安岡孝治写真展
「琵琶湖さざなみの詩」
《富士フォトサロン・大阪》にて
 波の上で原始のままのドラマが繰り広げられている。逆光に輝く湖のまたたきは、ときおり神を秘めた微笑すら浮かべる。その魅力の因になって30年、倦きもしないで湖に通っている。この湖の中から、波の中から私しか表現できないものはないものか。手探りの作業を繰り返し、見えない終着駅に向かって歩いている。ぜひ、ご高覧ください。

安岡孝治 

四季光彩 緑桜会選抜展 《富士フォトサロン・大阪》にて


 緑桜会が誕生して早や20年の歳月が過ぎました。この会の由来は、写真家・川上緑桜を応援するために友人たちが会の発足を決め、その名も「緑桜会」と命名。そのうち5人、10人と集まり、現在では100名余りの大世帯となりました。緑桜を中心にひとつの大きな輪になり、お互い大切なファミリーとなり、旅や写真を楽しみ、人生を豊かに実りあるものにしています。
   今回の写真展は、64名の会員が出品しています。海外の写真からネイチャーまで、高齢者が多い会ながら魅力ある作品展であると自負しています。どうかご高覧のほど、お願い申し上げます。


川上緑桜 

吉田ルイ子写真展
「beautiful age華齢な女たち」
《富士フォトサロン・名古屋伏見》にて
 かつて大宅壮一氏は「男の顔は履歴書、女の顔は請求書」と表現しました。彼は私が尊敬するジャーナリストのひとりです。それ故にこそ、この言葉に私は疑問を抱きつづけてきました。顔は人間の過去、現在、未来の生き様を国境、ジェンダーを超えてもっとも強く表現していると、私自身の30年を越す写真キャリアの中で強く感じてきたからです。土門拳氏や秋山庄太郎氏など、多くの写真家たちが女性の肖像を撮ってこられました。しかし、女性が撮る女性像は、先輩の男性写真家たちとは違う、被写体の内面的な何かを共有しながら表現できるのではないか、と思い続けてきました。
 1998年3月、婦人公論リニューアルを機に、私の長い間模索してきた思いが「beautiful age いま、自分と出会う」として2000年9月まで連載しました。瀬戸内寂聴さん、田辺聖子さん、秋野不矩さんなど30人の美しく齢を重ね自然体で輝いて生きる女性たちとの出会い。撮影を通じて強く感じたのは、彼女たちの自分に対して厳しく、人と地球にやさしい生き方です。写真は歴史の証言。ジェンダー、国境を超えて21世紀へのすてきな贈り物、メッセージとなることを信じています。ぜひ、ご高覧ください。


吉田 ルイ子 

長倉洋海写真展
「アフガンの大地を生きる」
-イスラム戦士たちとの日々
《富士フォトサロン・名古屋伏見》にて
 アフガニスタンに侵攻したソ連軍と戦うゲリラ指導者マスードと出会い、17年にわたってアフガニスタンを撮り続けてきました。カブール大学の建築科を中退し、運動に加わったマスード。一人の青年がどんな思いで戦いを続けているのかを知りたかったからです。何度も訪れるうちに、マスードを支えるイスラム戦士たち、厳しい自然の中で生きる人々の姿やアフガン人としての誇りにも惹かれるようになりました。そしていつのまにか私の写真の中に、マスードや戦士たちを育んだアフガニスタンの風土、そして彼らが愛し守ろうとする故郷の美しさが写されるようにもなりました。
 マスードたちがソ連軍を撤退に追い込んだあとも、アフガニスタンの権益を狙う近隣国の介入は続き、いまも武装勢力との戦いは続いています。その中で、マスードはどんな未来を切り開こうとしているのか。人々の現在の姿を交えながら、約60点の作品で紹介できればと思っています。


長倉 洋海 


佐藤しげのり写真展
「流氷を彩る可憐な生きものたち」


《富士フォトサロン・札幌》にて
 はじめて知床の海に潜ったのは4年前になります。寒いのとは裏腹に流氷の透き通るような美しさと、多くの生き物たちのけなげな表情に魅せられてしまい、毎月のように通うこととなりました。四季を通して潜ると、「北の海は暗く、地味な魚しかいない」という先入観は吹き飛び、ここほど生命の豊かさにあふれている海はほかにないとまで感じるようになり、自分がますますこの海のとりこになっていくのがわかりました。
 前回の写真展では紹介しきれなかった、いろいろな生き物たちの写真も今回はより多く展示したいと思っております。知床の海の豊かさを私の写真を通して、お伝えできればと思います。素晴らしい知床の海の魅力のほんの一端ではありますが、多くの方々にご高覧いただければ幸いです。


(社)日本写真家協会(JPS)会員/佐藤しげのり 


竹内敏信写真展
「文化の鏡〜日本とオランダ」


《富士フォトサロン・札幌》にて
 1598年、オランダの港を出港した商船隊5隻はマゼラン海峡を越え、東洋を目指しました。太平洋の荒波にもまれ、船隊はバラバラ。そのうちの1隻、リーフデ号がかろうじて大分県に漂着したといわれています。それが1600年でした。以来、オランダとの交流が始まります。江戸時代の鎖国の時も、オ ランダだけは交易を許され、長い歴史の中で両国は深い関係にあったのです。
 西暦2000年で、両国は400年という記念すべき時を迎えました。この写真展は、日本を代表する写真家・竹内敏信氏が、日本・オランダを取材した作品から約60点の力作が堪能できます。日本とオランダ両国を理解し、風土を身近に感じあえることはなんと素晴らしいことでしょうか。ぜひ、ご高覧ください。


協賛:富士写真フイルム株式会社
協力:オランダ大使館、(株)TAフォト&サウンドオフィス
助成:国際交流基金 

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