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ニュースリリース

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成長因子「IGF-1」(*1)が、表皮幹細胞(*2)を活性化させることを確認

IGF-1の増加を促す独自成分「ナノボスウェリン酸」を新開発

粒子径約20nmサイズに分散し、肌への高浸透と化粧水などへの安定配合が可能に

2017年6月26日

富士フイルム株式会社

富士フイルム株式会社(社長 助野 健児)は、細胞の増殖に広く関与している成長因子の1つであるインスリン様成長因子1(以下、IGF-1)によって、表皮幹細胞の「長期に亘って細胞を生み出す能力」の活性化が期待できることを見出しました(図1)。この研究成果は、細胞の回転運動に着目し、表皮幹細胞の「長期に亘って細胞を生み出す能力」を評価する方法(*3)を用いた、東京医科歯科大学 難波大輔准教授との共同研究により得られたものです。

また、IGF-1を増加させる成分を探索し、難溶性成分「ボスウェリン酸」(*4)にその作用を見出しました(図5)。さらに、同成分を独自のナノ技術で粒子径約20nmに分散した「ナノボスウェリン酸」を新たに開発しました(図6)。ナノボスウェリン酸は、IGF-1を増やして表皮幹細胞の働きを活性化させ、新たな細胞が活発に生み出されることで、表皮のターンオーバー促進やシワ・たるみの改善が期待できます。

当社は、今秋発売するエイジングケア領域の機能性化粧品に「ナノボスウェリン酸」を配合する予定です。

[図1]ヒト皮膚においてナノボスウェリン酸が与える影響(イメージ図)

*1 インスリンに似た構造を持つ増殖因子(タンパク質)。人体を構成する多くの組織や細胞に影響を与えることが報告されている。加齢による発現低下が報告されており、老化にも関与しているシグナルの一つとして考えられている。

*2 「幹細胞自身を再び生み出す自己複製能」と「機能的に変化する分化能」を長期に亘り維持できる性質を有する、表皮基底層に存在する細胞を指す。

*3 J Cell Biol. 2015 Apr 27;209(2), J Dermatol Sci. 2015 Sep;79(3)

*4 カンラン科ボスウェリア属の植物「ボスウェリアセラタ」に含まれる疎水性成分。

【研究の背景】

表皮基底層に存在する表皮幹細胞は、「幹細胞自身を再び生み出す自己複製能」と「機能的に変化する分化能」を長期に亘り維持できる性質を有する細胞です。これらの「幹細胞としての能力」が適切に維持されることで、肌のターンオーバーが長期間にわたって正常に行われます。しかし、その能力は、紫外線や加齢によるダメージなどの蓄積によって低下すると考えられています。そこで当社は、「幹細胞の回転運動が活発であるほど、長期に亘って自己複製が行われ、その結果として分化能も高くなる」とする東京医科歯科大学 難波大輔准教授の最新の研究成果(図2)を元に、表皮幹細胞の自己複製能と分化能を活性化する因子の研究に取り組みました。

[図2]細胞の回転速度と表皮幹細胞の自己複製能の相関性

*5 J Cell Biol. 2015 Apr 27;209(2), J Dermatol Sci. 2015 Sep;79(3)を元に作図改変

【研究の成果】

1. IGF-1が、表皮幹細胞の回転運動を促進することを見出した

表皮幹細胞の回転運動を促進する因子を探索し、成長因子の1つであるIGF-1にその効果を見出しました(図3)。

[図3]IGF-1による表皮幹細胞の回転運動促進

2. IGF-1R KO細胞は、通常の細胞に比べて回転運動が著しく低下することを確認

IGF-1シグナルと「細胞の運動性」の関係を明らかにするために、最新のゲノム編集技術「Crispr-Cas9」を用いて、IGF-1受容体を欠損(ノックアウト:以下、KO)させた表皮細胞(以下、IGF-1R KO細胞)を作製しました。この細胞と通常の表皮細胞を観察したところ、IGF-1シグナルを受容することができないIGF-1R KO細胞は、通常の表皮細胞に比べて回転運動が著しく低下しました(図4)。

[図4]IGF-1シグナルが伝わらないと細胞の運動性は低下する

また、当社は、これまでにIGF-1R KO細胞を用いた三次元表皮モデルを作製して14日間培養し、切片を観察した結果、IGF-1R KO細胞を用いた表皮モデルが、通常細胞のモデルに比べて、表皮厚が約半分程度になり、また細胞の分化も低下することも明らかにしています(*7)。

*6 ヒト表皮角化細胞株。

*7 2017年3月23日の当社ニュースリリースにおいて。

3. 難溶性成分「ボスウェリン酸」に、IGF-1を増加させる作用があることを発見

表皮幹細胞の自己複製能と分化能の維持・改善を目指し、IGF-1の分泌を高める成分の探索を進めたところ、インドの伝統医療であるアーユルヴェーダで利用されている植物「ボスウェリアセラタ」から抽出した疎水性エキスの主成分であるボスウェリン酸にその効果を見出しました(図5)。

[図5]ボスウェリン酸によるIGF-1増加効果

*8 メッセンジャーRNA。タンパク質の合成に必要なDNAの塩基配列をコピーしたRNAのこと。

【今回開発した独自成分「ナノボスウェリン酸」について】

ボスウェリン酸は水に溶けにくく、凝集しやすい性質があります。そのため、従来の技術では、粒子径が大きいボスウェリン酸分散液しか作ることができず、成分を肌の奥まで届けることや化粧水などに安定配合することは困難でした。当社は、ボスウェリン酸を独自のナノ技術で、極小の約20nmサイズに安定に分散した「ナノボスウェリン酸」の開発に成功しました(図6)。ナノボスウェリン酸は、ナノ化していないボスウェリン酸に比べて、表皮への浸透性が約3倍に向上しました(図7)。

[図6]ナノ化していないボスウェリン酸(左)と、当社独自技術で開発した「ナノボスウェリン酸」(右)

[図7]ナノ化した場合の皮膚への浸透性比較

*9 高速液体クロマトグラフィー。混合している複数の物質を分離/定量する方法。HPLCは、High Performance Liquid Chromatographyの略。

本件に関するお問い合わせは、下記にお願いいたします。

  • 報道関係 富士フイルム株式会社 コーポレートコミュニケーション部
  • TEL 03-6271-2000
  • 今回の研究に関するお問い合わせ 株式会社富士フイルム ヘルスケア ラボラトリー ブランドマネージメント部
  • フリーダイヤル 0120-186-833
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記事の内容は発表時のものです。最新情報と異なる場合(生産・販売の終了、仕様・価格の変更、組織・連絡先変更等)がありますのでご了承ください。

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