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いくら言葉を尽くしても,撮った写真は説明できない。だから写真家になったんです
 

結局は「そこに表現されたもの」だけが大事

写真とはこうあるべき、といった気負いはまるでない。ホンマさんの写真に対する姿勢は、どこまでもしなやかで、何からも自由だ。ホンマさん自身も、その作品も、敢えて何かを強く主張はしない。実際、撮った写真について言葉で説明するのは苦手だとホンマさんは笑う。

「必ず聞かれることではあるんですが、毎度必ず困ります。そんなことがパッと言葉で言えるなら、写真なんか撮ってないですよ! いくら言葉を尽くしても、自分の撮った写真は語れない。逆に言えば、そうやって一言に変換できるような写真は撮りたくないんです。簡単に解釈されないように、っていうのは常に心掛けているかもしれない。世代的なものなのかな、どこかひねくれてるんですね(笑)」。
「だから見る人も、自由に感じてくれればいいなって。何が正解ということもないし、わからないことはわからないまま心に留めておくのでかまわないんです。世の中、すぐに答えが出ることばかりじゃないから。いつか、あれはそういうことだったのかなあって自分の中で繋がる時も来るかもしれないし」。

言葉にできない想いというものがあって、それでも残しておきたい想いというものがある。だから「写真」が生まれたのかもしれない。ホンマさんのお話を聞いていると、ある意味当たり前のようなことを改めて考えさせられる。

「確かに写真の世界は曖昧で、この曖昧さってどうなのかって思うときもあります。野球の世界みたいに、力の差がはっきりわかるのっていいなあ。そこらでキャッチボールだけしてきた人間がいきなりプロでやれたりはしないでしょ?次に生まれ変わったら、スポーツ選手になろうかな(笑)」

そうは言いつつも、ホンマさんはそんな曖昧さを楽しんでいるようにも見える。

「今これだ! と思っていることが、翌日には違うってこと、僕にはよくあるので(笑)。だって世の中、絶対的なものなんて何もないでしょう? 自分の言っていることに100%の自信なんてとても持てないし、過去に言ったことに縛られたくもない。今ここで言ってることも、明日になれば違うかも、ってちゃんと書いておいてくださいね!」



<プロフィール>
ホンマタカシ Takashi Homma
1962年東京生まれ。1999年『東京郊外』(写真集、展覧会)で第24回木村伊兵衛写真賞受賞。主な作品集に『Tokyo and my daughter』(スイス:Nieves)『きわめてよいふうけい』『東京の子供』『Babyland』(リトルモア)『東京郊外』(光琳社出版)『Hyper Ballad: Icelandic Suburban Landscapes』(スイッチパブリッシング)ほか多数。






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