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日本

米国通商法301条/WTOフィルム問題関連リリース

コダックの市場調査に対する反論書を米国通商代表部(USTR)に提出

ニュースリリースの内容は発表時のものです。最新情報と異なる場合(生産・販売の終了、仕様・価格の変更、組織・連絡先変更等)がありますのでご了承ください。

平成8年4月30日
富士写真フイルム株式会社


 富士写真フイルム株式会社(社長:大西 實)は、コダックの市場調査に対する反論書を、4月29日(ワシントンD.C.時間)USTRに提出いたしました。

 コダックは、「コダックのフィルムは日本市場の3分の2で全く販売されていない上、価格面で完全に競合できるのは市場の10%に過ぎない」とする調査レポートを3月20日にUSTRへ提出しました。
 これに対し、富士フイルムは、今回の反論書で、コダックの調査結果は致命的な欠陥のある論理・方法により導き出されたものであり、全く信頼性を欠くことを明確に論証しています。

 コダックフィルムの日本市場における取扱率を正しく求めるためには、「コダックを扱っている店が市場で占める売上げはどれくらいか」という点に焦点を当てなければ意味がありません。たとえ、コダックを取り扱っている店の数自体が少ないとしても、その売上数量が十分に大きければ、市場全体での取扱率は大きいということができるからです。そのためには、調査対象の各店の売上数量に基づいて、コダックフィルムの取扱率を加重することが必要です。

 しかし、コダックは、例えば写真専門店という一つの業態で、年間販売量が数百本という中小店と数十万本という量販店とを同じ比重で扱っているため、コダックフィルムの取扱率は過少になっています。また、同様に、日本でのフィルム販売数量が都市部に集中している現実を無視し、調査対象店を全国から均等に抽出することにより、都市部と他の地域とを同じ比重で扱っているため、コダックフィルムの取扱率は更に過少になっているのです。

 これに対して、富士フイルムが日本リサーチセンターに委託して行った調査は、このような方法論上の欠陥を一切含まない合理的なものです。その結果、コダックフィルムの取扱率は(地域により異なるものの)56~77%で、コダックフィルムが日本で広く扱われていることを明確に示しています。

 コダックの市場アクセスの問題に関して最も重要なのは、「富士フイルムの特約店がコダックフィルムを扱わないので、コダックは日本市場にアクセスできない」という、「流通ボトルネック」論が、富士フイルムが昨年12月にUSTRへ提出した「特約店調査」のデータによって完全に否定されている点です。特約店の顧客の殆どがコダックフィルムを扱っている事実がある以上、特約店の存在とコダックの市場アクセスの問題とは無関係なのです。小売市場におけるコダックフィルムの取扱率がコダックの満足するような数字でなかったとしても、それはコダック以外のブランドをより好む消費者の需要に従った、小売店の経営判断を反映したものに過ぎないのです。コダックに欠けているのは、消費者のコダックフィルムに対する嗜好を高める積極的な販売促進策なのです。(添付「日経産業新聞」掲載記事 参照)

 これに対して、コダックは、「流通ボトルネック」論が虚構であることを暗に認めているかのように、「特約店調査」の結果に対しては何も反論していません。そして、「事実」を否定できないコダックは、調査内容には言及せずに、ついには「『特約店調査』は、富士フイルムが5%の株式を保有し、同社の社長が役員を務める日本リサーチセンターによるもので、信頼性に欠ける」と、方向違いの「反論」をしています。しかし、日本リサーチセンターは政府機関や巾広い業種の多くの会社が利用している、日本で有数のマーケットリサーチ会社の一つであり、「特約店調査」の結果は第三者の検証に十分耐えうるものであります。この調査結果に対するコダックの反応は、人々の目を「事実」からそらせようとするものです。

 富士フイルムは、中立的に、かつ客観的に事実の確認を行えば、日本の写真市場がオープンで競争的であることが、はっきりすると確信しております。

 

<ご参考>

 - 「日経産業新聞」平成8年4月12日掲載記事

 「・・・長野地区はコダック社の「戦略拠点」と唐沢元・日本コダック取締役。同社は98年長野冬季オリンピックの公式スポンサーで、昨年来、テレビCMを大々的に流したり、地域限定商品を投入してきた。 ・・・・・・・・日本コダックによると、長野県でのカラーフィルムのシェアは1年前の5%から15%まで高まったという。全国平均を約5ポイント上回る。「シェアの低かった長野での経験を参考にして、今後、他地域でのシェア拡大につなげる」(唐沢取締役)作戦だ。・・・・」(同紙32面)

  -- 日本コダック自身が、真摯な営業努力さえすれば日本の地方市場でも短期間のうちにシェアが格段にアップすることをはっきりと認めている。 まさにこれが真実であり、日本市場がオープンであることを端的に示すものである。

 

 - 日本リサーチセンター(株)の会社概容

  1. 所在地:東京都 中央区 八丁堀4-5-4 秀和桜橋ビル
  2. 代表者:富永 正文
  3. 設 立:1960年12月
  4. 営業内容:

    調査研究部門(60%),マーケティング研究部門(33%),
    PR研究所(6%)

  5. 売上高:35億5,754万円(95.7決算)
  6. 資本金:1億円
  7. 従業員:89名(95年11月)
  8. 役 員:

    (代会)鈴木松夫(名会)鈴木恭二(常)梅沢龍二,
    (取)青木元二,木村庄一,勝田渡,東好一,上野公夫,堤清二,
    茂木克己,北島義俊,大野晃,小林敦,小林陽太郎,大西實,
    渡里杉一郎,鈴木忠雄,他

  9. 主要株主(アイウエオ順):

    アサヒビール,味の素,キッコーマン,昭和アルミニウム,新日本製鉄
    西武百貨店,大日本印刷,ダイハツ工業,中外製薬,千代田火災海上保険,
    東芝,東レ,トヨタ,野村証券,富士写真フイルム,富士ゼロックス,
    森永乳業,ライオン他

  10. 取引銀行:さくら・住友・東京三菱・第一勧業・三和
  11. 事業概況:

    一流企業20社を株主とする総合調査研究機関であり、業界に於ける知名度も高く、官公庁からの受託事業も多い。
    またギャラップインターナショナルを通じて世界60ケ国での調査ができる。

 

本件に関するお問い合わせは、広報室 岡本・安部(TEL 03-3406-2490)へ