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| 広告写真も、CDのジャケ写も、デジカメでパシャッと。 「ヴィジュアルが好きなんです。自分の頭の中に『こういう絵が見たいな』っていうイメージが先にあって、『実物を見たいけど、世の中にはまだ無いな』っていうのが、作品を作るきっかけ」 学生時代はモデルとして活躍し、現在は布や皮、糸を使った独特の作品世界を展開しているアーティスト・清川あさみさん。モデルからアーティストへ、という転身の鍵を握るのが、はじめの「ヴィジュアルが好き」という言葉。 「『撮る』『撮られる』というふうに意識したこと、あんまりないんです。モデルをしてたときも、撮られる立場というより、写真という絵のなかに、たまたま自分が入っている、という感じで」 カメラマンによって、自分の写り方がこんなに違う、光の使い方でこんな写真ができる。毎回そんな発見があるモデルの仕事が、すごく楽しかった。 「だから続けようかとも思っていたんですが、絵のなかに入る人としての自分は出し切ったという感じもしてきて。だんだん『自分じゃない人が、この中に入ったら、もっと良くなるんじゃないかな』『こういうヴィジュアル、誰も作ってない。だったら自分で作っちゃおうかな』という気持ちが出てきて、モノを作ったり、他の人にスタイリングしたり、カメラで撮ったり、というほうが楽しくなっちゃた」 「写る」のであろうと、「写す」のであろうと、ヴィジュアルの「作り手」として参加する。だから面白いし、楽しい。清川さんの語り口から、そんな気持ちが伝わってくる。 大型ボードを飾る広告写真、 実はデジカメで撮りました。 「写真は昔から好き。でも、実はまだちゃんとしたカメラ、持ってないんです」 とはいえ、ご自身がアートディレクションを担当するCDジャケットやポスターなどで、撮影を手がけることはある。そんなときのカメラは小型のデジカメなのだそう。 「プロの人から見たら、なんじゃそりゃ!? みたいなことしてると思うんです。撮影したあとの画像処理も、専門的に勉強したものじゃなくて、遊びながら覚えたようなものだから。でもいいんです、最終的に作りたいものが作れれば」 プロの技をわざわざ使わなくても、同じクオリティの作品が出来ればいい。この単純明快な制作態度は、撮影に対しても同じ。写る人の、リラックスした良い顔が写っていればいいのだから、と大仰なスタジオ撮影をセッティングせず、プロモーションビデオ撮影の合間に、デジカメでパシャパシャッと撮ってしまうこともある。 「orenge pekoeさんの新アルバムの広告写真がそうなんです。ビデオ撮影の合間に、衣装を着てもらってから、さらに布をチクチクと縫い付けて、その場で『ちょっと、こんなポーズとってみてくれる?』『こんな感じ?』『そうそう』って撮っちゃったから、ポスターになるなんて、ご本人たちは予想してなかったかも」 「写真を本格的にやるとなったら、それなりのカメラが必要だと思うんです。でも写真は奥が深いから、本当にやろうと思ったら、人間的な深さも求められるし、技術も生半可なものじゃダメだと思う。今の私にはデジカメぐらいがちょうどいい。いいカメラを使おうかなと思えるようになるには、もう少し時間が必要だと思うし、そのときには、今とは全然別のものを作っていると思う」 「作る」ことを実にシンプルに捉えているのに、写真には、なんともセンシティブな考えを持っている清川さん。それはきっと、「写る」立場で、さまざまな撮影に参加してきた経験から生まれてきたものに違いない。 >>次ページ (1/2) |
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