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放送用からホームビデオヘ - ビデオテープの躍進

 

1970年代に入り、当社は、放送用ビデオテープの高性能化を進めるとともに、新たに登場した小型ビデオ用に各種のテープを開発する。その後、ベータ方式・VHS方式のVTRの登場とともに、本格的なビデオ時代を迎え、市場は急速に拡大する。当社は1/2インチビデオカセットテープの開発に取り組み、1978年(昭和53年)からは、“フジビデオカセット”の商品名で、両タイプの自社ブランド品を発売する。その後、新磁性体を使用したより高性能の“フジビデオカセットHG”を発売し、各サイズを整備する。コンピューター用メモリーテープについても、より高品質品を発売し、高い評価を受ける。また、販売体制を強化するため、富士マグネテープ株式会社を発足させる。

放送用ビデオテープの高性能化

[写真]東芝-富士フイルム 放送用ビデオテープH701

東芝-富士フイルム
放送用ビデオテープH701

[写真]東芝-富士フイルム 放送用ビデオテープH706

東芝-富士フイルム
放送用ビデオテープH706

[写真]フジビデオテープH621

フジビデオテープH621

当社は,1959年(昭和34年),国産で初めて放送用2インチビデオテープの録画に成功し,1963年(昭和38年)にNHKに正式納入を開始,翌1964年(昭和39年)から民放各社にも納入してきたが,1967年(昭和42年)にはカラー放送用ハイバンド“東芝-富士フイルム放送用ビデオテープH700”を発売し,国内では圧倒的なシェアを確保するに至った。

1970年代に入って,カラー放送の普及に伴い放送用ビデオテープに要求される性能も高度なものになっていったが,当社では,次々に新製品を開発し,それらの要求に応えていった。

すなわち,1971年(昭和46年)2月に,走行適性を改善したバックコート品“東芝-富士フイルム放送用ビデオテープH701”を発売し,各テレビ局から好評をもって迎えられ,次いで1973年(昭和48年)2月には,“東芝-富士フイルム放送用ビデオテープH706”を発売した。“H706”は“H700”や“H701”と互換性をもったハイバンド用テープで,“H701”と同じ磁性体・同じバインダーを使いながら,磁性層やべース厚を薄くして長時間タイプとしたものであった。

当時,放送用ビデオテープは,ユーザーサイドでコンパクト化の要請が強く,かねてから1インチ幅テープが要請されてきた。当社は,このニーズに応えて,1インチ幅テープの開発を進め,1979年(昭和54年)9月,1インチ幅の高密度ビデオテープ“フジビデオテープH621”を発売した。これは,後述するベリドックス磁性体と新バインダーシステムとを組み合わせたもので,あらゆるフォーマットに適合した優れた耐久性や安定した映像,音声特性,ヘッド摩耗の減少,優れた巻き特性を備え,プロフェッショナルユースに高い評価を得ている。

なお,これら放送用ビデオテープは国内で使用されるだけでなく,世界各地へ輸出し,各国のテレビ局で使用されるようになった。当社品の品質が高く評価されて,海外市場への輸出は順調に伸長し,世界市場に確固たる地位を獲得していった。

ホームビデオテープの開発

[写真]テレビ局で使用されているビデオテープ

テレビ局で使用されているビデオテープ

[写真]1/2インチ統一規格テープ 富士フイルムビデオテープV601

1/2インチ統一規格テープ
富士フイルムビデオテープV601

1964年(昭和39年)ソニーが,翌1965年(昭和40年)松下電器産業と日本ビクターが,相次いで小型のビデオテープレコーダーの開発に成功した。いずれも1/2インチ幅オープンリールテープを使用するもので,今日のビデオ時代の幕開けを告げる画期的な出来事であった。その後,このシステムには電気機器メーカー各社が参入し,各メーカーから各種のシステムが発表され市場で混乱が生じた。そこで,電子機械工業会(現日本電子機械工業会)では,小型ビデオテープレコーダーの規格統一について検討を進め,1972年(昭和47年)10月までに各種の統一規格を制定した。

この規格内容を具体的に示す標準テープは,同工業会から当社に製作を依頼され,当社は1/2インチVTR用標準テープ3種類を製作,各ハードメーカーやソフトテープラボに配布した。

VTRの標準テープは,こうして世界で初めて日本で完成し,日本の標準テープが世界の規格となっていったが,これを製作提供した当社の技術力は,わが国だけでなく,国際電気標準会議(IEC)や米国電子機械工業会(EIA)など,VTRに関係する国際機関からも高く評価された。

当社は,ホームビデオテープ用には,1971年(昭和46年)12月,1/2インチ統一規格テープ“富士フイルムビデオテープV601”を発売しハードメーカー各社にも納入した。また,それと時を同じくして優れた性能の“富士フイルム工業用ビデオテープV611”も発売した。

