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京都 The Old and New Guide of Kyoto
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例えばくるりや木村カエラのCDジャケット、またイ・ビョンホンのサマンサ・タバサの広告写真。雑誌や広告など様々な媒体でポップでユニークなポートレイトやファッションなど、ジャンルを問わずに活躍している写真家・MOTOKOさん。そんな彼女が今年、2001年から撮影を開始し、ずっと温めていた写真集を世に出した。被写体は京都。見るからに美味しそうなおそば、自転車のヘルメットをかぶったまま名庭で休む若者の姿……。1250年を超える古都の普段着の姿が、この「京都 The Old and New Guide of Kyoto」にはぎゅっと詰まっている。

「元々京都の学校に行ってて、その後大阪芸大に移ったんです。だから友達も京都の子がほとんどだったし、青春時代を過ごした街が京都だった。その後写真の仕事をするようになり、東京に移って改めて京都を眺めたとき、京都以外の土地の人が見る“京都”って自分にはしっくりこなかったんです。雑誌でよく特集されるような、観光名所のお寺の情景に、上質な旅館に、いい布もののお店に、という“キレイキレイな京都=和”のイメージ。あれは私が日頃目にしている京都とは違う。地元の目線で見たときの京都を、うまく京都以外の人の目線で伝えられないか。その思いからこのプロジェクトはスタートしました」

忙しい仕事の合間を縫って、MOTOKO さんは2001年頃から2004年までの4年間、相当まめに京都に通い、撮影を続けた、という。

「お仕事的に京都の街を撮影すると、撮影する時間が限られているから、いい空気が映ってこないんですよ。機械的に、情景の表層だけを切り取ることになってしまう。私が伝えたい京都を、見た人に分かってもらう写真を撮るには、相応の時間がかかる、と最初から覚悟を決めていました」

京都通いを始めて最初の数ヶ月は、自分の中の京都を問い直し、「京都が映ってこない」ため、なかなかシャッターをきる機会に恵まれなかった。

「例えば1940年代のパリには、ブラッサイや、ローベル・ドアノーといった巨匠がいますね。彼らはパリにしかない風景を写し取りながら、ある意味普遍的なイメージを切り取っていたと思うんです。表現者として、それと同じことが、今の時代の私と京都の間でできると思ったんです。京都の20年てね、東京の5年だと思うんです。京都の人は自転車で行動して、お金をあまり使わない。ものをあまり消費せず、大切に長く使う。見聞や知識の広い人が多くて、人々の知欲がすごい。私の知っている京都は、熟年の旅先ではなく、“今の20代のライフスタイルの街”なんですよ。例えば左京区のあたりは昔からストリートカルチャーが盛んで、音楽なんかも、京都から発信されるものって多いですしね。カフェ、オーガニック野菜、町家のリフォームなど、いわゆるはやりなことって、京都では昔からあったことだし」

そんな地元の人しか知らない京都の顔を、まるでアーティストのポートレイトを撮るような気持ちで美しく撮る。それが基本的なアイディアだった。


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(C)MOTOKO
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