

9月上旬、北方の風景を色濃く残す北の大地.大雪山は早や紅葉の季節を迎える。日本一早い大雪山の秋は2000mの高山帯に生えるミヤマヤナギやクロマメノキなどの高山植物たちの色鮮やかな草紅葉ではじまる。
高山帯に始まった紅葉前線は約一カ月かけて大雪山のすそ野の針葉樹帯へ下りていく。ナナカマドやダケカンバなどの広葉樹の秋色とアカエゾマツなどの針葉樹が織りなす森林景観は大雪山ならではの風景で、どこをカメラでとらえても題材にことかかない。
大雪山の広大な山岳景観の撮影で心掛けることは、大雪山は平たんで起伏が少ないので作画が単調になりやすいこと。
このような時、登山道わきの足下に広がる高山風景をよく観察し、草紅葉などと山岳風景をからめて撮影すると変化ある絵柄が期待できる。
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写真1
緑岳山頂から早朝に撮影したもの。広大な大雪山の山容と紅葉を満喫させられる。後方の山はトムラウシ山。緑岳への登山は健脚向きで、早朝の撮影は白雲岳避難小屋で一泊必要。
9月下旬(地図1)撮影
フジクロームベルビア使用
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写真2
緑岳登山口に点在する高原沼で撮影したもの。普段の撮影では紅葉風景を被写体に選ぶが、写真は水面に写り込んだ木々の秋色をとらえたもの。変化をつけるために水草をあしらった。
9月下旬(地図2)撮影
フジクロームベルビア使用
小さな高山植物をワイド系のレンズで接写して画面に大きく取り込み、背景に山岳風景をあしらうことにより高山の雰囲気あふれる作画が期待できる。
朝夕の斜光線をうまく利用することも絵柄作りには重要である。また、草紅葉のアップ撮影などは画面が単調にならないように異なった要素を取り込むことを忘れないこと。
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写真3
黒岳山頂の雲の平で撮影。高山植物の草紅葉を手前にいれて高山帯の紅葉風景をねらった。赤色はクロマメノキ、黄色はミヤマヤナギ、緑はハイマツ。紅葉を強調するために逆光線を利用し、奥行きが必要なためにアオリ操作の出来るカメラで撮影した。黒岳への登りは少々健脚向き。
9月下旬(地図3)撮影
フジクロームベルビア使用
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写真4
旭岳姿見ノ池付近で撮影。登山道わきで見つけたエゾマルバシモツケの紅葉を超広角で接写し、点在する風景を背景に配置した。普段、見落としがちなアングルも目線をかえることによって被写体になる。
9月下旬(地図4)撮影
フジクロームベルビア使用
大雪山を写真で表現するには、大雪山を風景的に見るか博物誌的にとらえるかで写真の作風が大きく変化する。
撮影のねらいを絞り、撮影意図を明確にすること。感動した風景を思い通りに写真表現ができるようになったら、次は組み写真にチャレンジしてみよう。
題材やテーマによって必要な写真と不要な写真がはっきりしてくる。
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写真5
エゾマルバシモツケの真っ赤な紅葉をマクロレンズでアップ撮影したもの。曇天の柔らかい光を利用し、変化をつけるためにキバナシャクナゲの緑の葉をあしらった。
9月下旬(地図5)撮影
フジクロームベルビア使用
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写真6
姿見ノ池へ向かうロープウエイの窓から撮影したもの。高山帯の紅葉が山麓の針葉樹林帯へ下りてきた頃。
10月上旬(地図6)撮影
フジクロームベルビア使用
最後に、大雪山の撮影行で注意しなければならないことは、大雪山は山岳地であることを決して忘れないこと。
天候の急変を念頭にいれて携行品の準備と撮影計画をたてる。年によって時期はことなるが、9月上旬に高山帯が初雪に見舞われることがある。
機材を厳選し、背負いのザックに収納して身軽に行動しよう。ローアングル可能な三脚も目的によって準備したい。
大雪山概念図
大雪山への道
主立った大雪山への登山ルートは旭岳温泉、層雲峡温泉、愛山渓温泉、赤岳銀泉台、高原温泉、天人峡温泉.トムラウシ温泉などの各登山口がある。登山計画に合わせて利用しよう。なお、避難小屋の利用は管轄の市町村に問い合わせること。また、大雪山の非難小屋はすべて無人小屋であり、食料や寝具は各人が用意しなければならない。
旭岳温泉から姿見ノ池への旭岳ロープウエイは今年の(平成10年)1998年10月12日から(平成12年)2000年6月30日まで、架け替え工事のため休止する予定になっている。登山計画はロープウエイの休止予定を確認のこと。
問い合わせ先
TEL 0166-82-2111
大雪山国立公園北海道最高峰「旭岳」と日本一美しい「羽衣の滝」の写真の町 東川町。
TEL 01658-2-1211
新得町役場商工観光課
TEL 01566-4-5111
プロフィール
奥田 稔(おくだ みのる)1948年埼玉県本庄市に生まれる。自然を中心にして全国の風景を幅広く撮影する。そのかたわら、大雪山の広大な山岳景観と高山植物に魅了され通い続ける。1986年、大雪山山麓の東川町に仕事場を構え、大雪山とその周辺の自然を撮リ続けて現在にいたる。現在のテーマは森、北海道の森の原風景をイメージして撮影を続けている。
著書には「大雪山のお花畑」「北海道花の大地」「大雪山」「日本の桜」以上、山と溪谷社刊がある。
日本写真家協会会員
住所
北海道上川郡東川街1号北26