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| 自分の中にある想いを込めると、作品にも魂が宿る 映画「嫌われ松子の一生」の映画ポスター。福山雅治や宇多田ヒカル、DREAMS COME TRUEのCDジャケット。キリンラガービールやSMAP木村拓哉を起用したトヨタカローラのCM。見れば誰しもが「ああ、これ!」と心に思い当たるはず。まさに星の数ほど生まれ消えていく広告写真、CMの中で、“人の心に残る”作品を手がける写真家・瀧本幹也さん。その若く瑞々しい感性は、今の日本広告界をリードし続けている。 「写真を撮るのは好きでした。父がいわゆる電化製品好きで、8ミリカメラなどをすぐに買うような人だったので、一眼レフのカメラなんかも、小学校低学年くらいから身近にありました。でも僕の子どもの頃って、カメラ好き=暗いオタク、みたいなイメージが凄く強かったんですよ! だから友達にも恥ずかしくてずっと言えずにいて、誰かに見られたらやばい、って隠れながらこそこそと(笑)」。 世間はバブル真っ盛り、男性の価値は高学歴・高収入・高身長などという、いわゆる「三高」といった言葉が流行語となった時代。そんな中、入った進学高にどうしても意味を見いだせず、中退。 「高校に写真部はあったけれど、みんな撮ることよりも技術論とかカメラ自体のメカニックなことばかり興味があるみたいで、なんか違うなって(笑)。ちょうど、高校一年生の時に、『CAPA』という雑誌のフォトコンテストで一席の金賞に入賞したんです。写真の道でやっていけるかどうか自信がもてないでいた時に、その受賞があり、やっぱり学校よりこっちだ! って一気に気持ちが傾いて。もう勢いですよね」。 「でも、学校をやめたはいいけれど、さて、どうしたらいいんだ? って(笑)。とりあえず、実家の近くの写真館で働くことにしたんですね。街の写真館って七五三や成人式の写真だけじゃなくて、たとえば料理写真とか、とにかくいろんな写真を一通りやらされるんですよ。この時の経験は、後ですごく役立ちました」。 17歳の時に上京し、フォトスタジオのカメラアシスタントとして働いた。ひとくちにプロといっても様々な種類の仕事があり、人によって仕事のやり方も千差万別であるということを学んだ。そんなとき出会ったのが、写真家の藤井保さん。 「藤井さんの日本の原風景を探るJR東日本の一連の作品に強く惹かれました。派手なイメージの広告業界で、藤井さんの作品は違って見えたんです。広告でも人を感動させられる、人の心に残っていける作品があるってことを知って、師事するならこの人だ、と思いました」。 「広告であろうが何であろうが、自分が何を考え何を伝えたいと思って撮るのかが大事。自分の中のそういった想いを込めれば作品にも魂が宿るんです。そういう、作品に対する思想や姿勢を藤井さんからは教わりました」。
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