更等)がありますのでご了承ください。

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