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ニュースリリース

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「ヒト型アシルセラミド」を世界最小(*1)20nmサイズで安定分散することに成功
角層への浸透性を従来比約6倍に向上させた「ヒト型ナノアシルセラミド」を開発
肌のバリア機能を担う角層細胞間脂質の層状構造を修復

2015年7月1日

富士フイルム株式会社

富士フイルム株式会社(社長:中嶋 成博)は、肌のバリア機能(*2)を担う角層細胞間脂質の長周期ラメラ構造(Long Periodicity Phase。以下、LPP。後述「長周期ラメラ構造(LPP)とは」参照)の形成に必須とされる成分「ヒト型アシルセラミド」を世界最小20nmサイズで安定分散した「ヒト型ナノアシルセラミド」を開発しました。この「ヒト 型ナノアシルセラミド」は、「ヒト型アシルセラミド」分散液に比べて、約6倍の角層浸透性を示すことを確認しました。さらに、「ヒト型ナノアシルセラミド」が、角層細胞間脂質のLPPを修復することも確認しました。当社は今後、この成分をスキンケア化粧品の開発に応用していきます。

なお、当社は、9月8日から学校法人名城大学にて開催される「日本油化学会 第54回年会」で本研究成果を発表いたします。

[図1]

【研究の背景】

人の肌は表皮と真皮からなり、表皮の最上層には角層細胞と脂質(角層細胞間脂質)で構成される角層が存在します。角層細胞間脂質はセラミドやアシルセラミドなどで構成され、これらが層状に積み重なったラメラ構造(*3)を形成して、角層細胞の間を埋めることで肌のバリア機能を発揮しています(【図1】参照)。

当社はこれまで、肌の細胞間脂質のラメラ構造形成に有用とされるセラミドと同一の構成原子で、同一の立体構造を持つ「ヒト型セラミド」を独自のナノテクノロジーによりナノサイズに高濃度分散した「ヒト型ナノセラミド」を開発し、角層への浸透を高め、肌のバリア機能を改善してきました。角層細胞間脂質のラメラ構造には、間隔が異なる短周期ラメラ構造(Short Periodicity Phase。以下、SPP。)とLPPの2種類があり、特にアシルセラミドを必須成分として形成されるLPPがバリア機能に大きく寄与することが知られていました。しかし、加齢や季節変動によるアシルセラミドの減少により、LPPが乱れ、肌のバリア機能は低下します。従来から「ヒト型アシルセラミド」を肌に塗布して補う試みが行なわれてきましたが、同成分は溶解性が低く、結晶化しやすいため、角層に浸透してLPPを形成することは確認されていませんでした。そこで、当社は「ヒト型セラミド」同様に、「ヒト型アシルセラミド」をナノサイズで、安定分散することを試み、LPPの修復や肌のバリア機能を向上させるための研究を行いました。

【研究の結果】

1. LPPの形成に必須とされる構成成分「ヒト型アシルセラミド」を世界最小20nmサイズで安定分散した「ヒト型ナノアシルセラミド」を開発(【図2】参照)。

「ヒト型アシルセラミド」は「ヒト型セラミド」以上に溶解性が低く、結晶化しやすいため、水や油に分散させにくい成分です。従来は「ヒト型アシルセラミド」を多量の油剤や乳化剤と混合し分散する方法がとられてきましたが、粒子径が粗大なサイズ(数マイクロメートル)の分散液しか作ることができず、角層細胞間へ効率的に浸透させることは困難でした。当社は独自のナノテクノロジーにより、「ヒト型アシルセラミド」を世界最小20nmサイズで安定分散した「ヒト型ナノアシルセラミド」を開発しました。

[図2]

2. 「ヒト型ナノアシルセラミド」は、数マイクロメートルサイズの「ヒト型アシルセラミド」分散液に対し、約6倍の角層浸透性を示しました(【図3】参照)。

ヒト由来皮膚を用いて、「ヒト型ナノアシルセラミド」の角層への浸透性を確認しました。「ヒト型アシルセラミド」分散液と比較して、粒子径が約100分の1サイズの「ヒト型ナノアシルセラミド」は角層への浸透量が約6倍向上しました。

[図3]