高性能ビデオカセット“ベリドックス”の開発

[写真]フジビデオカセットベリドックス

フジビデオカセットベリドックス

小型ビデオは,当初ハードメーカー各社のシステムが乱立したが,それらの中で次第に主流を占めるようになってきたのは,取り扱いに便利なカセットあるいはカートリッジ型のもので,こうしたすう勢に合わせて,当社は,各ハードメーカーと共同でテープの開発を進め,1974年(昭和49年)11月,3/4インチのビデオカセットテープ“フジビデオカセットベリドックス”を発売した。

当時,ビデオテープには磁性体として二酸化クロム(CrO2)が使われていたが,当社は,独自の技術で新しい形の酸化鉄磁性体“ベリドックス”を開発した。この新磁性体を使用して商品化した“フジビデオカセットベリドックス”は,画像の明るさを高め,鮮明度を向上させるとともに耐久性の優れたテープとした。

このテープは,1975年(昭和50年),アメリカ最大の放送関係機材展示会NABショー(National Association Broadcasters Show)で好評を博したほか,関係各方面からも高く評価され,1976年(昭和51年)4月,当社関係者は第8回市村賞奨励賞を受賞した。

“フジビデオカセット”VHS用とベータ用の発売

オープンリールからカートリッジ,そしてカセットヘと発展してきたビデオテープは,1970年代後半になって新しい時代を迎えた。すなわち,1975年(昭和50年)から1976年(昭和51年)にかけて,ベータ方式とVHS方式の二つの異なるカセット方式が登場し,各ハードメーカーは,ベータグループとVHSグループの両陣営に分かれて1/2インチVTR市場に進出し,本格的なホームビデオ時代を迎えることになった。

このような情勢の中で,当社は,早期に1/2インチビデオカセットの開発に取り組んだ。日本ビクターの協力要請に応じて,VHS方式のビデオカセットテープを開発し,同社および松下電器産業をはじめとするVHSグループ各社に供給を開始した。

しかし,OEM(相手先ブランド製品の製作)納入は,ハードを持たない当社の強みではあったが,ビデオテープ市場が急速に拡大していく中で,当社がテープメーカーとして大きく成長していくためには,市場への直接自社ブランド品を出していくことが是非とも必要であった。かくして,当社は,VHS・べータ両タイプの製作に関する規格を導入してビデオカセットテープの生産に踏み切り,1978年(昭和53年)9月に,テープメーカーとして初めて“フジビデオカセット”の商品名で両タイプを同時に発売した。発売に当たっては,カセットテープの特長として,(1)画像がシャープ(2)カラーが鮮明(3)優れた耐久性(4)精密なカセットケース(5)デッキとの相性のよさ を強調した。

発売後は,ユーザーの間に好評をもって迎えられ,パッケージについても鮮明・精密・清潔を商品コンセプトとして,白を基調とするすっきりしたデザインを採用しユーザーにアピールした。

“フジビデオカセットHG”の開発

[写真]フジビデオカセット(左ベータ用,右VHS用,中央はフジビデオカセットHG(VHS用))

フジビデオカセット
(左ベータ用,右VHS用,中央はフジビデオカセットHG(VHS用))

ビデオテープレコーダー(VTR)は,1/2インチビデオカセットの出現によって,小型化・簡易化が実現し,新しい映像システムとして急速に普及していった。それに伴ってビデオテープにも,より高性能のもの,より長時間録画可能なものが求められた。

当社は,このような要望に応えてVTRの多様化に対応する高性能ビデオテープの開発を進め,1979年(昭和54年)12月,“フジビデオカセットHG(VHS用)”を発売した。HGは,ハイグレード(High Grade)の頭文字をとって命名したもので,磁性体として新開発のスーパーファインベリドックス(Super Fine Beridox)を使用し,従来のビデオカセットと互換性を保ちつつノイズを低減させ,画質・音質を向上させるなど,次のような特長を有していた。

  1. 鮮明でシャープなカラー画像を再現した
  2. ドロップアウトを大幅低減した
  3. VTRの多様化に対応し,実用性能と耐久性を一段と向上した
  4. 画質の生命であるビデオS/N比を従来タイプよりも2dB(デシベル:音の強さの単位)アップし,音声多重VTRに対応して音声も一段とグレードアップした

この“フジビデオカセットHG(VHS用)”はT-120(120分),T-60(60分),T-30(30分)の3種類を発売したが,標準モード(モード:録画・再生スピード)のほかに,3倍モード(T-120で360分)での録画でもシャープなカラー画像の再生が可能で,長時間録画の要望に応えた。

