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ニュースリリース

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動物実験の代替として化学物質の安全性を評価する

皮膚感作性試験代替法「Amino acid Derivative Reactivity Assay(ADRA)」が
OECD(経済協力開発機構)テストガイドラインへ収載

従来方法と比べて約1/100の化学物質の使用量でも皮膚感作性試験が可能

2019年6月20日

富士フイルム株式会社

富士フイルム株式会社(社長:助野 健児)が開発した、実験動物を用いずに化学物質の皮膚へのアレルギー反応の有無を評価する皮膚感作性試験代替法「Amino acid Derivative Reactivity Assay(ADRA)」が、このたびOECD(経済協力開発機構)テストガイドライン(*1)に収載されました。「ADRA」は、富士フイルムが持つ化学合成力・分子設計力により開発した検出感度が高い試薬を用いることで、従来方法よりも幅広い化学物質の皮膚感作性を試験できる評価法です。今回、「ADRA」がOECDテストガイドラインに収載され、標準的な評価法として国際的に認められたことを機に、実験動物を用いずに化学物質の安全性を評価する試験法の更なる普及に貢献していきます。

皮膚感作性とは、皮膚と接触した化学物質によりアレルギー反応が誘発され、炎症(かぶれ)を引き起こす現象です。新規化学物質を開発する際や企業が製造工程などで化学物質を取り扱う際には、その化学物質の安全性を評価するために、皮膚感作性試験が実施されます。従来、皮膚感作性試験にはモルモットやマウスなどの実験動物が用いられていましたが、近年では動物実験を最小限化する「3Rの原則」(*2)に基づき、動物実験の替わりにアレルギー反応が起こる過程の現象を対象とした複数の代替法を組み合わせて皮膚感作性を評価することが増えています。

現在、化学物質とタンパク質の結合を評価する試験では、「Direct Peptide Reactivity Assay (DPRA)」(*3)が一般的に用いられています。「DPRA」は、皮膚を構成するタンパク質の代わりとなるペプチドを試薬に用いた皮膚感作性試験代替法で、ペプチドと化学物質を混ぜた反応液の中で結合せずに残ったペプチドの量を紫外線の照射により検出することで炎症の度合いを評価するものです。しかし、「DPRA」は、ペプチドを検出する感度が低いため、評価には高濃度の反応液が必要です。そのため、調製時に反応液の中で化学物質が分離したり、調製後に反応液を分析する際にペプチドと化学物質を区別して測定できないことがあり、化学物質の種類によっては皮膚感作性を正しく評価できない、という課題がありました。

今回、富士フイルムが写真フィルムの研究開発などで長年培ってきた高度な化学合成力・分子設計力を活用して新たに開発した「ADRA」は、紫外線による高感度検出が可能なナフタレン環を有した新規アミノ酸誘導体を試薬に用いることで、評価に必要な化学物質と試薬の量を大幅に低減。それぞれ「DPRA」の約1/100の量でも皮膚感作性試験を可能にするとともに、反応液中でも化学物質の安定性を保てるため、皮膚感作性を高精度に評価することができます。さらに、医薬品に使用されているサリチル酸など、「DPRA」では正しく評価できなかった化学物質も評価できるなど、多様な種類の化学物質の皮膚感作性を正しく評価できるようになります。

[図]

「ADRA」は、富士フイルムが2016年10月から2017年4月に実施したバリデーション試験(*4)においてその効果が実証されるとともに、国際的な早期普及が動物実験の「3Rの原則」の推進に繋がると世界各国の専門家に認められ、約3年という短期間でOECDガイドラインに収載されました。今後、世界標準の試験方法として国際的に普及することにより、実験動物を使用しない新規化学物質の開発に大きく貢献できます。

動物実験代替法の分野で国際的に権威のある日本動物実験代替法評価センター 小島肇事務局長は、「この度、OECDテストガイドラインに収載された皮膚感作性試験代替法『ADRA』は、化粧品や化学品の動物を用いない安全性評価に多大なる影響を与えるものであり、本試験法が国際的に広く利用されることを期待しています」とコメントしています。

富士フイルムは、これまでにも製品の開発初期から製品化に至る各段階で、地球環境やヒトの健康にかかわる化学物質の安全性評価技術や管理手法の構築に取り組んできました。これらの技術・知見と、総合試薬メーカーである富士フイルム和光純薬が持つ高い技術力を組み合わせて「ADRAキット(*5)」を開発し、昨年9月より富士フイルム和光純薬を通じて国内外で販売しています。今後も引き続き、化学物質の安全性担保と、動物実験の「3Rの原則」の推進を両立させるために、新たな評価技術などの開発や普及に積極的に取り組み、実験動物を使用しない化学物質の安全性評価の仕組み作りを進めていきます。

なお、「ADRAキット」は、6月26日から28日まで開催される第46回 日本毒性学会学術年会にて展示いたします。

*1 OECDが化学物質の特性や安全性を評価する試験方法を国際的に共通化することを目的としたガイドライン

*2 「できる限り動物を供する方法に代わり得るものを利用すること」(Replacement)、「できる限りその利用に供される動物の数を少なくすること」(Reduction)、「できる限り動物に苦痛を与えないこと」(Refinement)。

*3 ペプチドと化学物質を反応させた後、結合せずに残ったペプチドをHPLC(高速液体クロマトグラフ)で測定することで、皮膚感作性を評価する方法。

*4 新たな試験法が、特定の目的に対して信頼性と関連性を持つことを検証すること。

*5 ADRAキット(296-80901):試薬の他に、水溶液の性質(pH)を「ADRA」に適した値に調整する緩衝液などを同梱した、「ADRA」を簡便に実施できる試験キット

本件に関するお問い合わせは、下記にお願いいたします。

  • お客さま CSR推進部 環境・品質マネジメント部 安全性評価センター
  • TEL 0465-73-7440
  • 報道関係 コーポレートコミュニケーション部
  • TEL 03-6271-2000
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記事の内容は発表時のものです。最新情報と異なる場合(生産・販売の終了、仕様・価格の変更、組織・連絡先変更等)がありますのでご了承ください。

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