MYFAVORIELESSONCONTESTPICK UPINTERVIEWHOMEへ
すぐに満足しないこと。一歩踏み出した先に、本当の「理想」がある
 

滑稽だけど、愛おしい。そんな“瞬間”が主役の写真集『SIGHTSEEING』

この1 月、写真集『SIGHTSEEING』を出版する瀧本さん。この写真集に収められているのは、世界16カ国に及ぶ国々の観光名所。しかし本当の主役は風光明媚な景色や建物ではなく、そこに集まる人々だ。

「いわゆるメジャーな観光地と呼ばれるところって、世界中どこへ行っても似てる雰囲気があるんです。どこも大体アメリカ資本が入ってるせいか、アメリカナイズされてる。そこに集まる観光客もそれがピラミッドだろうが凱旋門だろうが何でもいい、とりあえず行って、ベストポジションで記念写真を撮ることがまず目的(笑)。そういう人達を、僕がまた写真に撮るっていうのが単純に面白いなって。ちょっと皮肉っぽい感じですが」。

「でも、そういった“予定調和的なもの”を求めて人が集まってる場所で、偶然起きる予想外のことっていうのが必ずあるんですよ。たとえばアメリカ大統領の顔が岩山に掘られているラシュモア山をバックに、まるでその彫像と同じように並んで記念撮影してる家族に出会ったりだとか。僕自身カメラを構えながら『こう来たかー!』って(笑)。だから、一枚を撮るのにすごく待ちましたね。この写真集には僕が意図して配置したものはひとつもありません、すべてドキュメンタリーです」。

その場所に行かなければ決して出合えない、ここぞというシャッターチャンス。その醍醐味にすっかりハマった瀧本さんは、自分を驚かせてくれる偶然を求めて“観光地”を巡った。その足は、遠く南極にまでもおよんだ。

「日頃撮ってる広告の写真は、事前にある程度設計図を描いて、その通りに撮影することがまずの目的。ある意味、理想を現実にするのが仕事なんですね。でもこの写真集の作品はまるで逆、現実が思いがけない理想になる。一見なんてことはない写真も、よーく見るとクスッと笑える。誰もが楽しんでもらえる写真集になっていると嬉しいです」。

1月20日から、写真集の発売を記念して『SIGHTSEEING』の展覧会が開かれている。その場所はなんと東京タワー。瀧本さんらしい粋なセンスが光っている。
「東京にいても、東京タワーってなかなか行かないでしょう?(笑)。これを機会に、東京ならではの観光名所にぜひ足を運んでみてください」。



<プロフィール>
たきもと みきや/1974年名古屋生まれ。94年より藤井保氏に師事、98年独立、以降カネボウ、パルコ、ユナイテッドアローズなど多くの広告写真を手がけるだけでなく、キリンラガービールや全日空、ユニクロなどのテレビCMや雑誌のエディトリアルといった分野でも幅広く活躍。東京ADC賞、ニューヨークADC賞、日経広告賞グランプリ、カンヌ広告祭入賞、ACCゴールド受賞など、国内外で高い評価を受ける。






<<前ページ (1/2)

(C)mikiya takimoto
拡大>>





(C)mikiya takimoto
拡大>>





(C)mikiya takimoto
拡大>>


BACKNUMBER
 
vol.16
フォトグラファー 本城直季

「不思議だな」って思う気持ちを正直に撮っていきたい
vol.15
フォトグラファー 市橋織江

「被写体との「一期一会」。限りある出会いを大事に撮っていきたい」
vol.14
フォトグラファー 平間至

「『好き』を大事に。感じたそのままを撮ろう」
vol.13
フォトグラファー 若木信吾

「撮りたいのは『大事なもの』。知りたいのは『本当の気持ち』」
vol.12
フォトグラファー 今井智己

「『撮る』ことは難しくない。大切なのは『撮り続ける』こと」
vol.11
フォトグラファー 高砂淳二

「海に触れ、自然や生命の不思議を感じる」
vol.10
フォトグラファー MOTOKO

「京都 The Old and New Guide of Kyoto」
vol.8
フォトグラファー 長島有里枝

「想いをかたちに。そのまなざしをフィルムに焼き付ける」
vol.7
現代美術作家 やなぎみわ

「架空の光景をリアルに写す『写真』の使い方」
 
 

© 2006 FUJIFILM Corporation