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富士フイルム株式会社(社長:古森 重隆)は、携帯電話やデジタルカメラなどエレクトロニクス製品の小型・軽量化を支える高密度プリント基板の製造において、アナログ露光では困難だった高精細化と高生産性が両立でき、今後益々需要が高まるプリント基板用デジタル露光システムの事業体制を強化していきます。
当社は今回、その一環として、アナログ露光システムの製造・販売で実績を持つ株式会社アドテックエンジニアリング(社長:向井 敏雄)と、デジタル露光装置の製造の一部、ならびに韓国におけるデジタル露光システムの販売・技術サービスについて協業していくことを合意しました。 富士フイルムは、平成17年に1時間あたり160面以上(データピッチ2.5μm・基板サイズ510mm×610mmの場合)の高生産性を誇る、量産対応のプリント基板用デジタル露光システム「INPREX(インプレックス)」を世界に先駆けて商品化しました。デジタル露光システムでは、プリント基板の製造にフォトマスクが不要なため、コストダウンや短納期化が図れる上、アナログ露光システムと同等以上の生産性、アライメント精度の向上などによる製造品質の安定性、さらにそれまで対応が難しかった高精細基板の製造や、両面完全自動露光による省人化を実現しました。 現在、プリント基板業界においては、アナログ露光からデジタル露光へと急速に移行しており、ユーザーからは、独自の製造体制・生産品目に合わせてデジタル露光システムをカスタマイズするなど、さらに生産性の向上、最適化を求める声が高まっています。 富士フイルムは、これらの市場状況を踏まえて今後、これまで以上にユーザーニーズに的確、且つ迅速にお応えするための事業体制を強化すべく、その一環としてアドテックエンジニアリングと装置製造および販売の一部において協業することとしました。当社が持つ高輝度レーザー光源モジュール技術、高精度露光ヘッド技術、高速画像処理技術といった強みに、アドテックエンジニアリングが持つ高精度部品加工技術とプリント基板用露光装置の製造技術を加えることで、ユーザーごとのニーズを反映した装置を、より迅速に提供する体制を整えます。また、システムの販売においても一部地域で協業することで、両社のプリント基板露光システム事業の拡大を図っていきます。 富士フイルムは、プリント基板製造工程が本格的なデジタル露光化を迎える中、デジタル露光システムの提供をはじめ、プリント基板の設計工程や基板検査工程とのリンケージまで含めた生産性の向上、製造品質の向上に向けたシステム提案を行い、ユーザーのニーズにお応えしていきます。 記
1.株式会社アドテックエンジニアリングとの協業内容について
(1)富士フイルムは、デジタル露光システム「INPREX(インプレックス)」のデジタル露光装置について、露光エンジンを製造してアドテックエンジニアリングに供給し、装置の製造を委託する。 (2)アドテックエンジニアリングは、韓国にて富士フイルムのデジタル露光システム「INPREX(インプレックス)」の販売、および技術サービスを行なう。また日本国内において、富士フイルムの販売サポートを行なう。 2.デジタル露光システム「INPREX(インプレックス)」について (1)「INPREX(インプレックス)」の主要技術 a. 高出力・高品位レーザー技術 ・ デジタルミニラボ「フロンティア」をはじめ、富士フイルムがデジタルイメージングシステムで培ったレーザー技術を応用し開発した、最大20Wの高出力かつ高品位のレーザーモジュール(405nm)を搭載。 b. 高精度デジタル露光用光学系技術 ・ 放送用高性能レンズなどで培った光学レンズ技術を応用し開発した、160万ビームの超多数の露光スポットを均一かつ精密に基板面上に配列することが可能な高精度の光学ユニット搭載。 c. 高速画像処理技術 ・ 510mm×610mmサイズ基板の画像データを、高速でリアルタイムに処理する高速画像処理技術を搭載。高速に精度10μm以下の高精度アライメント(位置合わせ)が可能。 (2)「INPREX(インプレックス)」の主な特長 a. 高精細パターニング・高生産性の実現 ・ 最小L(ライン幅)/S(スペース幅)=15μm/15μmの高精細パターン形成が可能。 ・ 1時間あたり160面以上の高生産性を実現。露光時間は約10秒/面。 *データピッチ(解像度)2.5μm ・ 基板サイズ510mm×610mmの場合 b. 位置ズレ補正機能による高密度基板対応 ・ 510mm×610mmサイズ基板全面にわたり、10μm以下のアライメント精度を実現。 ・ 基板の伸縮に合わせた層ごとのデジタルアライメントや、画像データのスケーリング補正が 可能。 c. フォトマスクレス ・ フォトマスク(フィルム・ガラス)の製作が不要なため、製造コスト削減と納期短縮が可能。 ・ フォトマスクレスなため、付着した異物の影響による不良品ゼロやマスク交換時間ゼロを実現。 d. プリント基板のオンデマンド生産 ・ フォトマスクを使用せず、露光したいデジタルデータを選択するだけなので、試作品から多品種少量の量産品生産にも、短納期で迅速に対応できるオンデマンド生産が可能。 e. デジタル統合管理システム ・ 設計現場から製造現場まで工程および品質情報、保守点検などの情報まで一元管理。 f. 両面完全自動露光機をラインアップ ・ オートキャリア付きの片面オート機2台と、反転機を連結した量産に最適な両面フルオートラインもラインアップ。片面機から追加での拡張も可能。 ■システムの仕様は変更となる場合があります。 3.株式会社アドテックエンジニアリング 代表取締役社長 向井敏雄 本社所在地 東京都港区虎ノ門3-5-1 虎ノ門37森ビル11階 設立 昭和58年10月26日 事業内容 電子機器、電子部品の組立機械など一般産業機械、 光学機器、半導体製造装置の周辺機器、工作機械、 コンピューターなど情報処理機器の設計、製造販売 など 資本金 14億3,822万円 (平成19年9月30日現在)
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