機器開発
機器開発では、主に画像を扱う写真・印刷・医療分野における機器及びシステムの開発を行います。精密機構設計や光学・光走査系設計、回路設計、信号処理などの技術と熱・流体・振動などのシミュレーション技術とを組み合わせ、最高の画質、高い信頼性の機器を開発しています。品質の高い機器の実現には、技術者自らがユーザーのもとに足を運び、ニーズを把握することも大切な仕事のひとつです。
必要とされる専攻分野
物理学、応用物理学、金属工学、機械工学、計測工学、制御工学、電気工学、電子工学、超電導工学、原子核工学、地球システム工学、知能機能工学、画像工学、数理工学、計数工学、数学など
画像技術のデジタル化をリードするべく、高画質を支えるための高精度かつ独自の機械系技術を開発しています。「FCR」(デジタルX線診断システム)では、高精度搬送・制振技術や診断に必要となるX線画像を正確に読み取るスキャニング技術を開発しました。そのほかデジタルイメージング機器のコアとなる技術として、高精度な位置決め、温度制御、流体制御、高精度デバイスアッセンブル技術といったオプトロニクス・メカトロ技術を開発しています。
医療、印刷、イメージングなどの各分野では、光を使って画像情報の読み取りや記録を行っており、光学技術はこれらのキー技術です。高画質の追求により培われた富士フイルムの光学技術は、デジタルカメラや携帯電話カメラモジュールなどの各種レンズ、レーザー、WVフィルムの設計に生かされています。
「FCR」に代表される医療機器は、提供する画像を医師が診断に使用し、また診断される患者の負担を軽減する目的から、100%に近い正確さと使いやすさが求められています。高速化・小型化を実現するためには、画像データを読み取る光学系の精密な位置精度、送り速度精度、そして精密な送り技術が必要になり、使用する材料組成を含めた精密設計を行っています。
医療用レントゲン写真分野でのデジタル化を推進する中で、レントゲン撮影をさらに高画質・便利にするべく、新しいX線画像センサーの開発を進めています。X線照射量の低減、診断性能の向上、効率的な撮影が可能な高感度かつ高精細の画像センサーとして、独自の光スイッチング読出し方式のX線画像センサーを開発しました。
デジタルカメラの開発では、カメラ側・センサ側相互の要求をダイレクトに反映させ、『高感度』、『高S/N』および『広ダイナミックレンジ』といった高品質のカメラを目指しています。特に、ハニカム画素配列のCCD(スーパーCCDハニカム)の開発にあたっては、独自のシミュレーション技術を駆使し、画素に入射した光を有効に利用できる構造を開発すると同時に高感度化を両立させたイメージセンサを実現しました。
微細加工技術をベースとしたメカニカルな動きを示すデバイス(マイクロマシン)の分野では、高出力化、超小型化がより望まれており、特に流体駆動の分野では、あらゆる粘性の液体が駆動できるための高トルクな小型マイクロポンプが必要とされています。高いトルク発生のためには、圧電駆動が有利です。富士フイルムでは従来の圧電材料を上回る高性能、高トルク、かつ高耐久性の無機圧電材料の研究を進めています。
印刷物の多品種・少部数化が進み、加えて短納期でタイムリーな印刷物の作製が求められています。これらの要求に答えるべく、富士フイルムは、世界で初めて シングルパス方式で高解像度/菊半サイズの「高速」「高画質」「大サイズ」の印刷を実現した次世代インクジェットデジタルプリントシステムを開発しました。高密度長寿命のピエゾ素子が高精度に配列されたプリントヘッドの開発と、高速インク凝集と用紙カール抑制を達成したインク材料技術がキー技術です。
富士フイルムでは、これまでの口から入れる内視鏡 (経口内視鏡)に比べて細く、鼻から入れられる画期的な内視鏡 (経鼻内視鏡)を開発しました。これを達成した技術のポイントは、小型で高性能なCCD(電荷結合素子)カメラの開発、患者に違和感や苦痛を与えないための柔らかい内視鏡の開発、細径化と耐久性を両立させたことです。多くの医師たちの意見取り入れ、独自技術を開発していくことにより、従来の口から入れる内視鏡の優れた機能を踏襲しながら細径化を実現しました。