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[写真]これからの挑戦 「画像×IT」で医療連携をカタチに―「SYNAPSE」

これまでの挑戦

磁気テープ、今なお健在―
ビッグデータ社会を支える“前世紀のメディア”

私たちの身の回りから、いつのまにか姿を消した磁気テープ。実は、先端IT企業や金融機関のデータセンターなどで、大量のデータを長期保存するためのストレージメディアとして活躍しています。磁気テープの性能を飛躍的に進歩させたのが、富士フイルムが20年を費やして実用化した新材料バリウム・フェライト(BaFe)磁性体。BaFeの磁気テープは、今日の情報化社会を目に見えないところで支えています。

磁気テープがデータの安全を守る

頻繁にアクセスするわけではないけれど、非常に重要で、失われることがあってはならない――そんなデータをアーカイブするには、高容量と長期保存性能、データ消失リスクの低さ、価格や運用コストの安さをあわせ持つ磁気テープが最適です。例えば、ある世界有数のIT企業は2011年、システム障害により顧客のメールデータを大量に失いましたが、磁気テープのバックアップデータから速やかに復旧し、事なきを得ているのです。

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イノベーションが突破した技術の限界

しかし、磁気テープも、その将来を大いに危ぶまれた時期がありました。世の中のデータ総量が増え続けていたにも関わらず、記録容量の伸びしろに明らかな限界が見えていたからです。この行き詰まりを打破したのが、富士フイルムが実用化に成功した新磁性体BaFe。

磁気テープの記録容量を決めるのは、テープ表層に含まれる磁性体微粒子の数です。BaFeの微粒子は長年主流だったメタル磁性体とくらべて、1巻分のテープ内にはるかに高い密度で並べることが可能です。事実、富士フイルムはBaFe磁性体採用の磁気テープにおいて、1巻あたりの記録容量が従来比約88倍となる世界最大容量(*1) 220TBを実現する技術開発に成功しています。
(*1) 2015年4月9日発表現在。非圧縮容量。当社調べ。

BaFeは粒子のサイズが小さく、形状も高密度で並べるのに適しています。また、メタル磁性体よりも保磁力が高いため、高密度に並べても磁化の反転を起こしにくく、データ記録能力が損なわれることがないのです。

[図]BaFe磁性体 [図]メタル磁性体

BaFeは粒子のサイズが小さく、形状も高密度で並べるのに適しています。また、メタル磁性体よりも保磁力が高いため、高密度に並べても磁化の反転を起こしにくく、データ記録能力が損なわれることがないのです。

新磁性体の研究へと背中を押した危機感

磁気テープによるデータストレージは、テープとその情報を読み書きするためのヘッド、ヘッドを含む記録・再生用機器であるドライブがセットになって初めて完成するシステムです。ドライブメーカーはメタルテープ用ハードウエアの開発や供給に力を注いできました。しかし、メタル磁性体の高密度化は、いずれ原理的な限界に突き当たることも、業界では認知されていました。

BaFeはストレージ用磁気テープ材料として、メタル磁性体以上の特性を持っている。いつの日か必ず、メタル磁性体に取って代わるはずだ――そう考えて、富士フイルムは1992年、次世代テープ材料としてBaFeの研究を始めることを決定しました。背景にあったのは強い危機感でした。当時主流だったメタルテープ分野では、技術で競合メーカーに先んじていたものの、その差は徐々に詰まっていたのです。「このままではいずれ追いつかれる。新規素材によって他社を圧倒する高容量化が必要だ」というのが、研究員たちの結論でした。

最後のチャンスに果たした起死回生

しかし、期待に反してなかなか成果は出ませんでした。
BaFeの微粒子を安定的に分散させ、磁気テープの表面に精密に塗布する技術を開発、世界最高密度の磁気テープを試作することにはなんとか成功したものの、既存の磁気ヘッド(もしくはテープ用ヘッド)ではその感度が低すぎて、記録された信号を精度よく読み取ることができず、試作テープの性能の高さを確認することができなかったのです。

[写真]最後のチャンスに果たした起死回生

そこで採用されたのが、ハードディスク用の高感度磁気ヘッドを改造した専用ヘッドを使い、オリジナルの評価装置を自作するというアイデアです。磁力の小さいBaFeから信号を読み取るために、既存のメタルテープ用ヘッドを使おうとしても無理があるという判断でした。

ハードウェアの仕様を材料に合わせる――これは、テープメーカーの研究者たちにとっては、発想の転換を伴う大きな飛躍でした。そして、これが最後と決めて取り組んだ実験で、ついに当時最先端のメタルテープの2倍以上、上回る記録容量の証明に成功したのです。

[写真]最後のチャンスに果たした起死回生

素人だからできた大胆なチャレンジ

ところが、実用化に向けて待ちうけていたのは、代表的なドライブメーカーであるIBMに、BaFeテープの実力を検証してもらうという、さらに困難な仕事でした。しかし、IBMのテープ評価装置はメタルテープ用であり、やはりBaFeテープの信号を精度よく読み取ることはできませんでした。加えて、メタルテープのビジネスで成功を継続しているIBM側に、新磁性体の評価に大きな投資をする意欲はあまり高くありませんでした。「彼らがやらないなら、われわれがやるしかない」。富士フイルムの研究員たちは、自らヘッドとドライブに関する領域の研究に力を注ぐことを決意しました。

富士フイルムの研究員たちは社内に特別チームを組んで研究を重ね、説得力のあるデータを提出することに成功しました。その結果、IBMは評価実験を再開。BaFeテープの性能を確認し、共同研究の推進に合意したのです。最初にIBMにアプローチした時から、すでに5年が経過していました。「私たちはドライブについては素人でした。だから、技術的な先入観にとらわれなかったし、メタルテープ用ドライブが築いてきた実績に足を取られずチャレンジができたのです」、研究員の一人はそう振り返ります。

すべてのメーカーが採用したBaFeテープ

こうして2011年、世界初のBaFeテープが商品化されました。その後も記録容量は拡大を続け、今ではすべてのドライブメーカーがBaFeテープ向けハードウェアを提供しています。

クラウドサービスやビッグデータ解析が日常のさまざまな領域に普及し、IoT(モノのインターネット)の浸透も進む昨今、社会の中で生成され、流通するデータの量はますます増えています。同時に、その活用頻度や価値も間違いなく高まっています。そのような社会を支える重要なインフラとして、“前世紀の技術”である磁気テープが活躍する光景――それは、富士フイルムのイノベーションがもたらした、ひとつの奇跡といえるかもしれません。

[写真]すべてのメーカーが採用したBaFeテープ

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