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いくら言葉を尽くしても,撮った写真は説明できない。だから写真家になったんです
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「波」はどれだけ撮っても不思議と飽きない

たとえば海を撮影した写真といえば、夢のように美しいリゾートといった作品を思い浮かべるが、このホンマタカシ氏の新作『NEW WAVES』にある海は違う。ページをめくってもめくっても、そこにあるのは波ばかり。無骨なまでに素っ気ない海の姿があるばかりだ。
90年代末、『東京郊外 TOKYO SUBURBIA』で日本写真界に新風を巻き起こして以来、次々と独自の表現を追求してきたホンマタカシ氏。過去このインタビューに登場した若手気鋭の写真家たちの多くからもリスペクトされている氏の待望の新作は、8年もの間撮り続けてきた、「NEW WAVES」シリーズ。
なぜ今「波」なのか? 8年も撮り続けることのこだわりはどこに?

「8年、まあ、気がついたらそんなになっていた、という感じで。こだわって撮り続けたというよりは、それだけ長い間撮っていても不思議と飽きなかった、というのが実のところですね。なんせ飽きっぽいので。波のテクスチャーが撮りたいんじゃないかな。こう、波が来て引いて行く時の白の織りなす部分とかが……よくわからないけど(笑)」。

団地や駐車場といった、誰もが日頃目にするありふれた風景を撮った『東京郊外』と同じく、『NEW WAVES』の海も、ありのまま、そのまま。
とにかく個性が大切、他とは違う“自分らしさ”をアピールすることが表現であると言われるような風潮にあって、ホンマさんの作品に対する在り方は真逆の位置にあるようだ。

「あまり“自分好き”じゃないからかなあ? いや、なんか周りを見ていると、みんな自分のことが好きで凄いなぁなんて、よく思っちゃって。世界の中心が僕だとも思わないし、世界を動かしているのも僕じゃない。僕が死んでも世界はあって。俺が俺が、と言っていてもね、あんまり関係ないじゃないですか。どれだけ良いことがあっても、逆に嫌なことがあっても、同じように日が昇って落ちていくことには変わりがない」。
「この仕事を始めて20年にもなるから、さすがにある程度はこう、自分の思い通りに撮ろうとすれば撮れてしまう。でも、あんまり予想通りだと新鮮味もなくて、楽しくないじゃないですか。波は自分のコントロールがきかないところがいいですよね。全部似たように見えるのに、同じものはひとつもないし、もう二度と出合えない。波は言うことをきかないし、こっちも別に言うことをきかせようとも思わない、そういう相手との関係性がいいなって」。

 





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© Takashi Homma
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