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LESSON VOL.40

撮りたい気持ちが、可能性を広げます!
写真を撮るときのちょっとしたアイデアやテクニックをご紹介。
この「ちょっと」が、写真の表現力に大きく差をつけます。

今月のテーマ 料理撮影のコツを覚えよう!
見たまま、自然に料理を撮る写真家の新居明子さん。「『おいしそうに撮らなくちゃいけない』と構えなくて大丈夫。大事なのは食いしん坊な気持ちかな(笑)。きれいな光の中で、絵になるように撮る。それは料理だけじゃなくて、風景も人物も同じです」(新居さん)。そしてちょっとだけ「こっちの角度がおいしそう」とか「この野菜の色がきれい」とか、センスを研ぎ澄まして。「おいしそう、食べたい!」気分に素直なまま、いざ、好きな料理を撮ってみましょう。
新居明子さん
スタジオマンなどを経て、2001年に写真家デビュー。以来、雑誌「クウネル」(マガジンハウス)などを中心に、多くの雑誌や料理本で活躍。写真を手がけた本に「VEGE BOOK」(リトルモア)のほか「野菜だより」(アノニマ・スタジオ)「サンクの本」(主婦と生活社)など。甘すぎない、自然でかっこいい写真が持ち味。


自然光で撮る
「横からの自然光で、料理に立体感を出すのが私は好きですね。やはり光が一番のポイント。きれいな光の中に置けば、おいしそうに撮れることは間違いありません」(新居さん)。前からの光だと、料理全体に影がなくなり、平面的であまりおいしそうに見えません。また、できたての湯気を見せたいときは逆光がオススメ。影が濃い場合は、白い紙などをレフ板代わりにしましょう。光が来る方向とは反対側から、光を反射させて料理にあてると、影が柔らかくなります。
左横からの自然光でマフィンを撮影。表面の凹凸や砂糖に影ができて立体感が出ています。
これも横からの自然光。タレや油でてかるもの、形がしっかりしている料理はおいしそうに撮りやすい。
逆光で撮影。できたてのご飯から立ちのぼる湯気がよく見えます。ほかほかした感じが食欲をそそります!
桃を逆光で撮影。みずみずしさが伝わってきます。焦点を絞って邪魔な背景をぼかすのもコツ。

おいしそうな場所にぐぐっと寄る、引いて全体をきれいに撮る
思いきり近づくのも、料理をきれいに見せる秘訣。例えばチャーハンなど、全体の色味が地味な料理は、ただ撮るだけではなかなかおいしそうに見えません。全体を撮らなくても料理の内容がわかるものは、近づいて撮ってみましょう。「ここが食欲をそそる!」という部分に狙いを定めてパチリ。逆に、盛り付けのシンメトリーがきれいなものや、素材が多くて全体を入れないと料理のすべてが見えないものは、料理全体が入るように引いて撮るのがベター。
茶色1色のパンは全体を撮っても平凡になりがち。近づけば色の微妙な違いやパンの生地目まで見えるおもしろい写真に。
こちらも、全体にクリーム色なので、ただ撮るだけでは地味な印象。少し近づいて撮ることでメリハリが出ます。
ボウルに入ったフルーツ。ボウルが深いので上から、フルーツの赤味や切り口を強調するように近づいて撮っています。
シンメトリーがきれいな「クスクスジャマイカン」を真上から撮影。お皿は全部入れないで角を少し削ってみました。
ビーフンをよそるところをパチリ。横からだとフライパンが大きくて料理が写らないので真上から。手元のブレに臨場感が出ています。

プロセスも楽しもう!
つくっている途中のわくわく感、食べた後の満足感も、料理の楽しみ。そんなところを撮るのも、新たな表現が広がります。色とりどりの野菜や魚など、材料をただ並べて撮るもよし。材料を混ぜているところを撮るもよし。「食べている途中も美しいときがありますね。ご飯をよそっているところとか、お料理をサーブしているところ、切り分けられた小皿なんかも楽しい」と新居さん。特にパーティや友人との食事にはシャッターチャンスがいっぱいありそうです。
大小さまざまなグレープフルーツの断面が何だかおもしろい1枚。果汁や種もあえて見せるのがポイント。
パーティーでは特に撮りたい、セッティングされたテーブル。「これからみんなで食べるぞ」というわくわく感があります。
ケーキの生地とラズベリーを混ぜているところ。こんな何気ない途中経過も、写真で見ると迫力があります。
ケーキを切り分け中。デコレーションが華やかじゃなくても、断面や散らばったフルーツに動きが出てかわいらしくなります。


次のことも押さえておこう!

新居さん流のポイントは「料理だから」と構えて、アングルやアクセサリーに凝るより、まずは素直に撮ること。さらにその他のちょっとしたポイントも教えてもらいました。

●事前に準備をしておく
料理ができてから撮影準備…ではせっかくのお料理が冷めてしまうし、メニューによっては見た目が悪くなる場合も。テーブルクロスをひいておく、組み合わせる小物を決めておく、構図を考えておく、などあらかじめ準備をしておいて。

●お皿は平たいものがベスト
あくまで主役は料理。深い皿や鉢だと料理が見えにくかったり、中が暗くなりすぎて見栄えがしません。お皿はなるべく平たいものを選びましょう。さらに、料理の真ん中に高さができるよう盛り上げて盛り付けると立体感が出ておいしそうに撮れます。

●ものによってはしばらくたってからが「撮り時」
「できたてを撮るべき」と思われがちな料理ですが、ものによっては少し時間がたってからのほうがおいしそうに見える場合もあります。例えばアイスクリームは少し溶けてきた頃。どこに一番食欲を刺激されるか、改めて考えてみてください。

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クリスマスカードを作ろう!
vol.38
おもしろおかしな写真を撮ろう!
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携帯写真の醍醐味を知ろう!
一眼レフはじめてコース
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vol.2 自分好みの写真を探そう!
vol.3 光の種類によって写真の表現が変わる!?
vol.4 写真の明るさ「露出」をコントロールする!
vol.5 「ボケ」の演出にトライ
vol.6 動く被写体をイキイキ撮ろう!
vol.7 構図のとり方で写真orイメージが変わる!
【マメマメ知識】
カメラのケアあれこれ
新居さん撮り下ろし最新本!
野菜を知りつくし考え抜いたメニューを提供する「カフェエイト」のヴィーガンレシピブック。ヴィーガンとはベジタリアンの一種で、肉、魚、乳、卵などの動物性食品を一切食べない純菜食主義のこと。『VEGE BOOK』を片手に、ヴィーガンレシピを実践してみませんか。


Cafe Eight
『VEGE BOOK』
写真:新居明子
価格:1890円(税込)
リトルモア刊行

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