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印刷を環境に優しい産業に

 

[写真]現像工程がいらない「無処理CTPプレート」“究極の環境配慮印刷”にさらなる革新を

印刷の“新たなスタンダード”を目指して

本や新聞から街なかの広告ポスターまで、私たちの身近にある印刷物のほとんどは、オフセット印刷と呼ばれる方法で印刷されています。オフセット印刷では、薄いアルミの板に文字や画像を焼き付けて版とし、そこに乗せたインクを紙に転写します。この印刷版――CTPプレートは、アルミ板の表面に高度な化学処理を施すことで製造されており、長年にわたって富士フイルムの主力商品のひとつです。

版を作る際は通常、現像液などの化学薬品を用いますが、この工程を不要としたのが「無処理CTP」と呼ばれるシステム。現像機による現像処理工程が不要なため、処理液、廃液、機器を動かす電力、スペース、メンテナンス工程の全てがゼロとなる、“究極の環境配慮印刷”です。富士フイルムでは、2006年に初の「無処理CTPプレート」を発売して以来、世界の印刷現場における新たなスタンダードにすることを目指して、技術革新を重ねてきました。

この無処理CTPシステムの普及と拡大を進めるうえで、大きな飛躍のきっかけとなった2つの商品があります。その開発に携わった若手研究員たちが、印刷のイノベーションに対する思いを語ります。

[写真]福田 翼/2009年、富士フイルム入社。商業印刷用の改良版無処理CTPプレートの評価技術開発に関わった後、新聞印刷用無処理CTPプレート(商品名「SUPERIA ZN」)の開発プロジェクトで評価担当チームのリーダーを務める。

福田 翼
2009年、富士フイルム入社。商業印刷用の改良版無処理CTPプレートの評価技術開発に関わった後、新聞印刷用無処理CTPプレート(商品名「SUPERIA ZN」)の開発プロジェクトで評価担当チームのリーダーを務める。

[写真]工藤 康太郎/2011年、富士フイルム入社。CTPプレートのアルミ材料改良プロジェクトに従事した後、福田とともにUVインク対応型の無処理CTPプレート(商品名「SUPERIA ZD」)の開発に携わる。

工藤 康太郎
2011年、富士フイルム入社。CTPプレートのアルミ材料改良プロジェクトに従事した後、福田とともにUVインク対応型の無処理CTPプレート(商品名「SUPERIA ZD」)の開発に携わる。


環境負荷の低減と効率化を両立

福田:CTPプレートの表面には、特定の光を当てると反応を起こす薄膜(感光層)を塗布してあり、インクを乗せたい画像や文字のパターンに合わせてレーザー光を照射(露光)します。一方、インクを乗せたくない領域は、露光工程の後に、塗布した感光層を除去する現像処理工程が必要です。

工藤:この処理工程を印刷機上で、印刷に用いられる湿し水を用いて、印刷と同時進行できるようにしたのが無処理CTPです。レーザー光でパターンを焼き付けたら、直接印刷機に版をセット。印刷機を回し始めてすぐに、露光部以外の感光層はインクに剥がされ、印刷紙面にくっついて除去されてしまうという仕組みです。印刷工程に現像作業を組み込んでしまうことで、環境負荷が減るだけでなく、作業の時間や手間とコストも減らすことができる、理想的なシステムといえます。

[図]工程比較

誰も成しえなかった新聞印刷の無処理化

[写真]

福田:ただ、一口にオフセット印刷といっても、印刷機やインクの種類、工場の環境など条件は多種多様。世界中で既存のシステムを無処理に置き換えるには、幾多のイノベーションが必要です。私自身、入社後の初仕事でそのことを思い知らされました。始まりは、当社の無処理CTPプレートに対する海外市場での大規模なクレーム。その地域で流通しているあるインクを使うと、印刷品質が低下してしまうというのです。このときは、湿し水を改良することでなんとか対応できましたが、無処理というシステムが画期的であるからこそ、世界中のユーザーに安心して使っていただける完成形にはまだ遠いこと、その開発に挑む富士フイルムの責任の重さを痛感する出来事でした。

その責任を、わずかながら果たせたかなと思っているのが、評価担当チームのリーダーとして挑んだ「新聞印刷の無処理化」です。当時、国内ではほかのCTPプレートメーカーも新聞の無処理化には未参入。導入を成功させることができれば当社にとっても大きなメリットがありますが、「エッジ汚れ」という難しい課題がネックになっていました。版のエッジに付いたインクが紙面に移り汚れてしまうという新聞印刷特有の現象です。無処理化への取り組みを開始するにあたり、エッジ汚れの防止法については、さまざまな方法が検討されました。

化合物の設計から試作品の製造、テスト結果の分析と評価まで、各分野のスペシャリストが毎日のように集まり、何時間も議論を重ね、「エッジ部にのみ特殊なコーティングを施す」というソリューションにたどりつきました。しかし、全く前例のない新規の技術開発であるため、課題が多すぎて何から手を付けたらよいのか分からないほど。とにかく試作とテスト、評価、原因究明と対策を繰り返すことで、一歩ずつ前に進んでいくしかありません。とりわけ、幅数ミリという塗布精度の高さは難題で、1回の試作に24時間以上かかることもしばしば。まさに、真っ暗なトンネルの中を、みんなで手を取り合って少しずつ進んでいくような日々が続きました。その甲斐あって、テストで期待する性能に大きく近づいたときは、トンネルの先に出口の光が見えてきた思いがして、みんなで手を取って喜びあいました。

[写真]「SUPERIA ZN」導入後初めて刷られた新聞

「SUPERIA ZN」導入後初めて刷られた新聞

そうして何とか製品が完成し、新聞社でテスト運用が始まってからも、予想もしなかったトラブルが発生し、テストを継続しながら、対策を施すために、延べ100名以上の開発メンバーが約2か月にわたって深夜の印刷現場に立ち会うという波乱が続きました。しかし、2015年、ついに史上初の新聞用無処理版「SUPERIA ZN」が完成。初めて全てのページが無処理版で刷られた朝刊は、今でも記念に手元に残しています。たまたま、その日の新聞には富士フイルムの記事も掲載されていて、運命を感じましたね(笑)。

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