3. 「ヒト型ナノアシルセラミド」により角層中のLPPが修復されることを確認(【図1】参照)。

培養表皮モデルと、ナノメートルオーダーのLPPを解析する技術(小角X線散乱法(*5)を用いて、「ヒト型ナノアシルセラミド」が角層中のLPPに与える影響を解析しました。培養表皮モデルに界面活性剤を塗布して、角層に洗顔などで受ける程度のダメージを与えた後、「ヒト型ナノアシルセラミド」を塗布して2日間培養。その後、角層を解析し、角層中のLPPが修復されることを確認しました(【図4】参照)。さらに、LPPが作る層状のパターンを、透過型電子顕微鏡を用いて可視化しました(【図1】参照)。

[図4]

4. 「ヒト型ナノアシルセラミド」と「ヒト型ナノセラミド」を併用すると、「ヒト型ナノセラミド」を単独で添加した場合と比べて肌のバリア機能が1.6倍になることを確認(【図5】参照)。

培養皮膚モデル上に、「ヒト型ナノセラミド」を単独で添加した場合と、「ヒト型ナノアシルセラミド」との併用で添加した場合の、肌のバリア機能に与える効果を経上皮電気抵抗値(TER)(*6)を用いてそれぞれ測定。肌のバリア機能は、「ヒト型ナノセラミド」を単独で添加した場合と比較して、「ヒト型ナノアシルセラミド」との併用で添加した場合の方が、肌のバリア機能が1.6倍になることを確認しました。「ヒト型ナノアシルセラミド」と「ヒト型ナノセラミド」を併用することでより効果的に角層中のLPPが形成され、肌のバリア機能が向上することが期待できます。

[図5]

【長周期ラメラ構造(LPP)とは】

角層は、角層細胞とそれらの隙間を埋める細胞間脂質から構成され、体内の生きた細胞を保護する肌のバリアとして重要な役割を果たしています。細胞間脂質は、主にセラミド、脂肪酸、コレステロールから構成され、これらの脂質成分は規則的に配列されたラメラ構造を形成しています。ラメラ構造には約6nmの厚さの層が積み重なったSPPと、約13nmの厚さの層が積み重なったLPPの2種類があります。これらがバランスよく形成されることで角層中の水分が一定に保たれ、肌のバリア機能が維持されると言われています。肌のバリア機能が維持されると、肌の水分蒸散や体内への異物侵入が抑制され、肌内部の細胞構造が乱れにくくなることが期待できます。特に、LPPの形成には、高い疎水性を持ち、角層の水分蒸散を抑制する「ヒト型アシルセラミド」が必須であることが知られています(【図6】参照)。

[図6]

【ヒト型セラミドとは】

人間の体内にもともと存在し角層細胞間脂質を構成しているセラミドと、同一の構成原子、立体構造を有するものを「ヒト型セラミド」と言います。「擬似セラミド」「糖セラミド」など数あるセラミド類の中で、「ヒト型セラミド」は肌への親和性が最も高く、肌の細胞間脂質のラメラ構造形成に有用とされています。

【ヒト型アシルセラミドとは】

細胞間脂質のラメラ構造のうち、約13nmの厚さの層が積み重なったLPPの形成に必須のアシルセラミドと、同一の構成原子、立体構造を有するものを「ヒト型アシルセラミド」と言います。高い疎水性があり、角層の水分蒸散を抑制する働きがあります。

*1 平成27年6月末時点、当社調べ。

*2 角層への外界からの異物の侵入を阻止し、体内から体外への水分透過蒸散を抑制する効果。

*3 セラミドやアシルセラミドで構成される角層細胞間脂質が、層状に積み重なっている構造。

*4 Liquid Chromatography Mass Spectrometry(液体クロマトグラフィー質量分析法)の略。試料中の各成分を性質の違いによって分離し、分離したものを質量分析器で検出することで試料中の目的成分の量を分析する手法。

*5 X線を試料に照射し、ナノメートルオーダー(1-100nm)の周期構造を解析する手法。X線の散乱具合を詳細に解析することで、試料中に含まれるラメラ構造の周期、規則性とその量を評価する。

*6 Transepithelial Electrical Resistance の略。肌のバリア機能に相当する値で、値が高いほど肌のバリア機能が優れていることを示す。

本件に関するお問い合わせは、下記にお願いいたします。

  • 報道関係 コーポレートコミュニケーション部
  • TEL 03-6271-2000
  • 今回の研究に関するお問い合わせ 株式会社 富士フイルム ヘルスケア ラボラトリー ブランドマネージメント部
  • TEL 0120-186-833
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記事の内容は発表時のものです。最新情報と異なる場合(生産・販売の終了、仕様・価格の変更、組織・連絡先変更等)がありますのでご了承ください。

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