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ニュースリリース

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経口剤開発の効率化に大きく貢献する画期的な研究成果
薬物の吸収性評価に最適なヒトiPS細胞由来腸管上皮細胞の開発に成功

iPS細胞を用いた創薬支援の普及促進が期待

2018年9月27日

富士フイルム株式会社

富士フイルム株式会社(社長:助野 健児)は、名古屋市立大学(大学院薬学研究科 松永 民秀教授)との共同研究で、薬物の吸収性評価に最適なヒトiPS細胞由来腸管上皮細胞の開発に成功しました。本細胞は、薬物の代謝に関わる酵素の活性、および薬物の取り込み・排出の能力が高く、薬物の吸収において重要な小腸の腸管上皮細胞に近い性質を備えていることを確認しています。本研究成果は、ヒトiPS細胞を用いた創薬支援分野における画期的な研究成果で、経口剤の開発の効率化に大きく寄与することが期待できます。

現在、新薬の開発では、候補薬の有効性と安全性の確認のために動物試験が行われ、その後ヒトでの臨床試験が実施されています。しかし、動物とヒトでは細胞の性質などが異なることから、動物試験で有効性・安全性が確認できても、ヒトではそれらが確認できず開発が中止されることも多くあります。そのため、臨床試験前に生体と同等の性質を持つ細胞を用いて有効性や安全性を確認したいというニーズが高まっています。

医薬品の中でも広く使用されている経口剤は、その主成分の薬物が主に小腸の腸管上皮細胞に取り込まれ、一部は同細胞内の酵素で代謝され、一部は細胞外に排出されます。排出されずに残った薬物および代謝物は血中に吸収され全身を循環します。そのため、腸管上皮細胞における薬物の吸収ならびに代謝の評価は、投与量に応じた有効性と安全性を予測するための重要な評価項目の一つです。しかし、ヒト生体由来腸管上皮細胞(*1)は、創薬研究用に安定して入手することは極めて困難です。そのため、現在一般的にヒト結腸がん由来のCaco-2細胞(*2)が使用されていますが、同細胞では薬物代謝酵素の活性が低い、といった課題がありました。

今回、富士フイルムは、名古屋市立大学との共同研究において、同大学院薬学研究科 松永 民秀教授が確立した腸管上皮細胞への分化誘導技術と、グループ内で保有する世界トップレベルのiPS細胞関連技術などを組み合わせて、高品質なヒトiPS細胞由来腸管上皮細胞の開発に成功しました。本細胞は、ヒトiPS細胞由来であるため安定した品質で大量生産することが可能であり、薬物の吸収性評価に最適な性質も備えています。

富士フイルムと名古屋市立大学は、本細胞にて腸管上皮細胞の代表的な薬物代謝酵素であるCYP3A4の活性と、薬物の細胞内への取り込み・細胞外への排出を司るトランスポーターに関する遺伝子発現量を調べ、以下の成果を得ました。

<本細胞の酵素活性およびトランスポーター遺伝子発現量について>

  • CYP3A4の活性を評価した結果、Caco-2細胞に対して約10倍、ヒト生体由来腸管上皮細胞と同等の活性を示した(図1)。
  • 薬物の腸管上皮細胞内への取り込みと細胞外への排出を司るトランスポーター遺伝子の発現量を比較した結果、取り込みを司るトランスポーター(PEPT1)は、Caco-2細胞よりも多く、ヒト生体由来腸管細胞とほぼ同等であることを確認。また、排出を司るトランスポーター(P-gp)は、Caco-2細胞とほぼ同等であることが確認できた(図2)。

[写真]

[写真]

以上の結果から、本細胞を用いることで、現在一般的に使用されているCaco-2細胞と比べて、ヒト生体に近い環境で薬物の吸収性評価を安定的に行うことができます。さらに、ヒトiPS細胞由来であるため安定した品質で大量生産することが可能であり、経口剤の開発の効率化に大きく寄与することが期待できます。

なお、今回の研究成果は、2018年10月1日より石川県立音楽堂において開催される「第33回日本薬物動態学会/第22回MDOシンポジウム合同国際学会」にて発表する予定です。

富士フイルムは、iPS細胞の開発・製造のリーディングカンパニーである米国子会社FUJIFILM Cellular Dynamics, Inc.(フジフイルム・セルラー・ダイナミクス)を通じて、新薬開発における創薬スクリーニングや毒性試験に用いる創薬支援用のiPS細胞などを、世界中の大手製薬企業や先端研究機関などに対して供給しています。

今後、長年の写真フィルムの研究で培ってきた高機能素材技術やエンジニアリング技術などを発展させ活用していくことで、研究開発をさらに推進し、医薬品開発の効率化、再生医療の産業化に貢献していきます。

*1 ヒト生体から採取した接着培養可能な腸管上皮細胞。

*2 ヒト結腸がん組織から採取して株化された細胞。現在、吸収性評価試験において、標準的に使用されている。

本件に関するお問い合わせは、下記にお願いいたします。

  • 報道関係 富士フイルム株式会社 コーポレートコミュニケーション部
  • TEL 03-6271-2000
  • その他のお問い合わせ 富士フイルム株式会社 再生医療事業部
  • TEL 03-6271-3030
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記事の内容は発表時のものです。最新情報と異なる場合(生産・販売の終了、仕様・価格の変更、組織・連絡先変更等)がありますのでご了承ください。

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関連情報更新日 2018年9月27日

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