1981年(昭和56年)11月には,“フジビデオカセットHG(VHS用)”に3倍モード時代に応えてT-100,T-80,T-40,T-20の新サイズを追加発売した。これは,ビデオの長時間化・多機能化・音声多重化,ビデオカメラによる録画の増大など,多様化するユーザーニーズに応えたもので,これによってVHS用HGタイプでは,3倍モードで1時間きざみに好みの長さのテープが選べるようになった。

また,べータ用としては1982年(昭和57年)6月,“フジビデオカセットHG(べータ用)”を,L-750以下7サイズ発売した。特にL-750は,従来製造が困難とされていたべータタイプでの長時間テープで,テープ機械特性および物理性の改善とカセットケースの精度向上によるテープ走行性の飛躍的向上などによって商品化に成功。3倍モード付きデッキを使用すれば,4時間半のロングプレーを楽しむことができた。また,L-330(3倍モードで2時間)・L-165(3倍モードで1時間)は,ユーザーニーズの多様化に応えたもので,これらの新製品の発売によってフジビデオカセットベータタイプのラインアップが強化された。

一方,海外市場では,特に長時間テープの要望が強く,当社は,1981年(昭和56年)4月に海外向け専用の“フジビデオカセットE-240”(VHS用)を他社に先駆けて発売した。

“E-240”は「デュロ・バックコート」という新技術を採用してテープエッジの強度を高めたほか,テープの走行安定性・耐久性などの諸特性を向上させ,さらにべース厚10.8ミクロンの薄層化を達成し,PAL方式で4時間録画を可能とした製品で,サッカー試合の録画などの長時間録画のニーズに対応している。

また,翌1982年(昭和57年)3月には,“フジビデオカセットT-160(VHS用)”を発売した。これはNTSC方式で160分(2時間40分)という長時間録画を可能としたもので,標準テープスピードによるNTSC方式で2時間が限度とされていた録画時間を,薄手テープ化技術によって大幅に上回ることに成功したものであった。

コンピューター用テープの伸長

当社は,1965年(昭和40年)に国産初のコンピューター用“富士フイルムメモリーテープ”を発売したが,コンピューターの普及に伴って,その生産・販売量は急速に増大していった。とりわけ,当社製品の優秀性が電電公社(現NTT)に認められ,1972年(昭和47年)同公社への納入を開始してからは当社テープを採用するところが急速に増加した。

[写真]富士フイルムメモリーテープST

富士フイルムメモリーテープST

1973年(昭和48年)4月には,カセット型式のメモリーテープ“富士フイルムメモリーカセット”を発売し,1981年(昭和56年)7月には,コンピューター用メモリーテープの性能を一段とアップした新製品“富士フイルムメモリーテープST”,同“GT”を発売した。

“ST”およびより高品質の“GT”は,ユーザーからの要請に応え,新しく開発したPHUバインダーシステム(強固な結合力と柔軟な表面性という相反する特性を向上させた新しいバインダーシステム)と高度な薄層塗布技術によって実現した高品質のテープで,次のような特長を有していた。

  1. 安定度が極めて高い
  2. ドロップアウトの増加を防ぐクリーンなテープ
  3. 高速走行時や反復走行時の耐久性に優れている
  4. 耐候性に優れ,過酷な条件にも耐えられる
  5. テープの性能を左右する初期ドロップアウトを大幅に低減した
  6. 国際標準テープに合致する入出力特性をもつ

“ST”と“GT”は,高密度化・高速化が進むコンピューター用磁気テープとして開発したもので,各種の磁気テープ装置による実用テストを行なってユーザーの評価を確認し,絶対的な信頼のもとに発売した。その結果,多数のコンピューターユーザーに採用されていった。

販売体制の強化 - 富士マグネテープ株式会社の発足

1970年代に入って,カセットテープの急速な伸長とホームビデオテープの発売に伴い,当社は,これらの市場に本格的に進出を企図し,販売体制を強化するため,1976年(昭和51年)7月,富士オーディオ株式会社を,当社100%出資会社とし,経営陣も一新して,再スタートした。

その後,1978年(昭和53年)に“フジビデオカセット”を発売したのに伴って,1979年(昭和54年)12月,富士オーディオ株式会社を富士マグネテープ株式会社(現富士フイルムアクシア)と社名を変更するとともに,オーディオカセットテープやビデオカセットテープの販売を同社に一本化した。

当社のカセットテープの販売は,当初は,他社に比べて出遅れたことからユーザーになじみも少なく,また,それまで当社が全く販売ルートをもたない電器店・レコード店などの新しいチャネルヘの売り込みであったため,その展開は困難を極め,効率の悪いセールス活動を余儀なくされた。しかし,その後,次第に販売ネットを拡充し,ユーザーの当社テープ品質に対する評価も高まり,また,高品質のビデオテープを発売したことによってディーラーの当社ブランドに対するイメージも一段と良化し,積極的なマーケティング活動とも相まって,販売を拡大していった。

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